肉用牛ゲノミック評価 ネットで通知早く 家畜改良事業団
2020年12月01日
家畜改良事業団は、肉用雌牛のゲノミック評価の結果をスマートフォンなどで閲覧できるサービス「G―Eva(ジーバ)」の運用を、1日から始める。同団にゲノミック評価を依頼した人が閲覧できる。過去に評価した牛の最新評価値も分かる。交配相手の種雄牛の能力評価と雌牛の評価値から、生まれてくる子牛の能力が推定できる機能もあり、交配時に役立てられる。
家畜改良事業団は繁殖雌牛の枝肉形質について、育種価とゲノム情報を利用して遺伝能力を評価してきた……
家畜改良事業団は繁殖雌牛の枝肉形質について、育種価とゲノム情報を利用して遺伝能力を評価してきた……
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減る消防団員 なり手を増やす環境に
集中豪雨などによる災害から地域住民を守る消防団員の減少が止まらない。大規模災害が頻発している。地域防災の中核を担う消防団員の確保に向け、政府は環境整備を急ぐべきだ。
消防団は、市町村の非常備の消防機関。全ての市町村に設置され、公務員や農業者、JA職員、会社員ら他に本業を持つ団員で構成する。災害時には消火活動や住民の避難誘導、救助活動、救助が必要な人の捜索などに当たる。日曜日などに訓練し、災害に備える。
被害を最小限に抑えるには初動が肝心で、地域密着型の消防団は欠かせない組織だ。熊本県を中心とした昨年7月の豪雨では、12県で延べ5万6000人が救助、巡視警戒、避難誘導などで重要な役割を発揮した。
1954年に200万人を超えていた全国の団員は、少子高齢化や人口減少などで90年には100万人を下回った。昨年は81万8000人で、2年連続で1万人を超す減少となった。
地域の防災力を維持するためにも団員の減少を食い止める必要がある。災害の多発化や激甚化と団員数の減少で、団員1人の役割も増している。50歳以上が2割を超え、高齢化も進む。会社勤めのため日中は不在となる団員が増え、地域防災の弱体化が進んでいるのが実態だ。
消防庁は、退職報償金の引き上げなど、団員確保策に取り組んできたが効果は限定的だ。報酬も、危険を伴う活動に見合う水準への引き上げが急務だろう。国は、一般団員の報酬について年間3万6500円、出動手当1回7000円として、地方交付税を措置している。しかし、市町村が決める実際の報酬は、全国平均で年間3万1000円弱にとどまっている。
同庁は、昨年末に、研究者や首長などによる「消防団員の処遇等に関する検討会」を開いて改善策を探り始めた。報酬全体の底上げを目指すべきだ。
問題は、急速に少子高齢化と人口減少が進む農山村地帯だ。対応を急がないとなり手がいなくなり、地域防災の基盤が揺らぐ。九州大学大学院農学研究院の佐藤宣子教授は「農林業従事者で消防団員の人は、国土保全の役割を果たしている。経営安定資金などの優遇措置を設け、住み続けられる条件を整備することも一案だ」と、農林業者の生計が成り立つような支援を提言する。考慮すべきだろう。
最近は、被災地で復旧活動などに当たるボランティアが増えてきた。行政の手が届かないところをカバーする「共助」は歓迎できる。併せて、住民による地域の防災力を高める日頃の活動が重要だ。その中核となる消防団活動に参加しやすくする職場の理解も欠かせない。
政府は、昨年末、防災・減災や国土強靱(きょうじん)化を推進するため、15兆円の事業規模となる5カ年加速化対策を決めた。地域住民が消防団に積極的に参加できるよう、総合的な取り組みも急ぐべきだ。
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2021年01月12日

