ビールかすで大幅増収 黒大豆 最大5割 岡山市の若手農家グループ
2021年02月24日

ビールかすを土づくりに活用した栽培で、黒大豆の収量増加を確かめた永井さん(中)とアグリドリームSETOのメンバー(岡山市で)
岡山市の若手農業者クラブ「アグリドリームSETO」は、黒大豆の栽培でビールかすを施すと、慣行栽培に比べて10アール当たりの収量が最大で5割増えることを確かめた。化学肥料との組み合わせで生育が早まり、大粒の割合も増えた。土壌の養分バランスの改善で課題だった連作障害の対策にも期待する。
同クラブは同市東区瀬戸町の若手11人で構成する。地元のキリンビール岡山工場から出るビールかすを土づくりに活用し、2020年産に市の助成を受けて試験した。
化学肥料を慣行栽培通りに施し、従来の堆肥の代わりに、①無施用区 ②ビールかすを10アール当たり1トン区③同3トン区── で、1区画当たり5アールに「丹波黒」を作付けした。ビールかすの成分分析で窒素含有量が多いと分かり、3トン区は化学肥料の窒素成分を抑えた。
ビールかすはビール工場で水分を60%以下にし、糖蜜を加えた。20年6月上旬に施用し、下旬に種まきした。同クラブの5、6人で栽培管理し、12月上旬に収穫した。
収量は、風乾後に干し、10アール収量、総さや数、着粒数、粒の重さなどを調べた。くず品を除いた10アール収量(精子実重)は、無施用区の137キロに比べ1トン区が201キロ(47%増)、3トン区が180キロ(32%増)。精子実重に占める1粒11ミリ以上の大粒割合は無施用区で6%、1トン区で15%、3トン区で9%、100粒当たり重量も1トン区、3トン区、無施用区の順で重かった。
同町は、水稲からの品目転換で黒大豆の栽培が盛んだが、連作障害が課題。2ヘクタールで栽培する永井孝俊さん(41)は「木が小さく、さや付きが悪くなるなど生育不良で収量が落ち込む」と説明する。
試験の結果から、永井さんは「ビールかすと化学肥料で、土の養分バランスが良くなる」と、連作障害にも効果があると見込む。今後、多品目での利用や、黒大豆のブランド化を検討する。
岡山工場では、1カ月に100トンのビールかすが出る。全量を飼料化し、畜産農家に渡している。
同工場の総務広報担当は「全国に9カ所ある工場のうち、土づくりへの利用は岡山工場が初めて。利用の間口が広がる」と期待する。
同クラブは同市東区瀬戸町の若手11人で構成する。地元のキリンビール岡山工場から出るビールかすを土づくりに活用し、2020年産に市の助成を受けて試験した。
化学肥料を慣行栽培通りに施し、従来の堆肥の代わりに、①無施用区 ②ビールかすを10アール当たり1トン区③同3トン区── で、1区画当たり5アールに「丹波黒」を作付けした。ビールかすの成分分析で窒素含有量が多いと分かり、3トン区は化学肥料の窒素成分を抑えた。
ビールかすはビール工場で水分を60%以下にし、糖蜜を加えた。20年6月上旬に施用し、下旬に種まきした。同クラブの5、6人で栽培管理し、12月上旬に収穫した。
収量は、風乾後に干し、10アール収量、総さや数、着粒数、粒の重さなどを調べた。くず品を除いた10アール収量(精子実重)は、無施用区の137キロに比べ1トン区が201キロ(47%増)、3トン区が180キロ(32%増)。精子実重に占める1粒11ミリ以上の大粒割合は無施用区で6%、1トン区で15%、3トン区で9%、100粒当たり重量も1トン区、3トン区、無施用区の順で重かった。
同町は、水稲からの品目転換で黒大豆の栽培が盛んだが、連作障害が課題。2ヘクタールで栽培する永井孝俊さん(41)は「木が小さく、さや付きが悪くなるなど生育不良で収量が落ち込む」と説明する。
試験の結果から、永井さんは「ビールかすと化学肥料で、土の養分バランスが良くなる」と、連作障害にも効果があると見込む。今後、多品目での利用や、黒大豆のブランド化を検討する。
岡山工場では、1カ月に100トンのビールかすが出る。全量を飼料化し、畜産農家に渡している。
同工場の総務広報担当は「全国に9カ所ある工場のうち、土づくりへの利用は岡山工場が初めて。利用の間口が広がる」と期待する。
