知って得 薬草百科 総合・ア行
2010年04月01日
Web版「知って得 薬草百科」は、岐阜薬科大学名誉教授の水野瑞夫氏執筆により2010年4月からスタートした弊紙掲載の同企画を再収録したものです。
水野名誉教授の紹介はこちら。
ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行・ラ行・ワ行
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ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行・ラ行・ワ行
ア 行
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写真 | 薬 草 名 | 効果・効能など |
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ア イ | 果実は消炎、熱さまし |
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赤シソ | 脳や血管の老化防ぐ |
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アカマツ | せき、高血圧予防にも |
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アカメガシワ | 胃酸過多や神経痛に |
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アキグミ | 健康薬酒に果実利用 |
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アケビ | むくみ改善 利尿剤に |
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アマチャ | 糖尿病患者の甘味料 |
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アマドコロ | 滋養強壮、肌つやよく |
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アロエ | 胃炎や外傷に効きめ |
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アミガサユリ | せき止め、鎮痛作用 |
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アンズ | 種を乾燥、せきなどに |
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イカリソウ | 酒にして強壮に効果 |
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イタドリ | せき止め、止血に効果 |
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イチイ | 葉を煎じ利尿に効能 |
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イチジク | 果実乾燥し整腸作用 |
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イチョウ | 老化防止作用で注目 |
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イヌマキ | 血流良くし胃痛にも |
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イブキジャコウソウ | 香り爽やか 鎮静作用 |
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イブキトラノオ | 口内炎のうがい薬に |
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イワタバコ | 乾燥葉煎じ健胃薬に |
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ウキグサとコウキグサ | ビタミン類が豊富 |
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ウ ド | 酒に漬けて強壮に |
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ウスバサイシン | 解熱、せき止めに効果 |
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ウツボグサ | 腹痛解消や発毛作用 |
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ウバユリ | 解熱、気管支炎治療に |
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梅 | 解熱、鎮痛、健胃を促進 |
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ウラジロガシ | 結石抑え溶解作用も |
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温州ミカン | 陳皮にして健胃効果 |
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エゴマ | 風邪による諸症状に |
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エゾウコギ | 強壮と疲労回復作用 |
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エビスグサ | 胃腸病などの健康茶 |
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エンジュ | 止血、高血圧に効果 |
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オオナルコユリ | 滋養強壮、体力増強に |
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オウレン | 繊維整腸や消炎効果も |
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オオバコ | 全草 下痢止めに効果 |
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オドリコソウ | 捻挫や腰痛の改善に |
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オニグルミ | 熟果実 擦り下ろし |
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オニユリ | 解熱、精神不安作用も |
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オミナエシ | 抗菌、解熱、腹痛にも |
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消費者庁・風評被害の実態調査 福島敬遠 過去最少に
消費者庁は26日、「風評被害」に関する14回目の実態調査の結果を発表した。放射性物質を理由に購入をためらう産地に福島県を挙げた割合は8%で、2013年の調査開始以来、最少だった。一方、食品中の放射性物質の検査が行われていることを知らない人は62%と過去最大を記録。同庁は、情報発信の強化やリスクコミュニケーションを進め、風評被害の払拭(ふっしょく)に取り組む方針だ。
調査は1月15~19日に、被災地域や首都圏、関西などの消費者を対象にインターネットで実施。20~60代の5176人から回答を得た。
購入をためらう産地は福島県が最多の8%だが、初めて調査した13年2月の19%からは年々減少している。この他、被災地を中心とした東北が6%、北関東が2%などとなった。
ただ、食品中の放射性物質の調査が行われていることを知らない人は、前年度に比べ15ポイント増加。食品の放射性物質に関する意識や理解は低下している。
井上信治消費者担当相は同日の会見で「1割弱の方が(震災から)10年たっても購入をためらうと回答されたことは非常に残念」とした上で、正確な情報発信などに引き続き取り組むと強調した。一方、産地を気にする理由で「食品の生産地を応援したい」を選んだ人が14%と過去最も多く、応援消費が広がりを見せている。井上担当相は「被災地の復興を応援するためにも、こうした地域の食品を選んで購入する動きが広がることを期待したい」と呼び掛けた。
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2021年02月27日
水流妨げるカワヒバリガイ対策 貯水池の落水や駆除剤が効果的 水生外来生物セミナーで報告 農研機構 茨城県
農研機構と茨城県は、水に住む外来生物の現状や対策を話し合うセミナーをオンラインで開いた。焦点を当てたのは、近年分布を広げ、農業用水路などで水流を妨げるカワヒバリガイ。貯水池の落水や駆除剤など、成果を上げつつある新技術を報告した。分布をこれ以上広げないためにも、駆除の実践は重要とした。
カワヒバリガイは、アジア原産で淡水に住む大きさ数センチの貝。……
2021年03月02日
米作付け意向 28都道府県 前年並み 農相「一層の転換必要」
農水省は26日、2021年産主食用米の作付け意向の第1回調査結果を発表した。1月末現在で28都道府県が前年並み傾向、19府県が減少傾向を見込み、増加傾向の県はなかった。21年産米の需給均衡には過去最大規模の転作拡大が必要だが、一部の米主産地は前年並み傾向。野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「需要に応じた生産の実現には、より一層の作付け転換の推進が必要な状況だ」と訴えた。
20年の作付面積との比較で、同省が都道府県や地域の農業再生協議会に聞き取ってまとめた。……
2021年02月27日
〈男は黙って…〉。かつてのビールの宣言文句もいまなら物議を醸すかも
〈男は黙って…〉。かつてのビールの宣言文句もいまなら物議を醸すかも。ことさら男を強調するのはいかがなものかと▼おしゃべりな人、口数少ない人。人それぞれ。別段男だから女だからと限定するのはおかしい。もちろん女性だから会議での話が長いわけでもない。ただコロナ禍で会話が減っているのは確か。知人は、長いマスク生活で「声が出にくくなった」とこぼしていた▼会話を極力しないことが良しとされるご時世である。「黙食にご協力ください」と呼び掛ける飲食店も現れた。食事の楽しさは、気心の知れた人との会話も調味料になる。例えば恋人同士が、2重マスクとアクリル板越しに、黙々と箸を運ぶ。時折、スマホのLINEで“筆談”。これではどんなごちそうでも味気ないだろう▼「賢者は黙して語らず」のことわざが示すように、日本では往々にして沈黙は美徳とされる。「沈思黙考」は、黙して熟慮するさま。不平不満を言わず黙々と働く人も好まれる。しかし「沈黙は金」も時と場合による。菅首相のご子息に絡む接待疑惑の渦中にある総務省幹部は当初「黙秘」を決め込み、会話記録が出ると「記憶力不足」と釈明した▼永田町や霞が関の住人たちには、政権を守るため沈黙を守り通せば出世する「黙約」でもあるのだろうか。
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2021年02月26日

