輸入食品 分けて販売 コロナ検出相次ぎ対策 中国
2021年02月21日
中国では、輸入食品を国産と分けて保管・販売する卸売市場やスーパーが増えている。中南米産やアジア産の冷凍食品の搬送資材や包装資材から、新型コロナウイルスが相次いで検出され、感染防止策として国家市場監督管理総局(SAMR)が呼び掛けているためだ。
海関(税関)総局の公表によると、1月14日現在、全国から129万5692件のサンプルを抽出、調査したところ、47件から新型コロナウイルスの陽性反応が出た。昨年11月の13件から3倍以上も増えた計算だ。
この動向を踏まえ、SAMRは輸入食品の管理を強化するテレビ会議を開き、食品輸入業者や農産物卸売市場、ショッピングモール、スーパー、生鮮食品の電子商取引などに対し、全面的な調査を行う必要性を強調した。感染防止策として、輸入食品に対し、入荷の専用ルートや保管場所、販売ブースの設置を呼び掛けている。
北京の農産物卸売市場の関係者は「これまで同じ品目は、仕入れ先に関係なく、同じブースに並んでいた。しかし現在は、輸入物は専用ブースで販売することになった。国産をPRする良いチャンスではないか」とみている。
海関(税関)総局の公表によると、1月14日現在、全国から129万5692件のサンプルを抽出、調査したところ、47件から新型コロナウイルスの陽性反応が出た。昨年11月の13件から3倍以上も増えた計算だ。
この動向を踏まえ、SAMRは輸入食品の管理を強化するテレビ会議を開き、食品輸入業者や農産物卸売市場、ショッピングモール、スーパー、生鮮食品の電子商取引などに対し、全面的な調査を行う必要性を強調した。感染防止策として、輸入食品に対し、入荷の専用ルートや保管場所、販売ブースの設置を呼び掛けている。
北京の農産物卸売市場の関係者は「これまで同じ品目は、仕入れ先に関係なく、同じブースに並んでいた。しかし現在は、輸入物は専用ブースで販売することになった。国産をPRする良いチャンスではないか」とみている。
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桜花ゼリー 長野県松川町
長野県松川町内の農家13戸で運営する農産物加工施設「味の里まつかわ」が桜の花を加工し、飯田市の製菓店が製造するゼリー。
原料は、町内で栽培する八重桜の一種で加工用の「関山桜」の花びら。これを梅酢に1週間ほど漬け、製菓店がゼリーに仕上げる。
同町は「竜峡小梅」発祥の地。果肉の部分が多く、かりっとした食感が特徴だ。この梅を使った白梅酢で桜の花を漬け込む。
1袋約80グラム(2個入り)で300円。町内の農産物直売所「あい菜果」や、飯田市の「およりてふぁーむ」農産物直売所、農産物直売所「あざれあ」で販売する。問い合わせは「味の里まつかわ」、(電)0265(36)7122。
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2021年04月13日
酪農ヘルパーに外国人材 「特定技能」 派遣で実証 北海道
北海道は、在留資格「特定技能」を取得した外国人を酪農ヘルパー利用組合に派遣する全国初の実証試験を始める。日替わりで複数の酪農家を回るヘルパーが特定技能の仕事にふさわしいかを見極め、適正な受け入れを道農政部とJA北海道中央会が探る。労務管理や、外国人材の技術・知識の向上につなげながら、酪農ヘルパーの人手不足対策としたい考えだ。(尾原浩子)
道中央会によると、特定技能の外国人が酪農ヘルパーになるのは全国に例がない。……
2021年04月15日

和牛 世界に向け発信 動画150万回再生 JFOODOの動画話題
和牛の魅力を台湾、香港の消費者に発信しようと、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が作成した動画「和牛100%.TV」が話題だ。タレントの照英さんが産地を巡り、和牛のおいしさの秘密に迫る内容で、「日本和牛こそが他国産WAGYUとは異なる本物の和牛であることを効果的に伝えたい」と狙う。
山形、滋賀、宮崎、鹿児島の生産者らが登場する産地編と、おいしい食べ方を紹介するクッキング編の計8本を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、合計再生回数は約150万回に上る。特に産地編の再生回数が多く、日本の和牛生産への関心の高さがうかがえる。