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[未来人材プラス] キュウリで独立1年 部会平均収量2倍 技術者の経験生かす 佐賀県武雄市 斉藤義和さん(38)
佐賀県武雄市の斉藤義和さん(38)、圭子さん(38)夫妻は、2019年に就農してキュウリ栽培を始めた。独立1年で収量は、部会平均の2倍に当たる10アール当たり40トンを実現。エンジニアだった経験を生かし、環境制御技術を積極的に導入している。若手農家との連携強化にも意欲的だ。
義和さんは福岡市出身。大学卒業後、福岡県でコンピューターソフトの開発・販売会社に就職した。
11年に圭子さんと結婚。エンジニアの知識を身に付け、車のディーラーに転職して愛知県などで働いた。「仕事を早く終えても、決まった時間は机の前にいなければならず、拘束されるストレスが強かった」と、働き方に疑問を強めていった。
そのころ武雄市でキュウリ農家を営む圭子さんの実家では、施設の老朽化が問題化していた。農作業の手伝いを重ねるうちに「目指す生き方に合うのは、農業ではないか」と思うようになった。
17年に夫妻はJAさがトレーニングファームに1期生で入校。圭子さんの父が「就農するなら環境制御などの新技術を学ぶべきだ」と後押しした。最先端の栽培方法を取り入れた模擬経営では、管理ミスで3分の1が枯れた。それでもキュウリで「8割ほど思い通りにできる」と実感するまで技術力を高めた。
卒業後、老朽化した施設に替えて10アールのハウスを建設した。研修時代に知り合った大分県の企業に依頼し、独自の環境制御システムを導入。温度や土中の窒素濃度など複数項目を端末一つで管理する。安定供給を続けて初年度の売り上げは、1000万円に達した。
所属するJAみどり地区施設きゅうり部会では新規就農者が増えている。義和さんは若手農家と勉強会を頻繁に開く。施設のトラブルも知識を生かして対応し、周囲から頼りにされている。
目標は雇用を伴う規模拡大だ。「田舎でも大きなビジネスができるのが農業の魅力」と語る。
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2021年04月15日
ユダヤ難民にビザを発給して6000人の命を救った杉原千畝
ユダヤ難民にビザを発給して6000人の命を救った杉原千畝。その生涯を一人芝居で伝え続ける俳優の水澤心吾さんが、新作「賀川豊彦物語」を完成させた▼東京・新宿の淀橋教会で初披露の舞台を見た。新型コロナウイルス対策で限られた人だけの催しだったが、賀川の魂が乗り移ったかのような熱演に引き込まれた。この協同組合運動の巨人の根っこにはキリスト教の信仰があると改めて実感させられた▼水澤さんは2007年の初演以来、「決断・命のビザ~SEMPO杉原千畝物語」の公演を続けてきた。国家の命にそむいても、目の前で救いの手を伸ばす人々の命を優先した杉原は、日本よりも海外の方が「東洋のシンドラー」として知られる。米国や勤務したリトアニアなどで公演し深い感動を与えた▼賀川の存在を意識したのは3年ほど前という。「個の力ではなく、協同組合で理想社会を追求した。実践力がすごい。若い世代に知ってほしい」。賀川は「愛は私の一切である」との言葉を残している。朗読劇を見終わって、助け合いは〈助け愛〉と確信した▼協同組合に新人が仲間入り。百の座学より先達(せんだつ)の息吹に触れるのが響こう。コロナ禍が落ち着いたら、朗読劇を体感してはどうか。
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2021年04月11日

全農×虹コン 農業動画第2期 バケツ稲作りも挑戦
JA全農は、女性アイドルグループ「虹のコンキスタドール」(虹コン)とタイアップした番組「全農presents(プレゼンツ)届け!ファンファーム シーズン2」の配信を始めた。メンバーが全国各地の産地を訪ね、農家と触れ合い農作業などをして、食と農の魅力を発信。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。
