リンゴ、ミカン面積最少 21年産 国産需要高く不足感
21年産リンゴの出荷量は59万9500トンと統計のある1973年以降、過去最も少なかった11年産(58万2000トン)に次ぐ水準。面積が前年から1%減と減少が続いていることに加え、雪害による枝折れや凍霜害が影響した。20年前比では面積が2割減、出荷量は3割減っている。
ミカンの出荷量は67万6900トン、結果樹面積は3万7000ヘクタールでいずれも前年比2%減。20年前からは面積が3割、出荷量は4割減っている。
リンゴ、ミカンともに不足感が常態化し、農水省は「需要に対し供給が十分でない状態」(果樹・茶グループ)との認識を示す。生産減を受け、この10年間でミカン・リンゴの卸売価格は1~3割上昇している。
担い手不足が深刻化しており、農水省は省力樹形や機械化などを推進。品薄高の長期化は消費離れにつながるとの課題意識もあり、果実出荷の安定化を目指す。省力化による人件費などの圧縮で農家所得の維持も図る。
輸入果実の輸送停滞やコスト増、円安の影響による価格上昇も進んでおり、国産の安定供給が一層求められている。
日本園芸農業協同組合連合会は「生産量が少なくなっている中で、高品質品を安定出荷することで、農家の再生産価格を維持していきたい」とする。