鳥インフル 飼養管理不備1割 改善へ指導継続 農水省
2021年01月20日

農水省が全国の養鶏場などを対象に行った飼養衛生管理基準の自主点検で、報告があった約1万4000件の農場などのうち、1割ほどに不備があることが19日、分かった。都道府県ごとの結果は22日に公表する予定。同省は高病原性鳥インフルエンザが過去最大に広がる中、全農場で管理基準が順守されるよう、指導を続ける。
19日に開かれた鳥インフルエンザ関係閣僚会議で報告された。飼養衛生管理基準のうち、今シーズンの発生農場で不十分なケースが多かった7項目について、前回点検で約1割ほどの農場に不備があったため追加調査をした。
今回は1月18日までの約1カ月間で聞き取り、報告数は前回報告数の2倍近くとなる1万3543。小規模農場にも働き掛けた上、愛玩動物として鳥を飼う個人や、動物園、研究施設などにも報告を求めた。
今回の点検では、「衛生管理区域専用の衣服、靴の設置と使用」「家禽(かきん)舎ごとの専用の靴の設置と使用」がともに順守率89%で低かった。一方、「野生動物の侵入防止ネットなどの設置、点検、修繕」など同95%で高かった。
前回点検から順守率が下がった項目は「ネズミ、害虫の駆除」で、前回点検より3ポイント減の93%だった。
同省によると、前回の点検で不備があった農場の多くは改善しているという。今回不備があった農場についても防鳥ネットや消毒機器の整備などへの支援の活用を促し、順守率100%を目指す。同省動物衛生課は「全ての項目を順守する必要がある。引き続き、指導や助言などを続けていく」と強調した。
野上浩太郎農相も19日の閣議後会見で、「今シーズンは発生数、殺処分数とも過去最大となっている状況。関係府省と連携し緊張感を持って対応していきたい」と述べた。
19日に開かれた鳥インフルエンザ関係閣僚会議で報告された。飼養衛生管理基準のうち、今シーズンの発生農場で不十分なケースが多かった7項目について、前回点検で約1割ほどの農場に不備があったため追加調査をした。
今回は1月18日までの約1カ月間で聞き取り、報告数は前回報告数の2倍近くとなる1万3543。小規模農場にも働き掛けた上、愛玩動物として鳥を飼う個人や、動物園、研究施設などにも報告を求めた。
今回の点検では、「衛生管理区域専用の衣服、靴の設置と使用」「家禽(かきん)舎ごとの専用の靴の設置と使用」がともに順守率89%で低かった。一方、「野生動物の侵入防止ネットなどの設置、点検、修繕」など同95%で高かった。
前回点検から順守率が下がった項目は「ネズミ、害虫の駆除」で、前回点検より3ポイント減の93%だった。
同省によると、前回の点検で不備があった農場の多くは改善しているという。今回不備があった農場についても防鳥ネットや消毒機器の整備などへの支援の活用を促し、順守率100%を目指す。同省動物衛生課は「全ての項目を順守する必要がある。引き続き、指導や助言などを続けていく」と強調した。
野上浩太郎農相も19日の閣議後会見で、「今シーズンは発生数、殺処分数とも過去最大となっている状況。関係府省と連携し緊張感を持って対応していきたい」と述べた。
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2021年03月06日
[震災10年 復興の先へ] 東北3県JA 統一活動 未来への思いを共有
震災の記憶を風化させない──。岩手、宮城、福島の各県JA中央会が、東日本大震災から10年の節目に合わせJAグループ統一活動を展開する。JAグループ役職員、生産者、消費者らが復興の歩みを振り返り、残された課題、その解決のために必要な支援、未来への思いを共有する。
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2021年03月05日