ゴロゴロ具材のどさんこ餃子 北海道岩見沢市
北海道岩見沢市の「ゴロゴロふぁーむ」が製造・販売する冷凍ギョーザ。原料は北海道産にこだわった。
皮は岩見沢産小麦「キタノカオリ」を中心に、道産小麦をブレンド。香り豊かでもちもちした食感が特徴だ。道内のブランド豚「留寿都豚」を大きめに切った粗びき肉を使い、野菜も大きく切ってゴロゴロ感を出している。
味は少し甘めで塩味とのバランスが良く「一度食べたら病みつきになる」と評判だ。ニンニクを使っていないため、人と会う前に食べても気にならない。
1袋(15個、375グラム)780円。同社の他、岩見沢観光物産拠点センターiWAFO(イワホ)で販売。問い合わせはゴロゴロふぁーむ、(電)0126(22)5666。
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2021年01月13日
持続可能な地域形成へ 国際フォーラム 新たな移動手段確保 内閣府
内閣府と地方創生SDGs官民連携プラットフォームは14日、地方創生と持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにした国際フォーラムをオンラインで開いた。国内外の自治体が持続可能な地域づくりの実践例などを報告。……
2021年01月15日

あす阪神・淡路大震災26年 記憶風化させない
未曽有の被害をもたらした阪神・淡路大震災の発生から、17日で26年を迎える。月日の経過に伴い震災の記憶が風化する中、本紙が当時報じた現場を改めて訪れた。関係者は「当時の様子を知る人はもうほとんどいない」と口をそろえる。震災の記憶をいかに次代へ継承するか。改めて問われている。(北坂公紀)
助かった命「奇跡」 兵庫県西宮市・卸売市場
地震発生から3日後の1995年1月20日付の1面。激しく倒壊した木造建築物を捉えた写真が、地震の規模の大きさを物語る。撮影されたのは兵庫県西宮市の西宮地方卸売市場だ。
「スーパーのバイヤーと取引していたら、不意に強い衝撃が走り、天井が落っこちてきた」。当時、同市場で青果卸・中善を営んでいた前田裕司さん(65)は振り返る。
震災当日は午前4時ごろから市場で働いていた。地震発生時は、地面から突き上げられるような縦揺れの衝撃が大きく「店にトラックでも突っ込んだのかと思った。はじめは何が起こったのか分からなかった」。
木造瓦屋根で2階建てだった建物は倒壊。ただ、山積みだった荷物の上に屋根がかぶさる形で、地面との間にわずかな空間が生まれた。「命が助かったのは本当に偶然だった」。奇跡的に犠牲者は出なかったという。
当初は再建を目指したものの、膨大な建設費などを前に話はまとまらず、2001年に閉場となった。
跡地にはスーパーなどが立ち並び、当時の面影はほとんど残っていない。前田さんは「当時の様子を知る人はもうほとんどいないと思う」と指摘する。
神戸市・農林中金事務所
「農林中央金庫神戸事務所も無残な姿に」。発生1週間となる1995年1月24日付の近畿・北陸面。3階部分が押しつぶされ、大きな被害を受けたビルの写真が説明文と共に掲載された。
神戸市内にある神栄(株)の本社ビルで、当時は1、2階に農林中金の事務所が入っていた。入社7年目だった同社執行役員の中西徹さん(56)は「当時、3階が職場だったが、出勤前だった。地震が3時間後だったら、おそらくつぶされていた」と話す。ビルは掲載4日後の28日から解体が始まり、1998年には跡地に新たにビルが建てられた。
農林中金の事務所は、95年2月からは仮設店舗で、同年7月からは仮店舗に移転して営業を再開。建て替え後のビルにも戻ったが、2002年に大阪支店に統合された。農林中金は「大阪支店でも当時を知る人は少なくなり、現在では3人しかいない」と話す。
近年、大規模な災害が頻発し、過去の災害の「記憶」と「教訓」から学ぶことは多い。今後起こる災害で被害を少しでも抑えるために、薄れつつある震災をどう次代に継承するかが問われている。
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2021年01月16日

