種豚改良に育種価活用 繁殖能力向上へランキング公表 国純会、今春めど
2021年01月18日
種豚場など国内の豚の育種・改良関係者らでつくる国産純粋種豚改良協議会(国純会)は「種豚の遺伝能力ランキング」を今春にも公表する。生存産子数など繁殖に関する能力の順位で、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックが対象。雄は上位10頭、雌は上位50頭の順位の他、将来は産肉能力に関する育種価を示し、国産種豚の改良を促す。
国内の養豚場では、オランダやデンマークから輸入した多産系の種豚が急速に普及。……
国内の養豚場では、オランダやデンマークから輸入した多産系の種豚が急速に普及。……
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魅力あるJAとは 全部署参加で研究会 年代別に月2回協議 業務改善へ 栃木・JAなす南
栃木県のJAなす南は、新事業の立ち上げや業務改善を目的に、職員20人からなる「スマートワーク研究会」を発足した。あらゆる視点から話し合うためメンバーは、全部署から選出した。組合員離れへの懸念や職員減少など、JAを取り巻くさまざまな課題について協議し、今後の在り方を検討する。次期3カ年計画に反映させて、魅力あるJAづくりを目指す。
JAはこれまで、業務改善プロジェクトなどの自己改革に努めてきた。……
2021年02月27日
農業の豪雨対策強化 ハザードマップ作成へ 福岡県
福岡県は2020年の7月豪雨をはじめ、県内で4年間連続して豪雨災害が発生したことを受け、農業の減災対策に本腰を入れる。降雨による浸水想定区域や農業被害予測を地図に「見える化」し、関係市町やJAと情報を共有。水害リスクが低い地区に農業用ハウスを移転する際に経費を助成するなど、全国でも珍しい取り組みを進める。
21年度予算 ハウス移転費助成
続発した豪雨災害では特に、河川の氾濫で農業に大きな被害が出た。……
2021年02月25日
「サステナブル」
「サステナブル」。数年前、欧州の若い農家にどんな農業をしたいのかと本紙記者が尋ねた時、大概の人からこの言葉が返ってきた▼国連のSDGsのSで「持続可能な」と訳される。何にでもくっつく便利な形容詞であり、行政やビジネスの世界でもよく目にする。政治家が「持続可能な農業」と訴えたら、それらしく聞こえるから不思議だ。昔の「断固農業を守ります」が大挙引っ越してきた感がある。試しに年内に行われる衆院選をご覧あれ▼このサステナブルにEU農政がかじを切った。昨年5月、〈農場から食卓へ〉の新戦略を打ち出した。商品のキャッチコピーみたいだが、掲げた数値目標が農業者を大いに刺激している。2030年までに化学農薬を50%、肥料を20%減らす、有機農業を全農地の25%に拡大する。昆虫やマメ科植物の飼料利用を進める。これはアマゾンの森林を開発して生産した輸入大豆への依存をやめるという意思表示である▼欧州ではサステナブルは明確に環境とつながっている。この考えから食料の生産流通に新たな規律を設けようとの国際潮流がある。9月には国連食料システムサミットがニューヨークで開かれる▼米国がパリ協定に復帰。農業も巻き込んで世界は動く。遅れているのは男女平等だけではない。
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2021年02月23日
梨の収穫量2割減 主産地で天候不順 20年産
2020年産の日本梨の収穫量が17万500トンとなり、前年から3万9200トン(19%)減ったことが農水省の調査で分かった。主産地の関東で、天候不順などから収量が落ち込んだことが響いた。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は1万700ヘクタールで、同400ヘクタール(4%)減。農家の高齢化などを背景に、減少が止まらない。
10アール当たり収量は1590キロで、前年を300キロ(16%)下回った。収穫量が全国3位の茨城、5位の栃木などで、開花受粉期の低温で着果数が減ったことや、夏場の天候不順で生育障害が多発し、収量が大きく落ちたことが影響した。茨城は1460キロで同30%減、栃木は1540キロで同37%減った。全国4位の福島も同17%減、6位の鳥取も同23%減った。
全国の出荷量は15万8500トンで、同3万5400トン(18%)減った。農家の高齢化など生産基盤の弱体化を背景に結果樹面積は減り続けており、10年間で3200ヘクタール(23%)減っている。
同省は、昨年改定した果樹農業振興基本方針で、日本梨を含む果樹の生産基盤強化に向け、生産性の向上が見込める省力樹形の導入を推進する方針を掲げた。21年度予算案には、日本梨の改植でジョイント栽培を導入する場合に10アール当たり33万円を助成するなど、果樹の支援対策事業に51億円を盛り込んでいる。
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2021年02月22日