[震災10年 復興の先へ] 風化させぬ 農家ら「語り部」 コロナ禍、交流に壁 今は辛抱…ネット活用模索
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、農業体験をしながら東日本大震災の教訓を伝えようとする農家や地域住民の「語り部」の活動が苦境に立たされている。観光や交流を自粛する動きが広がり、体験を話す機会が減少した。一方で被災の記憶を風化させないよう、活動を継続する意志は固い。インターネットを活用したツアーを検討するなど模索が続く。(丸草慶人)
福島県相馬市の沿岸部に建つ和田観光苺組合のハウスは年明け以降、数人の個人客しかいない日が続く。いつもは旬のイチゴを求める団体客でにぎわうが、新型コロナ禍で激減。1、2月は例年の3分の1にとどまる。
組合は一部の団体客向けにイチゴ狩りと合わせて、震災の経験を伝える語り部の活動をしてきたが、その機会もほとんどなくなった。
震災が発生した2011年の11月から、市観光協会が企画する復興視察研修を受け入れ、語り部を務めてきた組合長の齋川一朗さん(72)は「観光農園の収入だけでなく、震災を語る場が失われていることが残念でならない」と話す。
震災当日、津波が来るため一度逃げたが、家が気になり戻ってしまい、亡くなった人もいた。そうした実態を知る齋川さんは、イチゴ狩りに来た人に「何かあったら、とにかく逃げて」と言い続けてきた。
組合はハウス2・2ヘクタールで栽培。観光客の収入が大きく減る中、直売所での販売が主な収入源だ。「今は辛抱の時。イチゴの生産をしっかり続け、コロナが収束したら語り部を再開したい」と、齋川さんは決意する。
ツアー縮小
宮城県岩沼市。岩沼みんなのアグリツーリズム&イノベーションは、震災の教訓を伝えながら農業を体験してもらうツアーを運営する。年6回程のイベントを企画してきたが、今年は人を集めるのは避けるべきだと判断。1回にとどめた。
ツアーは13年度に始めた。津波で友人を失った経験を持つ代表の谷地沼富勝さん(45)が「被災の記憶を風化させたくない」と企画。東京都内のIT企業と連携し、首都圏からも参加するイベントとして動きだした。
地域に訪れてもらうことを重視し、定期的に農業を組み込んだ。サツマイモの植え付けから収穫までを体験してもらい、その都度、現場に来てもらう。作業の合間に、写真などを使って「災害は一瞬で命を奪う。日頃の備えや防災訓練は本当に大事」と訴えてきた。
訪れる人も多く、19年度は延べ200人が参加した。20年度は参加者を県内にとどめ、収穫作業に限定。延べ40人にとどまるも、谷地沼さんは「コロナ禍でもできることを続けたい」と前を向く。2月下旬にはIT企業の協力を得て、毎年の恒例行事だった餅つきをオンラインで配信した。
観光客激減
コロナ禍によって全国規模で観光客数が減る中、岩手、宮城、福島の被災3県にも大きな影響が出ている。観光庁によると、20年1~11月の3県の宿泊者数は1836万人。前年同期比で33%減った。減少が最も大きいのは宮城県で、同43%減の571万人。次いで岩手が35%減の375万人、福島が24%減の889万人だった。
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2021年02月26日
薬草百科の新着記事