各回とも5分ほどの動画で、生産者の和牛に懸ける思いや、徹底したトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)などを紹介。宮崎編では、輸出向け認定施設として和牛の食肉処理などを手掛けるミヤチクや、宮崎県立高鍋農業高校の生徒らが出演する。
台湾、香港向けの字幕付きだが、音声は日本語のため、国内の消費者も楽しめる。飼料の工夫や、子牛ごとに与える乳量を管理できる哺乳ロボットの活用など、各生産者の飼養管理も学べる。
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2021年04月18日
“もったいない”野菜詰め合わせ 直売所ロス減へ拡大 通販「JAタウン」
JA全農が運営する通販サイト「JAタウン」で、農産物直売所の食品ロス削減を目的とし、売れ残り野菜の詰め合わせ販売が広がってきた。「お野菜レスキューBOX」と題し、4県のJA直売所4店舗が出品する。予約制で、売れ残りが出たときに順次発送。出荷商品を売り切ることで、農家の所得向上にもつなげる。
直売所は朝取り野菜が売りで、閉店後に残った野菜は販売機会を失う。JAタウンの食品ロス削減特集の一環で、兵庫県のJA兵庫六甲の直売所「六甲のめぐみ」が詰め合わせ販売を発案。JA全農兵庫を通じ2月から売り始めた。購入者からは「新鮮でおいしい」と好評だった。
全農は全国で横断的に取り組めるとみて、お野菜レスキューBOXの特設ページを3月に開設。福島県と滋賀県の直売所2店舗も参加し、同月末までに3店舗合計で200セット を売った。4月には和歌山県の1店舗が加わった。各店は、従来から扱う野菜の詰め合わせ販売の発送の仕組みを利用。売れ残り野菜を一定数選び、通常品より2割ほど安くして出荷当日か翌日に発送する。
「六甲のめぐみ」では、通常の野菜BOXと違って品目が偏り同じ種類が二つ入ることがあることや、簡易包装に理解を求め、11種類以上で2660円(送料別)で売る。出荷会員600人のうち賛同した90人の野菜が対象。出荷日の午後、残りそうな野菜が11種類以上あれば詰め合わせて当日中に発送する。
南陽介店長は「旬でおいしい野菜ほど出荷が集中して残りやすい。農家が丹精した野菜を一つでも多く消費者に食べてほしい」と話す。
全農は「農家が出荷した商品を売り切る、直売所の販売先の一つとして確立させたい」(フードマーケット事業部)として、参加店舗を募る。売れ残りの懸念を減らして農家に直売所への積極的な出荷を促し、売り場の活性化にも貢献したい考えだ。
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2021年04月15日
農地特区延長法案 目的・効果 参院でただせ
一般企業による農地取得の特例措置を延長する国家戦略特区法改正案が衆院を通過した。特例の必要性や効果を巡る政府の答弁には与党も疑問を呈した。だが3時間の審議で可決。国会の存在意義が問われる。参院では、疑問点について明確な答弁を得た上で可否や修正を判断すべきだ。
同特区の兵庫県養父市では、2021年8月までの5年間、一般企業の農地取得を認めている。改正案はこの特例の2年延長が柱だ。提出に先立つ政府の同特区諮問会議で、民間議員が全国展開を要求。21年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否を調整することも決めた。これを受けた法改正だ。
そもそも延長が必要なのか。同市での農地取得の実績は6社で計1・65ヘクタール。経営面積全体の5・5%にすぎず、残りはリースだ。13日の地方創生特別委員会での審議では、与党の自民党議員からも「大部分はリース。取得の必要性があるのか」との指摘が出た。当然の問題意識だろう。
一方、政府の答弁は理解し難い。所管の内閣府は、リースと取得で15・7ヘクタールの遊休農地の解消につながったことや6次産業化を成果と説明。だがリースが大半では、農業参入の成果だとしても、農地取得の成果とは言えない。
与党も指摘した疑問点に、政府は明確には答えていない。にもかかわらず、同委員会は1回、3時間余りで審議を終結。自民、公明、維新の各党の賛成多数で可決した。また、同委員会は採決に際して、一般企業の農地所有の目的と効果を明らかにするよう政府に求める付帯決議を採択した。これには立憲民主、国民民主の両党も賛成した。
与野党ともに理解に苦しむ対応だ。目的や効果は、延長の可否を判断する核となる基準で、審議で明らかにすべきことだ。与野党問わず、参院で政府にただすよう求める。