広報大賞6JA表彰 発信の必要性強調 全中
JA全中は26日、JA広報活動の優良事例を全国に紹介し取り組み強化につなげるJA広報大賞の表彰式を東京都千代田区で開いた。入賞した6JAはオンラインで参加。今後も活動に力を入れることを表明した。
総合の部で大賞に輝いたJA香川県の港義弘経営管理委員会会長が、受賞JAを代表してあいさつした。……
2021年02月27日
営農の新着記事

東海桜 挿し木で生産期間短縮 岐阜県立国際園芸アカデミー2年 西村さん
岐阜県可児市の県立国際園芸アカデミー花き生産コース2年生、西村莉穂さんが、鉢植えで開花期が早い東海桜を挿し木し、生産期間を大幅に短縮させることに成功した。桜は実生苗や接ぎ木苗が使われることが多く、商品化までに数年かかる。ソメイヨシノより……
2021年02月26日
営農技術アイデア大賞 黒壁さん(北海道)に栄冠
日本農業新聞は24日、「営農技術アイデア大賞2020」の審査会をオンラインで開き、大賞に北海道新篠津村の黒壁聡さん(64)が考案した、水稲育苗箱の運搬器具「はこらく」を選んだ。自作した金属の枠で3、4枚重ねた育苗箱を挟み込み、まとめて持ち運ぶ仕組み。機械化できていなかった育苗箱の運搬に、効率化の道を開いた点が評価された。
黒壁さんは水稲農家でシーズンには約8000枚の育苗箱を使う。……
2021年02月25日

20年度全国農大校プロジェクト 大臣賞に田中さん(大阪)
全国農業大学校協議会は24日、2020年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・意見発表会の結果を発表した。最高位の農水大臣賞には、大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校2年の田中麻綾さんの「『高齢者生きがいづくり』につながる、高齢者によるぶどう栽培方法の検討」が輝いた。
田中さんは生きがいを持った高齢者が減少する現代で花蕾(からい)から大きな房ができる喜びは心を豊かにするきっかけになると考えた。……
2021年02月25日
ジャガイモシロシスト 抵抗性品種「フリア」の効果確認 北海道の産地 21年度に本格導入へ 農研機構
ジャガイモの品種「フリア」が、難防除害虫のジャガイモシロシストセンチュウの土中密度を大幅に減らせることを、農研機構・北海道農業研究センターが確認した。2015年に同線虫が見つかり、今年2月時点でも道内468ヘクタールで発生している。産地のJAでは効果的な対策として21年度から本格導入を見込む他、同センターはさらに経済的に有望な品種開発を目指す。
2021年02月24日

ビールかすで大幅増収 黒大豆 最大5割 岡山市の若手農家グループ
岡山市の若手農業者クラブ「アグリドリームSETO」は、黒大豆の栽培でビールかすを施すと、慣行栽培に比べて10アール当たりの収量が最大で5割増えることを確かめた。化学肥料との組み合わせで生育が早まり、大粒の割合も増えた。土壌の養分バランスの改善で課題だった連作障害の対策にも期待する。
同クラブは同市東区瀬戸町の若手11人で構成する。地元のキリンビール岡山工場から出るビールかすを土づくりに活用し、2020年産に市の助成を受けて試験した。……
2021年02月24日