ウ ド 酒に漬けて強壮に
ウドは日本、朝鮮半島、中国に分布します。山野に普通に見られる多年生の草本です。
採 取
根茎および根を薬用とします。秋に根茎を掘り取り、水洗いしてから、乾燥しやすいように切片か薄い輪切りにして、最初3、4日間は天日干し、次いで風通しの良い場所で陰干しします。生薬名は九眼独活(きゅうがんどっかつ)と言い、土当帰(どとうき)を用いることもあります。
使用法
成分はリモネン、ピネンなど17種類の精油、数種のジテルペン酸などが含まれています。発汗、解熱、鎮痛薬として、風邪、頭痛、歯痛、リウマチ、神経痛に用います。
生薬は1日量10~15グラムに水600ミリリットルを加えて煎じ、約半量まで煮詰めて布でこして、1日3回に分けて食前か食後に服用します。体を温める作用があるので、冷えや、寒さのために起こる頭痛などにはよく効きます。
民間では茎と根の生汁を作り、精神不安、統合失調症の緩和および強壮薬に服用します。茎葉を数センチに刻み陰干しし、浴湯料に用います。
薬用酒は果実および根を用います。果実は10月ごろ、根は10、11月に採取します。果実は水洗いしてよく水を切ったもの、根は掘り起こしてよく水洗いし2、3センチに刻み同様に水を切り、やや半乾きのもの500グラムに砂糖100~200グラムを入れてホワイトリカーを1.8リットル加えて漬けます。3カ月は熟成させます。熟成後、布でこせば黄金色のウド酒が得られ、夕食後に杯1杯を飲みます。補精、強壮の効き目があります。
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2014年09月03日

ウキクサとコウキクサ ビタミン類が豊富
ウキクサとコウキクサは池や沼、水田などに普通に見られる浮遊性の水草です。従来はウキクサ科に分類されていましたが、最近の遺伝子情報からサトイモ科に編入されました。中国ではウキクサとコウキクサの葉状体を浮萍(ふひょう)と言います。両種ともに飼料(家畜、豚、魚の餌など)、汚水浄化、市水の緑化、薬用などに利用されています。
採 取
6~9月に網でウキクサ、コウキクサをすくい上げて、混ざり物を除き、よく水洗いし、ざるに入れて時々かき混ぜながら天日で乾燥させます。乾燥させた物は生薬で浮萍と呼びます。
使用法
浮萍には酢酸カリウムおよび塩化カリウムを多量に含み、ビタミン類およびフラボノイド類、たんぱく質なども豊富です。薬理作用は強心作用と解熱作用が報告されています。
薬効として発汗、利尿、解熱、解毒の効能があり、流行性熱病、じんましん(特に発疹の出きらぬ場合)、皮膚のかゆみ、皮膚病、やけど、水腫、毒ヘビのかみ傷などに用いています。
喉が真っ赤に腫れ、熱のある風邪やむくみがあり尿の出が悪いときの利尿剤としては、1回量を浮萍4~8グラム(新鮮なものは15~30グラム)に水600ミリリットルを加えて煎じ食間に服用します。やけど、皮膚病などには、この煎液を外用します。
また急性腎炎には浮萍60グラムと黒豆30グラムを水で煎じ服用するとの記載があります。。
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2014年08月20日