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2021年04月14日
原発処理水の放出 風評防止 地元理解が先
政府は、放射性物質トリチウムを含む東京電力福島第1原子力発電所の処理水を海洋に放出する方針を決めた。2年後をめどに始める考えだ。漁業者らは反対しており、強行すべきではない。風評被害防止対策への地元の納得と、安全・安心への国民の理解を得ることが前提だ。
政府が決めた海洋放出の基本方針によると、トリチウムの濃度を国の規制基準の40分の1に薄めて放出する。
風評被害への懸念などから反対を表明していた漁業者の姿勢は、政府の方針決定後も変わらない。全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は抗議の声明を発表した。懸念は農業者も同じだ。JA福島五連の菅野孝志会長は談話で、「福島県の第1次産業に携わる立場として極めて遺憾」とし、「本県農林水産業の衰退が加速するとともに風評被害を拡大することは確実である」と危機感をあらわにした。
風評被害への危機感は政府も認識している。基本方針では、新たな被害が生じれば産業復興への「これまでの努力を水泡に帰せしめ、塗炭の苦しみを与える」と表明。「決して風評影響を生じさせないとの強い決意をもって対策に万全を期す」とした。政府は、被害防止を「決意」にとどめず、「至上命令」と自覚すべきだ。それでも被害が出れば、東電に、被害者に寄り添っての十分な賠償を迅速に実施させなければならない。
10年前の原発事故の風評被害は依然続いている。消費者庁の1月の調査では、放射性物質を理由に食品の購入をためらう産地として福島県を挙げた人は8・1%だった。
実際、福島県の農業では価格が回復しきれていない品目がある。農業産出額も事故前の水準に戻っていない。水産業も同様である。県によると、沿岸漁業の20年の水揚げ数量は事故前の2割に満たない。試験操業だったためだ。ようやく21年度、本格操業に向けた移行期間に入った。
岸全漁連会長の声明は、政府が、関係者の理解なしには処理水のいかなる処分も行わないと県漁連に表明していたことを指摘し、海洋放出の政府決定を厳しく批判した。県漁連に東電も、同様の考えを文書で伝えている。約束を破ってはならない。政府と自治体、県民が連携すべき復旧・復興にも影響しかねない。
風評被害防止のために政府と東電には、安全性を巡って分かりやすい情報提供や対話など国民の理解を得る取り組みを徹底し、成果を上げることが求められる。ただ知識として分かっても、安心感を得られるとは限らない。海洋放出の実施主体となる東電では柏崎刈羽原発のテロ対策の不備など不祥事が相次ぎ、国民の不信感が深まっている。信頼を得ることが不可欠だ。
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2021年04月16日
“もったいない”野菜詰め合わせ 直売所ロス減へ拡大 通販「JAタウン」
JA全農が運営する通販サイト「JAタウン」で、農産物直売所の食品ロス削減を目的とし、売れ残り野菜の詰め合わせ販売が広がってきた。「お野菜レスキューBOX」と題し、4県のJA直売所4店舗が出品する。予約制で、売れ残りが出たときに順次発送。出荷商品を売り切ることで、農家の所得向上にもつなげる。
直売所は朝取り野菜が売りで、閉店後に残った野菜は販売機会を失う。JAタウンの食品ロス削減特集の一環で、兵庫県のJA兵庫六甲の直売所「六甲のめぐみ」が詰め合わせ販売を発案。JA全農兵庫を通じ2月から売り始めた。購入者からは「新鮮でおいしい」と好評だった。
全農は全国で横断的に取り組めるとみて、お野菜レスキューBOXの特設ページを3月に開設。福島県と滋賀県の直売所2店舗も参加し、同月末までに3店舗合計で200セット を売った。4月には和歌山県の1店舗が加わった。各店は、従来から扱う野菜の詰め合わせ販売の発送の仕組みを利用。売れ残り野菜を一定数選び、通常品より2割ほど安くして出荷当日か翌日に発送する。
