ローソンは21日、牛乳消費拡大の応援企画を打ち出した。大みそかと元日の2日間、全国約1万4000店で「ホットミルク」(200ミリリットル)を半額の65円で販売する。同社は「牛乳の消費を応援したい」と話す。
雪印メグミルク系列の雪印パーラー本店(札幌市)は、23日から来月18日にかけ、店内で飲食する人に200ミリリットルの牛乳を無償提供。明治は酪農家応援企画として、北海道生乳使用の「明治北海道十勝ナチュラルチーズ」(80グラム、497~518円)4品を期間限定で発売した。
話題を呼んでいるのが、JA全農が数量限定で販売を始めたミルクティーだ。牛乳を50%以上使い、消費拡大を呼び掛けるパッケージで、1ケース24本(1本275グラム)入り。年内製造分の1万ケース限定の予定だったが、需給緩和のニュースで注目を集めたことから、1月に追加で5000ケース製造することを決めた。2月も同数を製造する意向だ。全農は「酪農への理解醸成を目的に開発した。大きな反響で驚いている」(酪農部)と手応えを示す。
ホクレンはアンテナショップ「MILKLAND HOKKAIDO→TOKYO」(東京都目黒区)で、1月16日まで牛乳・乳製品を使った「スペシャル和スイーツ」を提供する。「あずきの牛乳プリン」など全4種。レシピも配り、手作りでの消費も促す。
エブリー(東京都港区)が運営するレシピ動画メディア「デリッシュキッチン」は、インターネット交流サイト(SNS)などで「牛乳消費レシピ特集」を立ち上げた。「フードロスを減らすため、牛乳を活用して」と呼び掛けている。
生乳は新型コロナウイルス禍で需要が低迷する一方、生産は増えて需給が緩和している。特に年末年始は学校給食がなく、スーパーなども休業するため、飲用需要が落ち込む。保存の利く脱脂粉乳やバターを多く製造して対応するが、工場の処理能力には限界がある。
Jミルクは10月時点で、全国の乳製品工場をフル稼働をしても年末年始に約5000トンの処理できない生乳が発生すると見通した。生乳廃棄を避けるため、冬休み中に家庭で牛乳を飲んでもらうちらしを作成。乳業へは乳製品工場のフル稼働や製品中の生乳使用率の引き上げ、生産者には出荷抑制を呼び掛ける。
首相「牛乳いつもより飲んで」 会見で呼び掛け

岸田首相(21日、首相官邸で)
臨時国会の閉会を受けて同日に開いた会見で言及した。首相は「足元では生乳の需要減少が大きな問題になっている」とし、「生乳の大量廃棄を防ぐため」だとして積極的な消費を求めた。
米価下落にも言及。「国民生活に大きな影響を与えている」とし、「こうした問題にもきめ細かく対応していく」と述べた。