内閣府は「所有とリースを適切に組み合わせて営農できるようになることに意義がある」とも説明するようになった。法制定当時から疑問視されていた農地取得の効果をいまだに示せない中では、論点のすり替えでしかない。誠実に答弁すべきだ。
生産現場では、企業の撤退や農地の転用・産廃置き場化などへの懸念が強い。また政府の規制改革推進会議は、農地所有適格法人の議決権要件の緩和を議論している。一般企業が経営を支配できるようになれば農地所有を全国で認めることと同じで、なし崩し的解禁への不安がある。
こうした声に応え、徹底した審議が必要だ。国会は憲法が定める国権の最高機関で国の唯一の立法機関であり、国民を代表する国会議員が組織する。その矜持(きょうじ)を持って臨んでもらいたい。
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2021年04月17日
経済の新着記事
コロナ下 消費行動変化 「食品保存増」2割 自宅で料理増3割 JCA調査
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、米や肉、野菜など食品の各品目で、保存量が増えた消費者が2割に上ったことが、日本協同組合連携機構(JCA)の2020年度の調査で分かった。自宅での料理回数が増えた人は3割いた。外出自粛や在宅勤務の増加が背景にある。食品の販売は、消費者の生活様式変化に対応した戦略が鍵になる。
JCAの「農畜産物等の消費行動に関する調査」で、毎年実施する。20年度は20年8~9月にインターネットで全国の2159人が回答した。
自宅での食品(冷凍を含む)の保存量が増えたと……
2021年04月18日

走る、つなぐ 地域の食 [コロナが変えた日常]
新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛や飲食店の営業短縮が長期化する中、東京都三鷹市では、地域密着の宅配サービス「チリンチリン三鷹」が1周年を迎える。
JA東京むさしの直売所「三鷹緑化センター」を拠点とし、農家が生産する野菜などの生鮮食品と、地元の飲食店が作った弁当などを自転車で宅配。コロナ禍で休業を余儀なくされた人らが配達員となり、市内全域に届けている。
この仕組みに、農産物の新たな販路を探していた農家が加わることで、消費者は新鮮で安心な野菜や肉、卵などを在宅のまま買えるようになった。購入者は配達員に1回500円の支援金を支払う。
参加農家は1年で2戸から20戸に広がった。直売所にない物は配達員が協力店に立ち寄って調達。注文を受ける電話の応対は、地元の葬儀社が担当するなど、地域挙げての協力体制だ。多品目の供給ができるようになり、地元産の食材にこだわる飲食店も増えた。
市内在住の発起人、濱絵里子さん(38)は「みんなの『困った』を結び付けたら面白い展開になった。今後は野菜ごみを再び農地に返すなど、地元で活動の輪を広げていきたい」と話す。(仙波理)
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2021年04月17日
切り花 品目間で明暗 洋花好調、菊は葬儀用が苦戦
春の需要期が過ぎ、切り花相場は品目で明暗が分かれている。家庭用など用途の広いカーネーションやバラといった洋花は平年と比べ1~3割高で推移。一方、葬儀や供え花に使う輪菊や小菊は1~3割安と低迷する。業務用の仕向けが多い産地は、新型コロナウイルス禍の需要不振から販売が減少する中、新たな販路を模索している。(柴田真希都)
直近の取引があった14日の日農平均価格(全国大手7卸のデータを集計)は、カーネーションやバラ、ガーベラが平年比2、3割高。いずれも小幅だが3営業日連続の上昇で、この時期には異例の高値基調だった。「家庭での普段使いの他、開店の祝い花や装飾など用途が広く、売れ行きが良い」(大田花き)。
今年の切り花全体の相場を見ると、1、2月は大きく下落した。大都市圏の緊急事態宣言再発令と低温が直撃し、月別の日農平均価格は平年比2割安の1本当たり53円と低迷。一方、3月は送別会や彼岸向けの仕入れが進んだことから70円と高水準で、販売量も過去2年を上回り、活発な取引となった。
