JAの情報発信 効果的な手段を選ぼう
JAグループはJA全国大会で、食・農・地域の重要性に対する国民理解の醸成と、これらを支えるJAへの信頼・共感づくりに取り組むことを決議。食料自給率の低下をはじめ食料や農業の実態、「国消国産」の意義などを発信し、国産農畜産物の積極的な選択といった消費者の行動変容を目指す方針を掲げた。
これを受けてJA広報戦略を策定。重点対象に①食への関心が高く、子どもの食生活に大きな影響を与える子育て世代の特に女性層②組織・事業の将来の支え手として期待されるものの、食や農、JAなどへの関心が低い若年層──を位置付けた。また彼らの重要な情報入手手段であるSNSなど、デジタル技術の活用拡大に取り組むとした。
JAでは、動画投稿サイトやLINE、インスタグラム、ツイッターなど、さまざまなSNSの活用が進む。
愛知県のJA豊橋は昨年11月、フェイスブックとインスタグラムのアカウントを開設した。
農業関係の詳しい情報を定期的に得たい正組合員と、JAの主要な話題やイベントを知りたい准組合員では情報ニーズが異なり、正・准組合員向けで広報誌を分けた。准組向けは4カ月ごとの発行とし、併せて、組合員以外を含め、リアルタイムに情報を発信するためSNSを活用することにした。JAへの興味を高め、利用者の拡大につなげたい考えだ。
また大半のSNSは、企業・団体や個人などによる発信が可能で情報量は膨大だ。一方で若年層を中心に、必要な情報を自分で探すようになってきた。このため多くの情報の中から、JAの発信にどう注目してもらうかが課題だ。
JAグループ三重は、11月のJA三重大会に合わせ、県内JAの農業振興や地域貢献の取り組み、JAの果たす社会的役割などを紹介する動画を作成し、大会で放映。JA中央会や各JAの動画投稿サイトチャンネルでも公開していく。多チャンネルで同じ情報を発信し、視聴者が目にする機会を増やすのが狙いだ。
JA広報戦略では、マスコミに情報を提供し報道してもらうパブリシティーやトップ広報の継続を提起。またJAは他にも、広報誌やコミュニティー紙、ホームページ、メールマガジンなどさまざまな広報手段を持つ。
JAの体制や予算が限られる中で、SNSを含め、情報の内容と対象に適した手段の選択が一層重要になる。