「南農ナシ6号」育成 病害に強く高糖度 長野県
長野県は、中生品種の梨「南農ナシ6号」を育成した。黒斑病や黒星病といった病害に強い。高糖度で果汁が多く、すっきりとした甘味としゃきしゃきした食感が特徴。県では県オリジナル品種「南水」につなぐリレー品種として期待を寄せる。
県南信農業試験場が育成した。……
2021年02月24日
食品残さリサイクル飼料化 加熱新基準でセミナー 中央畜産会など
中央畜産会と全国食品リサイクル連合会は19日、食品残さでつくるエコフィードの製造業者や養豚農家に向けて「食品リサイクル飼料化セミナー」をオンラインで開いた。4月から加熱の新基準が施行されるのを前に、手続き面での注意点や、栄養成分変化などについて農水省や有識者らが説明した。
新基準では、生肉などが混入している可能性があるものについて「攪拌(かくはん)しながら90度、60分以上かこれと同等以上の加熱処理」が必要となる。……
2021年02月23日

酪農に欠かせぬパートナー ヘルパー確保へ環境改善 北海道で運動 全組合に就業規則整備
北海道で酪農ヘルパーが安心して働けるよう、労務管理の改善を呼び掛ける運動がスタートした。道内86の全ての酪農ヘルパー利用組合で就業規則を整備。酪農家の働き方改革や規模拡大に伴う人手不足対策につなげる。都府県でも酪農ヘルパーが逼迫(ひっぱく)する中、酪農ヘルパー全国協会は運動は全国のモデルになるとみている。(尾原浩子)
北海道酪農ヘルパー事業推進協議会が、職場のルールを明確にするため就業規則整備率100%運動を始めた。就業規則が既にある場合は、雇用実態や働き方改革に対応しているかの点検を実施。ない場合は就業規則を作成する。新型コロナウイルス禍でヘルパーの確保が難しくなったことを踏まえ、環境整備に乗り出した。
協議会によると、2019年8月時点で道内の酪農ヘルパーは832人。必要数に比べ156人足りない。働き方改革関連法のうち、有給休暇5日以上の取得は酪農ヘルパー利用組合にも適用されることも踏まえ、労働環境を改善してヘルパーの確保や定着につなげたい考えだ。
道内では酪農家1戸当たり年間平均23日、酪農ヘルパーを利用する。稲作や畑作などと比べ酪農家の労働時間は2倍以上で、酪農家の後継者対策にも酪農ヘルパーは欠かせない存在だ。
農水省は来年度、新たに待遇改善に取り組む組合を支援する「酪農経営安定化支援ヘルパー事業」を始める。協議会は事業を活用し、「酪農ヘルパーを職業の一つとしてPRしていく。地域を挙げて環境改善を進めたい」(事務局のJA北海道中央会)とする。
酪農ヘルパーの不足は道内だけでなく全国的な課題だ。酪農ヘルパー全国協会によると、ヘルパーは必要な人数に比べて2割程度足りない。就業規則の整備を呼び掛けているが、地域を挙げて整備を目指す運動は先進的という。
JAオホーツクはまなすが事務局の「酪農ヘルパー組合はまなす」は、就業規則を整備し、ボーナスなど給与体系も改善してきた。関東での就農フェアやハローワークなどで酪農ヘルパーを募集。現在、13人が100戸の酪農家で作業を担う。
20年ほど前は、冠婚葬祭や子どもの行事などで搾乳ができない場合、近所の酪農家の応援などで対応した。しかし、近年は1戸当たりの経営規模が拡大し、手伝う余裕がなくなってきている。
管内の滝上町で60頭を飼育する同組合の長屋辰之介組合長は「酪農家の一人一人が意識改革し、作業員ではなく、パートナーなんだと感謝するような受け入れをしたい」と話す。希望すれば就農も支援。「就農者や酪農ヘルパーがいると、次の移住者につながり好循環ができる」と見据える。
3年前から働き、大阪府八尾市から移住した酪農ヘルパーの瓦渚紗さん(23)は「就業規則が整備されていると安心して働ける。働く上では酪農家との意思疎通が一番大切。やりがいがある仕事だと、都会の人にも知ってほしい」と話す。
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2021年02月22日