しかし、彼岸が明け通常期に戻ると、菊類などが再び平年を下回る展開に。輪菊は彼岸後から11営業日連続で平年比1、2割安で推移し、14日は39円と2カ月ぶりに40円を割った。小菊も8営業日連続で平年を1~3割下回る。「量販店の仏花束の動きが鈍い。新型コロナの感染再拡大によって、主要な購入層の高齢者が店に行く頻度が減っている」(同)。
通常であれば、小売りや加工業者が前もって多めに仕入れるケースも多いが、コロナ下では消費の先行きが不透明なため、仕入れを必要最小減に抑える傾向だ。物日向けは間際に足りない分をせりで買う業者が増え、せりよりも高く売れるはずの注文販売分があおりを受け、苦戦している。
輪菊の主産地、JA愛知みなみ(田原市)では、今年度の注文の年間契約分が大きく減った。「コロナ禍による葬儀縮小で上位等級の減少が大きい」(同JA)。減少分を補うため、従来輸入品を使っていた業者に置き換えを提案したり、5月の「母の日」に向けた墓参り需要(母の日参り)を当て込み、積極的に注文を取るなど、新たな販路の開拓に努めている。
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2021年04月16日

米の新顔 期待と不安 福島「福、笑い」 秋田「サキホコレ」 需給緩和、コロナ…
米どころの東北地方で、今年から来年にかけて福島県と秋田県のオリジナル品種が相次いでデビューする。県はブランド化に力を入れるが、米の需給緩和や新型コロナウイルス禍が影響し、販売環境は決して良くない。他県の銘柄米も数多くある中、幸先の良いスタートが切れるのか──。生産者は気をもんでいる。(音道洋範)
福島県からは2021年秋に「福、笑い」がデビュー。秋田県では22年秋のデビューを前に、今年から「サキホコレ」の販促を本格化させる。両品種とも、県は“最上位品種”と位置付けている。
「福、笑い」は21年に25ヘクタール、130トンの生産を計画。県やJAなどでつくる協議会が、毎年需給を見極めて生産量を調節することで希少価値を高め、高価格の維持とブランド確立を進める。
「『福、笑い』の存在感を高めていきたいい」と話すのは福島県農産物流通課だ。パッケージは青色を基調にして人々の顔を描いたものを採用。農業生産工程管理(GAP)認証の生産者だけが栽培できるなど、独自性を打ち出す。
福島県白河市で、新品種を栽培する入方ファーム代表の薄井惣吉さん(67)は、福島県産米は原発事故の「風評被害」が残ることを挙げ、「福島の生産者が、希望やプライドを取り戻すきっかけになれば」と思いを込める。
薄井さんによると昨年、「福、笑い」の生産者買い取り価格は1俵(60キロ)1万8000円前後と、同県産「コシヒカリ」を6000円ほど上回った。香りが立ち、強い甘味があると評価され、生産者の期待は大きい。
一方、販売環境は悪化している。農水省によると2月の福島中通り「コシヒカリ」の相対価格は前年比12%値下がりした。今秋以降も米価下落への懸念は根強く、薄井さんは「『福、笑い』がデビュー後にどれだけ市場に受け入れられ、価格を維持できるかが鍵だ」と語る。
秋田県産の「サキホコレ」も、21年秋にプレデビューする。味にこだわりを持つ消費者や飲食店などを主な顧客と想定し、今年は80ヘクタール、約400トンを生産する予定だ。
県は知名度の高い「あきたこまち」で培った販路や米どころのイメージを活用し、販路拡大につなげる考え。首都圏と県内の米穀店や百貨店を中心に売り場を広げていく計画で、「価格以上に価値のある米だと消費者に感じてもらいたい」(秋田米ブランド推進室)と期待する。
ただ、秋田米もコロナ禍や近年の豊作傾向で在庫が増加。県農業再生協議会が20年に行った試算では、21年6月末時点の推定在庫量は15万5733トンと、過去5年で最大となる見込みだ。県の担当者は「『サキホコレ』は販売サイドの関心が高く、数量も少ないため影響はない」とみるが、秋田米を扱うある米穀業者は新品種に期待しているとした上で「メイン品種の値下がりが止まらない中、ブランド米への下押し圧力も相当なものになるだろう」と不安を抱える。
明確な印象 打ち出せるか
農産物のブランドづくりに詳しい静岡県立大学の岩崎邦彦教授
米は毎年さまざまな銘柄米が出ているが、消費者が明確なイメージを持っている銘柄米は極めて少なく、ブランドではなく商標にとどまっているのも多い。
農産物のブランドを確立させるためには、産地が明確なイメージと特徴を持ち、それを消費者に共有してもらうことが大切だ。
味や食感などはもとより、形状、栽培方法など何らかの形で日本一と打ち出せるほどの個性を持つことが必要ではないか。