サルナシ 樹液、樹皮に利尿効果
サルナシは北海道から九州までの山地に生える落葉のつる性の木です。
採 取
薬用にはつる、葉、根、果実を用います。つるは必要時に採取します。樹皮は春から夏に採取し、そのまま陰干しして乾燥させます。葉は8、9月に採取し乾燥させます。根は冬に掘り取り水洗いして乾燥させます。果実は10、11月、淡緑黄色に熟したものを採取します。
使用法
利尿に樹液および樹皮の煎剤を用います。太いつるを地上部から30~50センチで切り、切り口に容器を当てて流出する樹液を受けます。1回に30~50ミリリットルを服用します。また陰干しで調製した樹皮を刻み、1日量10~15グラムに水600ミリリットルを加えて煎じ約半量に煮詰めてこし、1日3回食間に服用します。
果実にはビタミンCが多く含まれています。昔から強壮薬として解熱、糖尿病、喉の渇き、風邪気味に1日5、6個の熟した果実を生で食べるか、乾燥した果実ならば1日量約5グラムに水600ミリリットルを加えて煎じ、1日3回食間に服用します。葉も同様な効果があり、1日量5~10グラムを煎じ、服用します。
中国では乾燥した根を刻み、1日量15~60グラムを煎じ、黄疸(おうだん)、関節痛に、また他の生薬と共に食道がん、胃がんなどに用いています。
健康酒を作るには、完熟する前の果実を用います。果実を採取したらそのまま、1.8リットルの広口瓶などに半分まで入れます。次いで砂糖50グラムとホワイトリカーを口元まで入れて冷暗所で2、3カ月熟成させます。夕食後に20~30ミリリットルを飲みます。
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2014年08月06日

クララ 根を刻んで浴湯料に
クララは本州、四国、九州に広く分布します。山野、土手などで見られる多年草のマメ科植物です。
採 取
薬用には根を用います。花が終わって8、9月に根を掘り取り、主根だけを水洗いしながらナイフでひげ根を除き、外皮を剥いで日干しで乾燥させますが、根を刻んで乾燥した方が早く仕上がります。
根にはアルカロイドのマトリン、オキシマトリンなどを含み、とても苦味が強い。名のクララも根の苦味でクラクラと目がくらむので名付けられた。生薬で苦参(くじん)と呼びます。
使用法
苦味健胃、鎮痛、解熱薬として、苦参1日量を3グラムに500ミリリットルの水で煎じ、約半量まで煮詰めたものを1日3回に服用します。また漢方処方されて用いられます。手足が火照って眠れない時に用いる、三物黄ごん湯(さんもつおうごんとう)は苦参、黄ごん各3グラム、地黄(じおう)6グラムを1日量として水600ミリリットルを加えて煎じます。煮詰めて約半量にしてから布などでこして、ろ液を1日3回食後に服用します。苦参は毒性もあり、利用時は専門家の指導を受けるようにして下さい。
水虫、田虫、あせも、床ずれ、湿疹、陰部のかゆみなどに苦参10グラムに水500ミリリットルを加えて煎じます。冷えてから患部を洗浄します。また生の根の汁を搾って、患部に塗ります。刻んだ苦参50グラムを布袋に入れて浴湯料とすれば同様の効き目があります。このように苦参は優れた外用薬です。
また農業用殺虫剤としては乾燥し細切りした茎葉300グラムに5リットルの水を加えて40分加熱煎じた液を用います。
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2014年07月24日

ナワシログミ 果実は糖尿病に効果
ナワシログミは関東以西の本州と四国、九州に分布しています。常緑の低木で、とげがあり、葉や枝、果実の表面には星状毛が密生しています。この特性はグミの仲間の区別に利用します。秋に開花し、冬を越して翌春の5、6月に赤く結実し長楕円(だえん)形の果実を付けます。リコペンを含んでいます。
採 取
薬用には果実、葉、根を用います。初夏に赤く熟した果実を採り、水洗いして日干しで乾燥させます。乾燥したものは生薬で「胡頽子(こたいし)」と言います。葉は年中採取が可能で、新鮮なままか、乾燥させ用います。生薬名は「胡頽子葉(こたいしよう)」です。根は9、10月に掘り採り、水でよく洗って切り分けて日干しで乾燥させます。生薬名は「胡頽子根(こたいしこん)」と言います。
使用法
「胡頽子」は下痢、喉の渇き、せき、糖尿病に用います。1回量の5~10グラムに水300ミリリットルを加えて煎じます。煮詰めて半量として服用します。「胡頽子根」を用いるには刻んで、1日量6~10グラムに600ミリリットルの水を加えて煮詰めて半量とし、1日3回食間にせき止め、止血、リウマチによる関節痛、感冒による頭痛、黄疸(おうだん)などに服用します。
「胡頽子葉」は、肺結核の初期や肺浸潤に用い、せき止め、止血、でき物などに「胡頽子根」と同じように煎じて服用します。新鮮なものを用いる場合の量は、乾燥させた生薬の倍量を用います。また打撲傷などの外用には煎液を用います。
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2014年06月25日