白未熟粒米の発生予測 早期対策へ 花を解析、 特許出願 新潟県農総研
新潟県農業総合研究所は、採取した稲の花のサンプルから白未熟粒の発生率が予想できる診断技術を開発した。見た目では分かりづらい高温障害のリスクをいち早く判断し、品質が低下する前に水管理などの対策実施につなげる狙い。診断技術は現在、特許出願中だ。……
2021年02月21日
和子牛 5年ぶり60万円台 枝肉下落が影響 20年
2020年に全国の家畜市場で取引された和牛子牛の平均価格が前年を1割下回り、5年ぶりに1頭60万円台となったことが、日本農業新聞の調べで分かった。新型コロナウイルス禍による枝肉価格の下落が影響した。現在は再び上昇し1頭80万円に迫るが、価格の乱高下は高齢の繁殖農家の離農や肥育農家の経営圧迫につながりかねない。価格安定に向けた対策が改めて求められている。
農畜産業振興機構のデータを基に本紙が調べた。20年に全国103市場で取引された黒毛和種の子牛は前年比0・6%減の31万228頭で、平均価格は同12%安の67万3808円だった。
新型コロナ禍による枝肉価格の低迷で、購買者である肥育農家の資金繰りが悪化し、子牛価格も5月に前年比2割安の約59万円に下落。6月以降も10月まで60万円台での取引が続いた。再生産が難しい価格ではないが、急激な下落で「高齢繁殖農家が離農するきっかけになりかねない」(市場関係者)との声も多かった。
枝肉相場が回復し、子牛価格も現在は前年を上回る高値で推移しているが、今後の動向は楽観視できない状況だ。「景気悪化で消費者の節約志向が強まり、年明け以降スーパー向けの和牛の販売に苦戦している」(大手食肉メーカー)との声もあり、和牛の消費環境には不透明感が漂う。
肥育農家の経営が悪化し、再び子牛価格が大幅に下がれば、離農の加速による生産基盤の弱体化につながる。全国肉牛事業協同組合は「和牛の消費拡大と、子牛の価格下落時に繁殖農家をしっかり支えられる両輪の対策が重要」と提起する。
[解説] 価格安定へ基盤強化を
2020年の子牛価格の下落は、肥育経営の苦境の表れだ。コロナ禍による和牛の販売環境の急激な悪化に、高値で導入した牛の出荷が重なり、多くの生産者が赤字に陥った。
今後、肥育農家の資金繰り対策として措置されていた肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)の生産者負担金の納付や、コロナ禍で借り入れた資金の返済などが始まれば、さらに厳しくなる。肥育農家の経営悪化は子牛価格に直結する。両者が共存できる安定した子牛価格の実現へ対策を急ぐべきだ。
子牛価格はこれまで、頭数不足による高値が続いてきた。輸出やインバウンド(訪日外国人)需要で枝肉相場が高かったことで、肥育農家も高値の子牛を買い支えることができた。だが、コロナ禍で様相が変わった。和牛の外食需要は低迷が長期化している。国内の家庭消費は活発化しているが、安価な輸入牛肉との競合は激しい。
再生産を可能にしつつ消費者が求める価格で安定的に和牛を供給していくためには、基盤となる子牛の安定供給が欠かせない。繁殖農家の戸数はこの5年で2割弱減ったが、畜産クラスター事業などを活用した増頭が進み、繁殖雌牛の数は増加傾向にある。この流れを止めないことを前提に、家庭消費の高まりなど、消費の変化に合わせた和牛生産の在り方を、国、業界が一体となって考えていく時だ。
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2021年02月20日