「六甲のめぐみ」では、通常の野菜BOXと違って品目が偏り同じ種類が二つ入ることがあることや、簡易包装に理解を求め、11種類以上で2660円(送料別)で売る。出荷会員600人のうち賛同した90人の野菜が対象。出荷日の午後、残りそうな野菜が11種類以上あれば詰め合わせて当日中に発送する。
南陽介店長は「旬でおいしい野菜ほど出荷が集中して残りやすい。農家が丹精した野菜を一つでも多く消費者に食べてほしい」と話す。
全農は「農家が出荷した商品を売り切る、直売所の販売先の一つとして確立させたい」(フードマーケット事業部)として、参加店舗を募る。売れ残りの懸念を減らして農家に直売所への積極的な出荷を促し、売り場の活性化にも貢献したい考えだ。
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2021年04月15日
営農の新着記事

酪農家向けに点検表 働き方改革を簡易診断 日本生産性本部
日本生産性本部は、日頃の作業に安全性への配慮が足りない部分や、無駄がないかをあぶり出す酪農家向けの「チェックリスト」を開発した。列挙した「やってはいけないこと」が自身の経営にどれだけあるか確認していけば、改善すべき部分が分かる。今後セミナーなどで使い方を説明し、問い合わせがあれば無料で提供する。
「カイゼン」を応用
同本部は企業の人材育成やコンサルティングを手掛ける。……
2021年04月16日

東日本各地で凍霜害 雌しべ枯死広範 山形・サクランボ
先週末の関東から東北にかけての広い範囲で発生した冷え込みの影響で、果樹を中心に各地で凍霜害が出ている。特に国内生産量の7割を誇る山形県のサクランボでは広い範囲で雌しべが枯死し、作柄への影響が懸念されている。
山形県天童市の大町さくらんぼ園では「紅秀峰」を中心に被害を受けた。武田章代表は「近年ない規模での凍霜害。生育が前進し、花が咲きかけていた」と話す。防霜ファンを回したが、氷点下4度近くまで冷え込み、被害が避けられなかった。「昨年はコロナ、今年は凍霜害と生産者にとっては厳しい年が続く」と嘆く。
十分な対策も…サクランボ直撃 想定外の低温 肩落とす
全国随一のサクランボ産地である山形県では、低温による凍霜害で、生産者が悲鳴を上げる。白い花の中、緑色に伸びているはずの雌しべが茶色に染まり、枯死が相次いで確認された。産地は残る雌しべを守り、確実に受粉できるように対策を呼び掛ける。(高内杏奈)
残った雌しべ「受粉確実に」
出荷量が上位の東根、天童、寒河江の各市では、3月から気温が高く降水も少なかったため、サクランボの発芽は平年より5日程度早まっていた。10日から11日未明にかけて最低気温がマイナス4度近くに下がり、長時間の低温が影響。開花直前という最も霜に弱い時期に低温・降霜が重なり、被害が相次ぐ事態となった。
JAさがえ西村山の秋場尚弘さくらんぼ部会長は「ここまで気温が下がるとは思わなかった」と肩を落とす。秋場部会長は、約50キロの収穫を見込む木で雌しべの枯死を確認。「収量は半分あるかどうか心配。ここしばらく日中の気温も低い。例年は15度程度だが、10度を下回る日が続いている。今夜も心配で眠れそうにない」と打ち明ける。 県全体の雌しべの枯死率は主力「佐藤錦」が20~60%、大粒の晩生「紅秀峰」は40~80%に達する。特に「紅秀峰」は晩生ながらも他品種より発芽が早いため、降霜の打撃を大きく受けている。
凍霜害対策として、樹上からマイクロスプリンクラーなどで連続散水し、凍るときに放出する熱を利用する散水氷結法がある。東根市で1・2ヘクタール栽培する岡崎貴嗣さん(47)はこの方法で対策を立てていたが、それを上回る低温で雌しべの枯死が確認された。
同市は昨年、新型コロナでサクランボ狩りに来る観光客が激減した。だが、ふるさと納税などで着実にファンを獲得してきた。岡崎さんは「来年も買うと言ってくれた消費者を裏切らないよう、残った雌しべの受粉を確実にしたい」と人工授粉の徹底で着果率を高めることを誓った。
JAさがえ西村山は14日に緊急会議を開いて被害状況を把握。生産者に、ちらしなどで凍霜害対策と人工授粉の徹底を呼び掛けることを確認した。
