廃プラリサイクル本腰 英の資材メーカー結集 全国規模で回収 農家の供出促す

 英国の農業資材メーカーなどが、プラスチックのリサイクル事業に力を入れている。中でも非営利団体の英国農業プラスチック環境(APE―UK)の取り組みが目立つ。全国規模で回収ネットワークを構築し、農家が供出しやすいサービスを提供する。(齋藤花)

 APE―UKは2019年12月、サイレージフィルムメーカーのタマUK(ハンプシャー州アルトン)など大手10社が設立した。21年1月までに全国の廃棄物リサイクル業者や運送業者をリスト化し、農家が利用可能な情報を発信する。農家向けのリサイクル業者との連絡方法や廃棄物分別方法などの講習も行う。さらに、政府にプラスチック回収場所の増設を呼び掛ける運動も展開する。

 同国でプラチック製農業資材のリサイクル推進が始まったのは06年。英政府が環境法に基づき、プラスチック製農業資材の自家焼却を禁じたことをきっかけに、廃棄物回収業者や資材メーカーが連携し、プラスチック再生活動(RS)を進めた。しかし、農家は耐用年数が過ぎたプラスチック資材をリサイクル業者に供出する方法が分からず、依然として自宅の庭で焼却するケースが多発している。

 公立廃棄物管理機関によると、プラスチック製農業資材の廃棄量は年間約13万5500トンで、そのうちリサイクルされるのは3割にとどまり、残りの7割が埋め立て地に送られるか自家で焼却されている。

 APE―UKは、RSに参加する農家が国内10万9000戸の1割と少ないことを取り上げ「RSは費用がかかり、面倒であるとの理由で消極的な農家もいる。家具や生活雑貨など粗大ごみの廃棄に料金を支払うように、農業資材にも責任を持つべきだ」と指摘。「今後は自治会を通じてパンフレット配布やインターネット交流サイト(SNS)による回収場所の情報発信を強化する」と意気込む。

 長年RSに参加しているウィルトシャー州グリトルトン村で牛を肥育するジュリアン・ブラントさん(57)は、参加費用としてRS指定のプラスチックを保存するバッグ(1500リットル分収納)代1枚につき6ポンド(約840円)と、RSの年会費約200ポンド(約2万8000円)を支払っている。

 ブラントさんは、サイレージフィルムや防水シート、自家製野菜を栽培するハウス用ビニールなどを原料ごとに8種類の袋に分け、隔週でリサイクル業者指定の収集センターに持っていく。「廃棄ビニールを納屋にため込んで虫を湧かせるよりも、年会費を払って業者に引き取ってもらい、農場を清潔に保ち、環境を保護できる方がずっと良い」と、活動の利点を挙げる。
 

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