組合員加入運動に力 正准で新規500人超 福島・JA会津よつば
JA会津よつばは、組合員加入運動に力を入れる。5年、10年後も農業が持続でき、安定した農畜産物の生産と農家所得の向上、次世代を担う青年後継者や女性農業者らとのメンバーシップの強化を図り、農業の活性化を目指すため、正組合員の拡大拡充運動を展開。事業利用者にも「農業のよき理解者」や農業を共に盛り上げるサポーターとして、准組合員への加入を促進している。昨年12月末で、正組合員への新規加入者が171人、准組合員への新規加入者が337人に上った。
加入運動は、本店の総務課が統括。……
2021年01月16日
営農の新着記事

種子繁殖イチゴ 民間企業で初開発 育苗期間を半減 ミヨシグループ
種苗会社のミヨシグループは15日、日本の民間企業では初となるF1種子イチゴを開発したと発表した。国内向けに2品種を展開する。種子系品種はランナーで増殖する品種と比べて育苗期間が半減でき、省力化や病害虫リスクの軽減、コスト削減などが見込める。農家が果実の品質を見るための試作用苗を今秋に販売する。同日から予約受け付けを始めた。
輸送性も良好 今秋、試作苗販売
同社は高品質なイチゴの安定収穫や作業負荷の軽減を目指し、7年をかけて種子系品種の開発に取り組んだ。……
2021年01月16日

施設キュウリで 葉面積指数を活用 収量予測めざす 愛知・JA西三河
施設キュウリを栽培する愛知県のJA西三河きゅうり部会は、40人の全部会員が圃場(ほじょう)に葉面積指数を計測するLAI計測センサーを設置した。施設キュウリの生産者が導入するのは全国でも珍しい。樹勢やかん水の目安に役立て、将来的には収量予測への活用を目指す。
LAI計測センサーは植物群落の上下に照度センサーを設置し、上下の散乱光を採光する装置。葉が繁茂する状態によって上下の散乱光の光量比が変わる原理を活用し、自動で継続的に葉面積指数を計測する。静岡県農林技術研究所のトマトでの研究成果を基に、キュウリの葉面積指数を計測できるようにした。
センサーは昨年12月、開発したIT工房ZやJAあいち経済連、JAの担当者が圃場を巡回して設置作業に当たった。
農水省2019年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクトを通じて実用化した装置で、新型コロナウイルスの影響を克服するための「経営継続補助金」を活用して全部会員が導入。産地全体でスマート農業を加速化させる。
JA営農企画課の大島健一課長補佐は「産地全体の栽培技術の高度化を図ることができる。LAI計測データを使って収量を予測し、販売にもつなげていきたい。他品目への応用にも期待している」と話す。一部の部会員は、生育の最適化に向けて排液カウンターや流量センサーの取り付けも行った。
部会は15年から、他産地に先駆けて部会全体で農業用情報通信技術(ICT)ツールを積極的に活用。導入以後、10アール当たりの収量・販売金額は約15%向上した。技術力の高い農家による栽培環境・肥培管理のノウハウを共有し、産地のレベルアップを図っている。
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2021年01月15日
稲わら還元+牛ふん堆肥10アール1トン カリ施用不要に 農研機構
農研機構は14日、水稲の元肥施用で、前作の稲わらを水田に還元して牛ふん堆肥を10アール1トン以上まけば、カリを施用する必要がないことを明らかにした。土壌診断でカリが一定程度あれば、稲わらの還元だけでも半減できるという。カリの減肥に向けた指針をまとめて同機構のホームページで公開し、施肥コストの削減に期待する。
同日公表した「水田土壌のカリ収支を踏まえた水稲のカリ適正施用指針」で明らかにした。……
2021年01月15日
チバクロバネキノコバエ イチゴで特殊報福島県内初めて
福島県病害虫防除所は14日、いわき市のイチゴ圃場(ほじょう)でチバクロバネキノコバエの被害を県内で初めて確認し、特殊報第3号を発表した。イチゴへの被害は長野、茨城県などに続き7県目。……
2021年01月15日

