農水省は４日、能登半島地震による農林水産関係の被害状況（午前７時時点）を取りまとめた。石川、新潟、富山、福井の４県で畜産農家の停電や断水、農業関係施設の破損などを確認した。今後さらに増える可能性がある。同省は緊急自然災害対策本部を開き、迅速な被害把握に取り組むことを確認した。

　同省によると、石川の畜産農家で停電・断水や施設損壊、集乳で使う道路の損傷などが発生。この他各県でハウス内の地割れ・液状化、共同利用施設やＪＡ施設の破損、鶏舎の斜面崩落などを確認している。

　防災重点農業ため池は、点検対象の２０６９カ所中１０８５カ所を点検。富山と石川の計７カ所で損傷が見つかり、該当部分の保護や水位低下を指導した。農業ダムは石川県の１カ所で、舗装の軽微なひび割れがあった。

　坂本哲志農相は対策本部で、被災自治体の支援に同省職員延べ７５人を派遣したと報告。食料支援はパン約１２万食、パックご飯約３万食、即席麺約９万食、粉ミルク約５００点が輸送拠点に到着し、飲料水約１９万本も発送しているとした。

　坂本農相は「必要な物資を適宜適切に届けることは極めて重要」だとし、迅速な対応を指示した。