世界の均衡が揺らぐ

 世界の均衡が揺らぐ。キーワードは「黄金」▼EU離脱で苦境の英国はメイ首相が先ごろ中国を訪れ、総額1兆3800億円の商談に見通しを立てた。「英中は『黄金時代』を迎えている」と、首相は胸を張った。中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」にも協力を惜しまない。「黄金のリーダー」中国の習近平主席が、窮地の“大英帝国”に手を差し伸べる▼そういえば、昨年末に訪中し故宮博物院で純金の展示物を持ち上げようとおどけたトランプ米大統領も、28兆円の“土産”に有頂天だった。その米国の大統領に安倍晋三首相が真っ先に贈ったのが、黄金のドライバー。チャプリンじゃないがまるで「黄金狂時代」である▼とかく国家は「過去の栄光」にしがみつく。『新・戦争論』(文春新書)の池上彰さんの説を借りれば、ロシアはソ連領だったクリミア半島に色目を使い、中国は明時代の海洋国家を視野に入れる。仏も地中海同盟でナポレオンが支配していた地域を取り戻す夢を描く。そして力の均衡が破れ、摩擦が高まる。そういえば、前の二つの大戦前夜も緊張が高まっていた▼きょうは「建国記念の日」。「核」競争を巡ってきな臭い国際情勢に目を凝らしながら、マルコ・ポーロが紹介した「黄金の国」の未来を考える。

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