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2021年04月13日

イチゴ輸出に勢い 2カ月で前年の8割 アジア圏中心
イチゴの輸出に勢いがある。財務省貿易統計によると2月のイチゴ輸出量が493トンとなり、単月では初めて10億円を突破。輸出量も、1月から2カ月連続で前例のない400トン超えとなった。日本産の品質面への評価に加え、新型コロナウイルス下の巣ごもり需要を海外でも獲得している。(高梨森香)
大粒・食味に定評 コロナ下の巣ごもり需要つかむ
日本産イチゴは香港、シンガポール、タイ、台湾、米国などに輸出。2014年から輸出量が伸び、18年には過去最高の1237トンを記録した。19年は不作で1000トンを割り込んだが、コロナ下で物流が停滞した20年も1179トンと18年に次ぐ輸出量を維持。10年と比べて11・5倍になったが、21年はその20年の年間量の8割に当たる913トンを2カ月間で輸出している。
日本産イチゴは海外市場では国内価格の3~6倍で流通するが、大粒の見た目や食味の良さから現地の富裕層を中心に人気が高い。福岡県のJA全農ふくれんの担当者は「コロナ下で輸送用の航空便が減便となる課題があった一方、訪日できない外国人の現地での家庭消費が旺盛だった」と指摘する。
イチゴは輸出の有力品目で、「今後、さらに需要は拡大する」(全農インターナショナル担当者)との見方は多い。越境のインターネット通販サイトを活用した輸出を進める主産地の栃木県は、シンガポールやマレーシアなどで県産イチゴを使った料理教室をコロナ下も開催。海外市場への売り込みを強める姿勢だ。
政府は農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略で25年にイチゴの輸出額86億円を目標に掲げ、全国12産地を「輸出産地」に指定。国内需要を満たした上で輸出向けも確保できるよう生産基盤の強化を急ぐ。農水省は「基盤強化を軸に、流通段階での品質保持、相手国の防除基準やニーズに合わせた生産で輸出量を伸ばしていく」(園芸作物課)と話す。
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2021年04月11日
台湾、56年ぶり干ばつ 農産物被害 日本産に期待高まる
台湾で昨年、1964年以来初めて台風が上陸せず、降雨量は、地域によっては例年の2~6割に減少した。その影響で、タマネギなどの農産物に被害が生じている。今後も干ばつ傾向が続くことが見込まれることから、有力な輸入国である日本に期待する見方も出ている。
日本の農水省に当たる農業委員会(農委会)によると、昨年、台風が上陸しなかったため降雨量は例年の2~6割に減り、56年間で最も少ない年となった。&
干ばつの影響で、8日現在、3715ヘクタールの農産物に被害が生じている。品目別では、マンゴーへの被害が2162ヘクタールと最も多く、次に茶、梅、タマネギの順となった。
今年1期作としてかんがいが必要な面積は、23万6000ヘクタール。しかし、75%に当たる17万8000ヘクタールで水不足が深刻になる恐れがある。農委会は、今後も干ばつ傾向が続くとみて、関連病害虫の防除を進め、農業被害を最小限に抑えるように呼び掛けている一方、干ばつによるタマネギなど野菜生産量の減少で日本産の需要が高まるとみられている。台湾は昨年、日本から前年の4・3倍に当たる3万7624トンのタマネギを輸入した。日本は、米国や韓国を抜いて初めて輸入量が1位となった。今年1~2月の輸入量も、前年同期の2・8倍の5269トンと1位を維持している。
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2021年04月11日

和子牛せり 名簿にゲノム育種価 能力判断の新指標 群馬・渋川市場
和牛子牛を取引する群馬県の渋川家畜市場で9日、せり名簿への「ゲノミック育種価」の表記が始まった。血統や体格などに加え、子牛の能力を判断する新たな指標として提示し、評価向上や取引の活性化につなげる。分析を担う家畜改良事業団によると、ゲノミック育種価をせり名簿に記載するのは全国初の試み。(斯波希)
ゲノミック育種価は、和牛の能力をゲノム(遺伝子)の違いで評価する。
2021年04月10日

ダイダイ地域の顔に 「サワー」PR実行委も発足 静岡県熱海市