レモン新品種「璃(り)の香(か)」初収穫 かいよう病への強さ確認 静岡県東伊豆町 白鳥岳寿さん
静岡県東伊豆町のかんきつ専作農家、白鳥岳寿さん(64)は、難防除病害のかいよう病に強いレモン新品種「璃の香」を今シーズン初収穫した。同病に強いとされる主力のニューサマーオレンジ(日向夏)は一昨年の台風の影響で発病したが、「璃の香」は発生せず、同病に対する強さを実感している。……
2021年01月14日

遠隔で指導 時間差なく 熟練技の習得 相棒は“眼鏡”「おけさ柿」で実証 新潟県×ドコモ
新潟県とNTTドコモなどは、佐渡市の「おけさ柿」産地で眼鏡型ウエアラブル端末「スマートグラス」を活用した栽培指導の実証実験に乗り出した。眼鏡のレンズに文字や映像などが映し出されるスマートグラスを農業初心者が装着し、離れた場所にいる熟練の指導者と双方向で情報を共有しながら剪定(せんてい)技術などを学ぶことができる。
県内では、高齢化による生産者数の減少が深刻で、新たな担い手の確保が課題となっている。新規参入者への技術習熟支援を目的とした同実証実験は、国の2020年度「スマート農業実証プロジェクト」に採択され、県を代表機関とした実証コンソーシアムがスマート農業技術の実証に取り組んでいる。実証期間は22年3月まで。
スマートグラスには、カメラ、マイク、スピーカーが内蔵されている。リアルタイムで遠隔地の指導者側が園地の映像を確認でき、音声で指示を出したり、剪定すべき枝を写真で送ったりできる。作業手順を表示する機能や果実のカラーチャートなどの画像を確認できる機能も備える他、音声による操作も可能で、両手が空いた状態で使用できる。
実証圃場(ほじょう)を提供するJA佐渡のグループ会社・JAファーム佐渡の川上輝雄社長は「遠隔地からタイムリーに指示が来るので、まるで隣で指導を受けているようだ。剪定作業は習熟するまで5~10年はかかるが、スマートグラスによって、その期間を短縮できるのではないか」と期待する。
NTTドコモ新潟支店によると、今後は熟練者の技を3D映像で記録し、マニュアル化する試験も行っていくという。県農産園芸課園芸拡大推進室の横山登室長は「スマート農業によって省力化や人件費削減につなげ、県内の園芸生産拡大につなげていきたい」と意欲を示す。
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2021年01月11日

[営農ひと工夫] ポカポカ長靴で履き替え快適 農場の防疫に貢献 ウオーマー自作 北海道の酪農家・坂井さん
北海道根室市の酪農家、坂井敏明さん(57)は、畜舎内外で長靴を清潔に履き替えやすくする「長靴ウオーマー」を考案した。畜舎の入り口での靴の履き替えは、外部から病原体を持ち込ませないために必要な作業。簡単、便利で衛生的だと地域に広がっている。冬に暖かく乾燥した長靴は、毎日のように訪れる授精師らから「快適」と好評だ。
畜産農家にとって病原体は最大の敵だ。……
2021年01月05日

温暖化や労力不足に対応 深肥+密苗300ヘクタール試験 石川・ぶった農産、片倉コープアグリ
石川県野々市市のぶった農産と片倉コープアグリは、ペースト肥料の深層施肥技術を密苗に組み合わせた水稲の新技術の実証のため、2021年に全国300ヘクタール以上で試験をすると、24日発表した。作業の大幅な省力化、温暖化への対応、環境負荷の軽減など、水田農家が直面する課題への解決につながるとする。ペースト肥料の2段施用技術を「深肥(しんぴ)」と名付け、密苗と合わせて普及を目指す。
デモ用農機用意
ペースト肥料は粘性のある液状の肥料で、田植え機で移植と同時に施肥する場合、ポンプを使って楽に補給できる、機械が詰まらないので雨でも作業できるなどさまざまな長所がある。
片倉コープアグリがデモ用の田植え機を用意し、21年に東北から九州まで全国10県以上で実証試験をする……
2020年12月25日

