めくるめく、圧巻の空海ワールドへ

 〈めくるめく、圧巻の空海ワールドへ〉。こんな文句に誘われ東京国立博物館で開催していた特別展「国宝 東寺」を思い出す。空海の超人ぶりを振り返りたい▼弘法大師の名でも知られる。日本が生んだ空前絶後の知識人で思想家、宗教家など多彩な顔を持つ。名筆家もその一つ。ことわざにも「弘法筆を選ばず」。だが実際は違うらしい。書体によって筆を厳選せよとさえ言っている。また有能な農業土木技師でもあった▼真言宗の教えに身口意(しんくい)を表す密教の「三密」がある。空海の先見性を示す一つかもしれない。コロナ禍の「3密」とは違うが、重なるところもある。〈身〉つまり行動はマスクや手洗い励行、〈口〉は差別など言葉を慎む、〈意〉は医療関係者らに感謝の気持ちを忘れない▼90歳で逝った母の一周忌で先日、仙台へ。寺は真言宗で供養の後、僧から空海の教え〈四恩〉という一文を授かる。国王、衆生、三宝、父母の四つの恩の大切さを説く。中でも親の恩を子々孫々に伝えていくのは人の務めだろう。ふと亡き母の面影がよぎった。祈りと実践は現代に生き続ける▼今なお〈コロナ暗黒〉が覆う。きのうから臨時国会で論戦再び。1週間後には米大統領選投開票も控える。空海なら今の混迷の闇にどんな希望の“光”を照らすのか。
 

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