[米のミライ](5) 地産地消 生産者自ら積極PR 官民連携で手応え 北海道深川市 ふかがわまい生産組合
米の消費量が落ち込む中、各主産地が販路拡大を模索する。北海道は、府県産米から北海道米への消費の切り替えを進める「米チェン!」運動など、地産地消を強力に展開してきた。現在、道民の9割近くが地元の米を食べている。
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2021年03月03日

リーフ茶「飲む回数増えた」 コロナ下で若者の行動に変化
若い世代(18~29歳)の26%が、新型コロナウイルス下でリーフ茶(茶葉からいれた緑茶)の飲用頻度が「増えた」と回答したことが、農水省の調査で分かった。家で過ごす時間が長くなったことや健康への関心が高まったことが背景にある。ペットボトル緑茶飲料の浸透で茶葉離れが課題だった消費に、変化が見られた。
農水省が「緑茶の飲用に関する意識・意向調査」を、昨年10月中旬から11月上旬にかけて実施し、18歳以上の男女1000人から回答を得た。
リーフ茶の飲用頻度が「増えた」と回答した人は全世代合計では14%(143人)だったが、18~29歳の世代では「とても増えた」「少し増えた」と回答した人が26%(36人)に上った。
増えた理由(複数回答)として、18~29歳世代では「自宅で食事する時間が増えたから」(67%)が最多。「自宅でくつろぐ時間が増えたから」(47%)、「健康機能性に魅力を感じたから」(44%)、「家族と過ごす時間が増えたから」(22%)と続いた。
リーフ茶飲用頻度が「増えた」と回答した全世代で、茶葉購入先(複数回答)として「増えた」のは「スーパー」(75%)、「インターネット販売」(30%)、「茶専門店」(29%)、「ドラッグストア」(21%)。
ネット購入が増えたと回答した人の割合は60代がトップ(42%)、次いで70代(36%)と高齢層の電子商取引(EC)利用の急伸も見てとれる。18~29歳の世代は33%でそれに続いた。
茶葉は緑茶飲料や他の飲料にシェアを奪われ、需要が減少している。コロナ下での業務需要の落ち込みも拍車を掛け相場が低迷し、消費喚起が課題となっている。
農水省は「リーフ茶飲用の機会増加を捉えて、茶業界には若者がさらにお茶を飲むような取り組みを期待したい」(茶業復興推進班)と話す。
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2021年03月08日

イネもみ枯細菌病を抑制 4種の 「善玉菌」 発見 農研機構
農研機構は3日、稲の重要病害、イネもみ枯細菌病=<ことば>参照=の発症を抑える微生物を発見したと発表した。稲自身から見つかった4種類の細菌で、稲の体内の微生物のバランスを取り、病原菌を抑える「善玉菌」と考えられる。同病は決定的な防除方法がないため、微生物農薬など有効な防除資材の開発に役立つとみる。
善玉菌は、イネもみ枯細菌病に感染した稲の幼苗から見つかった。……
2021年03月04日
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[大地とともに](上)農業再生 担い手の確保難航 通い続け農地保全 稼働面積増やせず 福島県大熊、双葉町
雑草が茂る水田をトラクターが土煙を上げて走り、アタッチメントの爪が次々と草を取り除く。東京電力福島第1原子力発電所事故によって、手付かずとなった水田が広がる福島県双葉町の沿岸部、両竹地区。将来の営農再開に向けて農地の保全作業が続く。
地区は事故から5年後の2016年に、農地除染が完了。……
2021年03月09日
[新型コロナ] 飲食店取引先の一時金申請開始 収入5割減が対象
経済産業省は8日、新型コロナウイルス対策として、飲食店の取引先などに支払う一時金の申請受け付けを始めた。農家も対象となり、緊急事態宣言の再発令の影響で1~3月のいずれかの1カ月間の収入が、2019年か20年と比べて5割以上減ったことが条件。法人は60万円、個人は30万円が上限だ。申請はオンラインで5月31日が締め切り。不正受給を防ぐため、金融機関などによる事前確認が必要となる。
一時金は、1月の緊急事態宣言の再発令を受けた飲食店の時短営業や外出自粛などの影響で、21年1~3月のいずれかの1カ月間の事業収入が50%以上減った中小・個人事業者に支払う。……
2021年03月09日
2018年産かんきつ収穫量 和歌山が全国1位に 農水省調査
2018年産の温州ミカンや中晩かんを含むかんきつ収穫量で、和歌山県が44年連続1位だった愛媛県を上回り、1位となったことが農水省の調査で分かった。愛媛県は同年7月の西日本豪雨で園地が被災し、ミカンの収穫量が減った。
農水省は2月までに、ミカンとかんきつ類の収獲量の調査結果をそれぞれまとめた。……
2021年03月09日