福島県では梨や桃などの果樹とアスパラガスで被害が出た。長野県では、11日現在で10市3町2村の農作物被害が、2億4220万円に上った。松本地域ではリンゴや梨などの果樹やアスパラガスに被害が出た。
栃木県によると、13日現在、梨で約5億4938万円の被害が発生。芳賀町や高根沢町など3市3町で花への低温障害が生じた。群馬県でも14日現在各地で梨、リンゴ、柿、サクランボの花が枯死する影響が出た。
新潟県内では新潟市など9市町で果樹の凍霜害が発生。13日現在、梨を中心に西洋梨や柿、桃など約400ヘクタールで花芽の褐変が確認されている。
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2021年04月15日

疑似グルーミング装置使用 子牛の体重2割増 農研機構
農研機構は、母牛の毛繕いを再現できる電動回転ブラシ「子牛用疑似グルーミング装置」を使うと、使わなかった子牛に比べて体重の増加率が2割高かったと明らかにした。群飼育移行時の生存率も高かった。同機構は「乳用牛に比べて誕生時の体重が軽い黒毛和種は肺炎や下痢などの影響が大きい」として、肉用牛の繁殖農家でのメリットを説明する。
ナイロン製のブラシは長さが40センチ、直径17センチの円柱状で、牛舎の柱などへ子牛の体高に合わせた位置に取り付ける。牛がブラシに体を押し付けるとスイッチが入ってモーターが毎分30回転し、体を離すと止まる。
農研機構が開発し、2016年から農家での実証を続ける。同機構畜産研究部門の矢用健一主席研究員によると、これまでの実証で黒毛和種の生後3カ月間12頭1群で飼った場合、ブラシを使用した牛は、使用しなかった牛と比べて体重の増加率が23%向上。群飼育移行時にブラシを使わなかった牛は10頭残存したが、ブラシを使うと11頭残った。試験では子牛1頭が1回約1分で、1日20分ほど装置を使っていた。
養牛農家では、母牛の発情を早く促すために生後1週間ほどで子牛を母牛から離して飼育する。子牛は母牛に体を毛繕いしてもらう「グルーミング」を受ける機会が減ると、ストレスになる恐れがあるという。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=yswKRrjaVxs
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2021年04月14日
消石灰のコンクリ散布 効果発揮には「水まき」必須 室蘭工業大
室蘭工業大学は、家畜疾病の原因となる細菌やウイルス対策に使う消石灰について、消毒効果を得るには水分が15~20%程度必要だと突き止めた。土に散布する場合は直接散布で使えるが、乾燥したコンクリートには消石灰20キロ当たり3~4リットルの水を散布すべきだとした。消毒効果の持続期間は屋外で2週間から1カ月で失われることも確かめた。
研究は口蹄疫(こうていえき)や豚熱、鳥インフルエンザの対策として……
2021年04月13日

緑肥作物でリン酸減肥 キャベツ、ニンジン2割 ソルガムのすき込み有効 千葉県農林総研センターが実証
千葉県農林総合研究センターは、冬取りキャベツと秋冬ニンジンの作付け前に緑肥作物を栽培してすき込むと、元肥のリン酸を2割ほど減らせることを確認した。土壌微生物中のリン酸が増え、リン酸の吸収量が増えたとみる。有機物の補給効果で、土づくりにもつながると期待する。
冬取りキャベツの作付け前にすき込むために、5月下旬から6月上旬に緑肥作物のソルガムを播種(はしゅ)し、8月にすき込む。……
2021年04月09日
農機 交通死亡事故減らず 8割単独、誤操作が主因 昨年23件
トラクターなど農耕作業用自動車が絡んだ交通事故のうち、死亡事故はほとんど減らず、横ばいで推移していることが警察庁の集計で分かった。死亡事故の8割が単独事故で、その要因はハンドルなどの「操作不適」が7割を占めた。警察庁は農水省と連携して確実な運転操作や、シートベルトとヘルメットの着用などを呼び掛けている。
警察庁がまとめた「農耕作業用自動車の交通事故発生状況」によると、2020年の死亡事故は23件、重傷事故は31件。……