カラスビシャク 吐き気、消化不良に
カラスビシャクは、高さ約50センチの多年生草本です。春に、地中深く埋もれていた丸い塊茎から長柄を持つ3枚の葉が出てきます。
採 取
夏以降に塊茎を掘り採り、水洗いします。水と砂を入れた容器に入れてかき混ぜ ながら、芋洗いの要領で黒褐色 の外皮とひげ根を取り除きます。皮が取れてきたら、水洗いします。このとき、洗った水が皮 膚に付くとかゆくなるので注意します。水洗いが終わったら、むしろの上に広げて天日で十分に乾燥させます。乾燥した塊茎は白くて葉跡がややへこみ、根の跡も点状に見られます。生薬名を「半夏(はんげ)」と言います。
使用法
「半夏」には吐き気を鎮める優れた作用があり、喉が腫れて痛むときや、腸がゴロゴロ鳴るときに用います。用い方は1回に1.5~5グラムを煎じて服用します。「半夏」独特のえぐ味があり飲みにくいので、ショウガを加えます。漢方処方の「小半夏湯(しょうはんげとう)」は「半夏」8グラムとショウガ5グラムを水500ミリリットルで煎じます。約半量まで煮詰めてから布でこし、1日数回に分けて少量ずつ冷やして服用します。
「小半夏湯」に「茯苓(ぶくりょう)」を加えた「小半夏茯苓湯」は、つわりや諸疾患に伴う吐き気に用いると効き目があります。特に胃腸が衰えて消化不良となり、胃部に水分の停滞感があって重苦しく、尿量が極度に減少して吐物のほとんどが水分で、めまい、動悸(どうき)などを伴うような症状に適しています。
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2014年06月11日

キ リ 痔疾、打撲、やけどに
キリは落葉高木で、高さは10~15メートルです。花は5月ごろに枝の先に大型の円すい花序をつけ、淡紫色の筒状鐘形の花冠を多数つけます。
採 取
薬用部分は樹皮および枝、葉を用います。樹皮と枝はそれぞれ必要なときに採取します。細かく刻み、日干しで乾燥させます。生薬名は「桐皮(とうひ)」です。葉は6~8月に採取して水でよく洗い、刻んで天日で乾燥させ、しおれて柔らかくなったら日陰で十分乾燥させます。生薬名は「桐葉(とうよう)」です。葉汁を利用する際は生の葉を用います。
使用法
痔疾(じしつ)、丹毒、打撲傷に「桐皮」や「桐葉」を用います。生薬を刻んだものを1日量15~30グラムとして、水500~700ミリリットルで煎じ、半分まで煮詰めて1日3回、食後に服用します。やけどなどに外用するときは、「桐皮」あるいは「桐葉」10グラムに水700ミリリットルを加えて煎じ、半量まで煮詰めた液で洗います。いぼには生の葉を採り、搾ってその葉汁を患部に塗ります。その他、花は風邪、せき止めに、果実は去痰(きょたん)とせき止め、種子は止血、木質部は足の腫れ、若い根と根皮などもリウマチによる足の痛み・腫れ物に利用されています。
養毛料として用いる場合は、乾燥葉か乾燥枝を刻んだもの5グラムに水500ミリリットルを加えて煎じた液で毛髪を洗います。キリの木質部を刻み、煎じて煮詰めておいて、その液を付けても効き目があります。
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2014年05月28日

