JA全国女性大会 地域共生社会けん引を
新3カ年計画の目標は「つながろう」「まもろう」「かかわろう」。①「つながろう」ではメンバー数拡大、消費者や地域の多様な組織との連携②「まもろう」では国消国産の推進、伝統食の継承や食農教育、防災や健康増進活動の展開③「かかわろう」ではJA事業・運営への参画、消費者との関係づくり――などに取り組む。
今回は、JA全国女性組織協議会創立70周年の記念大会でもある。活動を振り返ると、女性農業者の地位向上や生活改善、文化運動としての映画制作、水質汚染防止へ合成洗剤から粉せっけんへの切り替え、消費地交流、輸入自由化反対運動、高齢者福祉、地球温暖化対策など、生活者の視点から時代の動きを捉え、課題の解決に当たってきた。
また手芸や料理など趣味活動を通して心豊かな生き方を提案。社会や地域住民に常に働き掛けながら、より良い農村と暮らしを築くために仲間と共に力を合わせてきた。
JA女性組織は、農業を巡る情勢の厳しさはもとより、メンバーの減少やJA運営への女性参画が進まないといった悩みを抱える。また新型コロナウイルスの流行でさまざまな制限を強いられ、活動の手法や内容に工夫が必要となった。新3カ年計画はこうした現状を打開し、女性組織がより輝くために策定した。
コロナ下でも女性組織の取り組みはしなやかだ。手作りマスクの配布やオンラインを活用した食農教育、孤立を防ぐ配食サービスや子ども食堂など、できることに知恵を絞り、暮らしを支える。このように活動は、JAの枠にとどまらず地域に開かれているのが特徴で、女性組織の存在意義を高めている。魅力ある組織として内外に認識されることは、仲間づくりやJA運営参画の後押しになるだろう。
農業者が減る中で、女性組織の発展は地域をいかに巻き込むかが鍵を握る。農村には仕事も価値観も多様な人々が暮らす。都市住民らの田園回帰の動きもある。地域を共に盛り上げるメンバーとして彼らを取り込むことが重要だ。
さまざまな組織や人と連携し、命を育む食と農への理解を広げる。農業の価値と心豊かな暮らしを守りながら、性別や世代を超え、誰もが活躍できる地域共生社会を築く。70年間の実績がある女性組織が、けん引役になろう。活動に誇りと自信を持ち、次の10年へ向かっていこう。
編注=●はクローバーマーク