歌って踊って日本酒飲んで 農水省チャンネル新動画を公開
新型コロナウイルスの影響で落ち込む日本酒の消費を喚起しようと、農水省がユーチューブ公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、新たな動画を公開した。同省の若手職員や酒造好適米の生産者らが次々に登場し、日本酒で乾杯を呼び掛けるダンスを全力で踊る内容だ。
日本酒造組合中央会が制作した動画「日本酒ダンス」を基に、ダンス動画で人気のユーチューバーの指導も受けながら制作し、5日に公開。その日のうちに数千回の視聴があった。
動画には、若手を中心とする同省職員40人超が出演。ラップ音楽と共に、同省の大臣室前や地方農政局の事務所など、次々に舞台を変えて踊る様子が流れる。宮城県内の酒米生産者3人も出演し、ダンスを披露している。
日本酒はコロナ禍を受け2020年は前年比で国内出荷量が11%減、輸出量は13%減。こうした苦境を背景に、ラップの歌詞では「酒米、来年は作れないかもしれない」と危機感を強調。会食が困難な中で「リモート飲み会」を呼び掛けるなどで、消費拡大を訴える。
ばずまふの運営メンバーで動画制作を提案した同省鳥獣対策・農村環境課の吉村真里菜さんは「皆が酒米や日本酒の産地が元気になることを祈りながら踊った。特に、日本酒になじみの薄い若い人たちに魅力を届けたい」という。
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2021年03月08日

リーフ茶「飲む回数増えた」 コロナ下で若者の行動に変化
若い世代(18~29歳)の26%が、新型コロナウイルス下でリーフ茶(茶葉からいれた緑茶)の飲用頻度が「増えた」と回答したことが、農水省の調査で分かった。家で過ごす時間が長くなったことや健康への関心が高まったことが背景にある。ペットボトル緑茶飲料の浸透で茶葉離れが課題だった消費に、変化が見られた。
農水省が「緑茶の飲用に関する意識・意向調査」を、昨年10月中旬から11月上旬にかけて実施し、18歳以上の男女1000人から回答を得た。
リーフ茶の飲用頻度が「増えた」と回答した人は全世代合計では14%(143人)だったが、18~29歳の世代では「とても増えた」「少し増えた」と回答した人が26%(36人)に上った。
増えた理由(複数回答)として、18~29歳世代では「自宅で食事する時間が増えたから」(67%)が最多。「自宅でくつろぐ時間が増えたから」(47%)、「健康機能性に魅力を感じたから」(44%)、「家族と過ごす時間が増えたから」(22%)と続いた。
リーフ茶飲用頻度が「増えた」と回答した全世代で、茶葉購入先(複数回答)として「増えた」のは「スーパー」(75%)、「インターネット販売」(30%)、「茶専門店」(29%)、「ドラッグストア」(21%)。
ネット購入が増えたと回答した人の割合は60代がトップ(42%)、次いで70代(36%)と高齢層の電子商取引(EC)利用の急伸も見てとれる。18~29歳の世代は33%でそれに続いた。
茶葉は緑茶飲料や他の飲料にシェアを奪われ、需要が減少している。コロナ下での業務需要の落ち込みも拍車を掛け相場が低迷し、消費喚起が課題となっている。
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2021年03月08日