ゲッケイジュ リウマチや神経痛に
ゲッケイジュは地中海沿岸地方の原産です。葉はローレル、ベイリーフなどと呼ばれスパイスとしての需要が多く、日本には1905年ごろに渡来しています。常緑の小高木で分枝が多く、葉は長楕円(だえん)形で、傷を付けると芳香を放ちます。花は春に葉の脇に散形花序を付けます。
採 取
薬用部分は葉、果実および精油です。葉は必要なときに採取して、水でよく洗い、日干しで乾燥させ、細かく刻んで保存します。生薬名は「月桂葉(げっけいよう)」です。果実は秋に黒紫色に熟したものを採取し乾燥させます。生薬名は「月桂実(げっけいじつ)」です。
使用法
葉の芳香性の精油は「月桂油(げっけいゆ)」と呼び、抗真菌作用があります。精油成分はリナロール、オイゲノール、ゲラニオールなどを主成分としています。リウマチや神経痛に、葉を乾燥させたものを刻み、1回量として3グラムを水300ミリリットルで煎じ約半量まで煮詰めて布でこして服用します。芳香性の苦味健胃薬として用いる場合は、乾燥葉を細かく刻み粉末とします。粉末3グラムを1日量として1日3回、食後に服用します。
「月桂実」にはシネオール、ピネン、脂肪油を含みます。健胃薬として、粉末にして1回量1、2グラムを服用します。「月桂油」はリウマチ、神経痛、腫れ物、疥癬(かいせん)に塗布します。「月桂葉」には痛みを緩和する作用があるので、煎じ液を座浴に用いると、子宮やぼうこうの痛みを和らげる効果があります。
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2014年05月14日

アマドコロ 滋養強壮、肌つやよく
アマドコロは、北海道から九州の山林原野に自生する多年生の草本です。根茎は横に長く伸び、節があります。約3センチの花梗(かこう)の先に、筒状の長さ2センチほどの花を付けます。
採 取
薬用部分は根茎で、地上部が黄変し始める10、11月に掘り取ります。水洗いして細かいひげ根を除き、乾燥しやすいように縦に二つ割りしてから、日干しで乾燥させます。生薬名は「萎いずい)」で、漢方では「玉竹(ぎょくちく)」とも呼びます。
使用法
「萎ずい」は滋養強壮の効果があり、中風による足の筋肉障害を治し、色が黒くつやのない肌も明るくつやのある肌になります。これは肌の老化を抑制する作用です。
また、長寿の効き目があるといわれます。滋養強壮、胃潰瘍、胃炎、鎮咳(ちんがい)、消炎、寝汗、疲労倦怠(けんたい)などには「萎ずい」を刻み、1日量として10グラムに水700ミリリットルを加えて煎じます。ほぼ半量までに煮詰めて布などでこし、1日3回、食後に飲みます。
アマドコロ酒は「萎ずい」100グラム、グラニュー糖100グラムにホワイトリカー800ミリリットルを加えて漬けます。半年ほど冷暗所で熟成させてから布でこし、就寝前に約20ミリリットルを飲みます。
ねんざや打撲傷には「萎ずい」を刻み、さらに粉末にして食酢でよく練って患部に厚めに塗ります。キハダの樹皮から作る「黄檗末(おうばくまつ)」を適量加えて用いると効き目が強くなります。
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2014年04月30日

トウゲシバ 止血、消炎、解毒にも
トウゲシバは山地の日陰に生える常緑の多年草で、シダ植物です。ヒカゲノカズラ科に属し、日本各地に分布します。背丈は10~20センチで、根元や茎の先端部分で分枝するので、株立ちのように見えます。葉は狭皮針形、長さ15~20ミリ、幅2、3ミリで、縁に鋸歯(きょし)があります。
葉は根元から先端までらせん状に生えます。トウゲシバは峠柴の意味で、中国名の蛇足石松(だそくせきしょう)は形態から名付けられました。
採 取
薬用には全草を使います。9、10月に採取し、水洗いしてから日干しで乾燥させます。生薬名は「千層塔(せんそうとう)」です。
使用法
止血、消炎、解毒作用があります。でき物、痔(じ)による出血、筋肉の疲労回復に用いられます。「千層塔」を刻み、1日量の10~20グラムに、水600~700ミリリットルを加えて煎じ、半量まで煮詰めて布などでこしてから、1日3回食後に服用します。ただし妊婦の服用は禁止です。外用の場合は煎液で患部を洗浄します。
トウゲシバにはアルカロイドが含まれていて、そのうちフペルジンAが加齢に伴う記憶・認識力の低下やアルツハイマー型認知症を改善する可能性があると期待されています。アルツハイマー型の認知症は、脳内の神経伝達物質アセチルコリンの低下により引き起こされるもので、フペルジンAがこの低下を抑制し、認知機能を回復させ、それを維持する作用があるとされているのです。
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2014年04月16日