2021年04月08日
省力樹形で事例集 果樹作業負担を軽減 農研機構
農研機構は、果樹の省力樹形の栽培事例集を作成した。国のプロジェクト研究の成果をまとめたもので、開発した自動走行車両や収穫ロボットも盛り込んだ。機械が導入しやすく、作業者の負担が少ない樹形を提案し、高齢化や人手不足への対応を目指す。同機構のホームページで公開している。
対象の品目は温州ミカン、中晩かん、リンゴ、日本梨、西洋梨、ブドウ、柿、オウトウ、桃、栗。……
2021年04月08日

ICTを駆使 水害対策に
水害対策に、川や池の増水を知らせるシステムが相次いで登場している。近年相次ぐ水害から情報通信技術(ICT)を駆使して命を守ろうとするものだ。地域の防災関係者などに通知し、住民に知らせるなど“防災力”の向上に期待をかける。
内水氾濫を検知 亀岡電子が京都で実証
センサーメーカーの亀岡電子は3月から、水路脇や道路脇に設置する浸水検知センサー「KAMEKER(カメカー)3」を売り出した。……
2021年04月07日

農家から店舗へ イチゴ積み公道走る ロボ2台リレー自動配送 任せて 茨城県で初実験
新型コロナウイルス下、高齢化が進む農村部での新たな物流技術の開発へ──。農家から集荷した農産物をロボットが公道を走行して店舗まで自動で配送する実証実験が、茨城県筑西市の道の駅「グランテラス筑西」で始まった。自動運転技術と配送ルートを最適化する技術を組み合わせた2台が、公道を利用して作業を行うのは国内初という。担い手不足対策や高齢化などで運転免許を返納しても農産物を出荷でき、コロナ禍での接触感染防止にも期待がかかる。実験は13日まで。(木村泰之)
労力減、感染予防も
実験では、原動機付き自転車の扱いでナンバープレートを付けた公道走行用と、道の駅の敷地内を走るロボットを組み合わせて、農園前から店舗まで届ける。初日、道の駅近くの90アールでイチゴを栽培する石川正吾さん(46)が、公道走行用ロボットにイチゴ約2キロを積み入れた。ロボットは農園前から道の駅へ出発し、無人で走行した。道の駅に着くと、関係者の手で構内用ロボットに積みかえた。安全を確認する随行者と店舗までの合計約200メートルを時速3キロで走った。
石川さんは「直売所には1日7、8キロのイチゴを出荷する。忙しくなると人手もままならない。コロナ禍で人との接触を避けたい農家が、道の駅まで出向かなくても出荷できるようになる」と新たな相棒を歓迎した。
13日までに石川さんの他、片道1キロ圏内の農家から小玉スイカやミニトマトなどを集荷したり、道の駅の商品を近隣の民家に届けたりする。
このロボットは、電動車椅子を改造したものだ。ベンチャー企業のティアフォーなどが開発した。三次元地図を記憶させてセンサーで感知した周りの状況を、人工知能が選んだ最適なルートで重さ10キロまでの荷物を運ぶ。人が遠隔監視をするが、障害物があれば自動で止まる。
実験の事務局を務める東京海上日動営業企画部の松下雄担当課長は「1台で作業を完結できることが目標だ。農家からJAの集荷場など基地までの1、2キロを自動配送ロボットが出荷を担い、免許がなくても農業を続けてもらえる社会にしたい」と力を込めた。
須藤茂市長も「自動配送ロボットは、高齢化など農業を取り巻く課題の解決だけでなく、コロナ禍で求められる非接触物流システムの可能性も検証できる」と期待した。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=yswKRrjaVxs
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2021年04月06日

無角牛の精液発売 事故軽減、乳量も豊富 ジェネティクス北海道が国内初
ジェネティクス北海道は1日、生まれつき角が生えない無角遺伝子を持つホルスタイン種の種雄牛2頭の精液を発売した。同法人によると、無角遺伝子を持つ種雄牛の精液販売は国内初。無角の牛は管理作業中に人がけがなどをするリスクが減り、除角で牛にかかるストレスをなくすことができるという。……
2021年04月02日