桃 初の10万トン割れ せん孔細菌病が多発 20年収穫量
2020年産の桃の収穫量が9万8900トンとなり、前年産より9000トン(8%)減ったことが農水省の調査で分かった。4年連続の減少で、同省の統計開始以降初めて10万トンを割り、過去最低となった。主産地の福島県や長野県などで、葉や果実に穴が開く「せん孔細菌病」が多発したことが要因。同省は20年度第3次補正予算に同病の防除対策を盛り込み、生産継続を支援する。
都道府県別の収穫量は、全国1位の山梨県がほぼ前年並みの3万400トン。同2位の福島県は2万2800トンで同16%減、同3位の長野県は1万300トンで14%減った。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は全国で9290ヘクタールで、3%減った。一方、全国の10アール当たり収量は6%減の1060キロだが、福島県、長野県では、ともに12%の減少だった。
両県の収穫量の減少について、同省はせん孔細菌病の多発を要因に挙げる。対策として同省は、20年度第3次補正予算で、同病などを対象とした「重要病害虫等早期防除対策事業」に4億6300万円を計上した。福島や長野など、同病の被害が拡大している地域のJAや複数の農家でつくるグループが対象。発生状況の調査や枝葉の病斑の除去などの経費として、最大半額まで補助する。
希望者は、防除の時期や取組内容などを盛り込んだ事業計画書を地方農政局に提出する。予算の限度額に達していない場合、年度をまたいでの申請でも認められるが、同省は「まん延を早期に防止するためにも、早めに申請してほしい」(植物防疫課)と説明する。
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2021年03月07日
規制会議議論始まる 准組利用「組合員の判断」 農水省が方向性表明
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、改正農協法施行5年後の見直しに向けた議論を始めた。農水省やJA全中などから意見を聴取。同省は今後の検討の方向性として、JA准組合員の事業利用については「組合員の判断に基づく」との考えを示した。WG側は、農家所得増大に向けたJAの自己改革の成果を詳細に示すよう求め、数値目標による進捗(しんちょく)管理の必要性も指摘した。
WG 所得増「数値目標を」
会合は非公開。同省は各分野の改革の実施状況を総括し、方向性を示した。……
次ページに農水省が示した農協改革の検討方向の表があります
2021年03月06日
有機農業 50年に100万ヘクタール 新戦略中間案 環境負荷軽減へ 農水省
農水省は5日、環境負荷の軽減と農業生産力向上の両立を目指す中長期的な政策方針「みどりの食料システム戦略」の中間取りまとめ案を公表した。2050年までに①化学農薬の使用量半減②化学肥料の使用量3割減③有機農業を全農地の25%に拡大──といった意欲的な数値目標を提示。技術革新や農家・消費者らの理解などを前提とし、生産体系を大きく転換する方針を打ち出した。
次ページに新戦略のポイントの表があります
2021年03月06日
食料安保など重点に 中国の全人代が開幕
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は5日、北京で開幕された。2021年からの14次5カ年計画に加え、35年までの長期目標も議論し、食料安全保障などを柱に政策を定める見通しだ。食料安全保障では、種子と耕地が重要と強調。種子の遺伝資源の保護や優良品種の選抜、普及を強化し、農家支援も拡大する。……
2021年03月06日
農地所有適格法人 現行要件 「支障」2割 規制会議に調査示す 農水省
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、農水省に意見を聞いた。同省は、現行要件では資金調達などに「支障がある」とする法人が約2割だったとの調査結果を提示。農業関係者が今後も経営権を確保する必要性を示しつつ、一定の条件下で出資による資金調達の在り方についても検討する必要があるとの考えを示した。
同会議は、「農業者の資金調達の円滑化」を名目に、同法人の議決権要件緩和に関心を示す。……
次ページに調査結果の表があります
2021年03月06日