都府県酪農の担い手育成 就農地確保も 全酪連が新機関
アカデミーは、後継者不足や酪農従事者の減少対策として、就農や牧場勤務を志す担い手を発掘・育成して、都府県酪農の基盤強化につなげる。全酪連、全酪協を正会員に、全酪連の会員酪農協や他の農業団体などを賛助会員として募り、運営に協力してもらう。理事長には全酪連の北池隆専務が就任。事務局は酪農会館(東京都渋谷区)内に設置した。
初年度の21年は、10月までに全酪連の会員酪農協へ周知を図り、紹介された新規就農希望者から2、3人を選考。早ければ11月にも雇用契約を結び、従業員として給与を受け取りながら3年間の就農支援プログラムを受講してもらう。2025年4月に、全酪連が出資する年間乳量1万トン規模の復興牧場(福島県浪江町)が開業した後は、アカデミー受講者の受け入れも拡大していく予定だ。
プログラムは3年間で修了。1年目は、福島と熊本にある全酪連関連牧場を拠点に、搾乳作業や飼料給与などの基礎研修と座学研修を受講する。2、3年目は会員酪農協の契約農場で実践研修をしつつ、第三者継承などで就農地の確保につなげる。講師は全酪連の職員や契約する技術顧問が務める。
同アカデミーでは、新規就農者の受け入れ先地域での酪農の理解醸成活動や経営継承、経営計画の作成支援に関する事業も実施。全酪連は「アカデミーから全国へ酪農家を輩出し、都府県酪農の基盤強化につなげたい」と期待を込める。