ダイダイで熱海を元気に――。全国有数のダイダイ産地・静岡県熱海市では生産者と食品卸、飲食店などが一体となって、地域活性化とダイダイのブランド化に注力する。その一環として熱海市の飲食店関連団体は9日、「熱海だいだい実行委員会」を発足した。ダイダイの活用によって地域経済を循環させ、縮小するダイダイの生産基盤維持にもつなげたい考えだ。
委員会は熱海料飲連合会、熱海社交業組合、県飲食業生活衛生同業組合熱海支部の3団体が立ち上げた。……
2021年04月10日
干し芋 うま~い アイデア 販売方法で“巣ごもり”消費者つかめ
サツマイモを蒸して乾燥させた干し芋が、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で売り上げを伸ばす。干し芋を手掛ける茨城や栃木の農家は、新たに接触を避ける消費者に向けて自動販売機を活用したり、筋トレ愛好者向けの独自商品を開発したりするなどして消費者の心をつかんでいる。(木村泰之)
自販機設置 売り上げ増 接触少ない買い物
飲み物と干し芋が買える自動販売機。黒澤さんが商品を整理していた(茨城県ひたちなか市で)
農水省によると、2019年産の茨城県の干し芋の生産量は3万2118トンで、全国の87%を占める。中でも400戸以上の干し芋農家がいるひたちなか市でサツマイモ「べにはるか」を約5ヘクタール作る黒澤太加志さん(43)は、国道245号沿いに1月から自動販売機で干し芋を売る。黒澤さんは「干し芋と飲み物が一緒に買える自動販売機は他にないだろう」と胸を張る。飲み物の缶やペットボトルの他、平干しと丸干しの2種類が選べる。透明なカップや箱に入った140グラム入りと170グラム入りが、1個650円で購入できる。
自販機を置いた国道沿いは、観光地の国営ひたち海浜公園に近い。黒澤さんは、店舗の営業時間外でも往来客が買うと見込んだ。赤と黒に塗られた目を引く自販機で売る干し芋は売り上げを伸ばし、観光客だけでなくコロナ禍で、人との接触を減らした買い物を望む客などが訪れる。3月中旬の時点で約90個売れて、1日に2回補充することもあった。
自販機設置を機に観光客が買うようになり、リピーターとなって通販でも購入したことで、20年は前年比1・5倍の3000万円を売り上げた。「茨城の人にとって干し芋は冬の食べ物。だが、全国では年中食べるものになってきた。以前は5月で加工を終えていたが、あまりの売れ行きに周年で加工したい」と話す。
筋トレの“相棒” 購買層絞り商品開発
購買層を限定した干し芋も生まれた。栃木県壬生町の約4ヘクタールで「べにはるか」を有機栽培する戸崎農園は、トレーニングをする人向けの干し芋「フィジーモ」を2月から販売する。農園の戸崎泰秀さん(46)は「干し芋フェアを開いた時、筋肉質な人が続々と買っていった。そんな人向けに売れるのでは」と企画の経緯を話す。干し芋は、糖の吸収が穏やかで血糖値の急上昇を抑えられるといわれる。
ダンベルを上げながら干し芋を口にする中川さん。「かみ応えがある干し芋はトレーニングに最高でもはや主食」と語る(栃木県壬生町で)
1袋50グラム入りを6袋1400円で販売する「フィジーモ」は、鍛えた肉体のバランスの美しさを競う競技のフィジークに由来する。購入した栃木市の中川博登さん(46)は「干し芋を筋トレの相棒にしてから便通が良くなり、100キロあった体重が78キロになった。糖質制限をしながら固形物が食べたいときに干し芋はぴったり」と勧める。
筋トレに励む人の声を踏まえたフィジーモは、かむ回数を増やそうと乾燥時間を長くした。カロリーコントロールや保存のしやすさを考え、チャック付きの小分け包装にした。
戸崎さんは、コロナ太りの解消でスイーツを自粛する層に受け入れられてきたとして、「20年は干し芋だけで年間2000万円を売り、昨年の2倍増だった。売り方を工夫すれば干し芋は挑戦しがいある品目だ」と力を込める。
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2021年04月08日

規格外の花販路拡大 取扱店コロナ前の17倍 来年度は1000カ所目標 東京・ハナネ
市場規格外の花を扱うハナネ(東京都港区)の販売量が拡大している。先月はブックオフなど取扱店が51店に増え、新型コロナウイルス流行前の3店から17倍となった。花売り場を設置した店では、本業の売り上げ増につながる効果も出ている。
同社は市場規格外生花をどれでも1本100円で販売する「花つみ」を展開。……
2021年04月07日