春ニンジン トンネル穴開けマニュアル化 急な気温変化避けて増収へ ウェブでモデル畑の状況公開 徳島県
徳島県立農林水産総合技術支援センターは、春ニンジンのトンネルに穴を開けて温度を管理する栽培方法で、穴開けのポイントをまとめた。減収につながる急激な温度変化を避ける穴開けの方法をまとめたもので、マニュアルを基に管理したところ1割ほど増収した。穴開けの判断材料になる温度データをインターネット上で農家と共有し、データを基にした穴開けによる収量・品質の底上げを目指す。
春ニンジンの産地である同県内では、間口3メートル、高さ130~160センチほどの大型のトンネル内に10月から翌年1月にかけて種をまき、3~6月に収穫する……
2020年12月23日

イメージ向上“演出” 農家ライフ“おしゃれ”に ファッション企業とコラボ 東京農大@北海道プロジェクト
北海道網走市に拠点を構える東京農業大学オホーツクキャンパス発の、農家のファッション、料理、暮らしをおしゃれにするプロジェクトが始まった。若者に人気のあるカジュアルファッションブランドとのコラボレーションで「東京の渋谷や青山でも歩ける」農作業着を開発した他、一流シェフとの勉強会も開催。企業との連携を仕掛けて“演出”することで、農業の負のイメージを払拭(ふっしょく)する戦略だ。(尾原浩子)
「街で着こなして」
プロジェクトの発起人は東京農業大学生物産業学部の小川繁幸助教。本来は創造的で魅力ある仕事のはずの農業だが、「もうからない」「休みがない」といった負のイメージが付いてしまっていることを憂慮。農業を憧れの職業にするため、地元の農家と多彩な活動を展開する。
重視するのは企業とのコラボだ。米国発のファッションブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」を展開するドリームワークス社と、3年前から農作業着を企画・開発している。機能性や快適性を追求しつつも、何よりおしゃれさにこだわった。
例えばコート。農機に乗っても邪魔にならないように、裾をえんび服のようにカットした。他にも内ポケットにスマートフォンを入れやすいようにしたり、蚊取り線香をぶら下げやすいようにしたりと機能性にこだわりながら、一見すると農作業着とは分からないように工夫した。
10月には農家らの企画で、同社の農作業着のファッションショーを開いた。企画した森谷ファーム(北見市)の森谷裕美代表は「ライフスタイルそのものをおしゃれに発信したい。農家はクリエーティブな仕事だということを併せて知ってもらえば、農家の自信にもつながる」と期待する。ドリームワークスの奥山哲朗常務取締役営業本部長は「街で着こなせて農業もできるという新たなジャンルが定着しつつある。農業はアパレルの面でも可能性が高い」とみる。
シェフと交流カフェ提案も
料理の分野でも連携を進める。「農家は誰よりも良いものを食べている」ことを知ってもらうため、都会の一流シェフと勉強会やフェアを開く。テンサイ、エゾシカなどオホーツク地方の食材の提供だけでなく、農家の思いや風景なども伝える。東京・麻布のフレンチレストランで働く大井健司シェフは「科学的にも、農家や地域の物語としても、食材に魅力があることを知った。まだまだ農と食はつながることができる」と考える。
さらに、農家のライフスタイルも豊かにしようと、小川助教は農家に「畑カフェ」を提案している。週に1度でもいいので、農家同士が集まっておしゃべりし、おいしいお菓子を食べる「おしゃれな時間」を取ってもらう。観光客などに魅力ある空間として映ることを狙う。
この他、農福連携や観光との連携などのさまざまな企画を進める小川助教。「農業に誇りを持っている農家はたくさんいる。いろいろな人の力を借りて農業を演出することでファンを増やし、農業が可能性に満ちていることを発信したい」と語る。
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2020年12月17日