毎月第4火曜は鹿の日 365店独自メニュー PAが料理競作 北海道

2019年のエゾシカメニューコンテストで優秀賞を獲得した金山PAのラーメン「鹿辛麺(しかからめん)」(札幌市で)

 北海道は、農業や森林に被害をもたらすエゾシカを食べる活動に力を入れている。毎月第4火曜日を「シカの日」と定め、取り組みに賛同する飲食店・販売店を募集。これまで365店舗が登録し、多様な料理を提供する。高速道路パーキングエリア(PA)の管理運営会社なども鹿肉メニューのコンテストを開き、入賞した料理を提供している。(洲見菜種)
 

食害39億円打開策


 道によると、牧草、テンサイなどの農作物や森林樹皮への食害など、エゾシカがもたらす被害額は年間38億6000万円(2018年度)に上る。そこで道は、「エゾシカを『森の幸』として食べ、北海道の自然や農業を守ろう」と呼び掛けている。

 道は「シカの日」のPRのため専用のホームページ(HP)を開設。鹿肉の消費拡大に向け、「シカの日」への参加店を募った。HPでは、毎月第4火曜日をはじめ店舗が設定する期間にさまざまなエゾシカ料理を提供している店を紹介する。家庭でも調理してもらえるように、「鉄分豊富でカロリー抑えめ」など鹿肉の特徴や、部位ごとに向く料理のレシピも伝えている。

 エゾシカ肉のメニューコンテストには、道内8カ所のPAやサービスエリア(SA)の店舗が参加した。昨年で8年目を迎えた人気企画。店舗ごとに、鹿肉を使ったジャージャー麺やシチューなど異なるメニューを出品してもらい、味や見た目を競う。

 PA店舗運営会社のネクセリア東日本札幌支店は「コンテストはエゾシカの有効利用と、道外からの観光客に北海道らしい思い出を残してもらおうと始めた」と話す。

 優秀賞を獲得した金山PA(札幌市)は、普段使っている豚肉を鹿肉に変えたラーメンを提供した。

 山本たき子店長は「鹿肉の加工処理技術が向上して、もともとの肉の味がおいしくなってきた」と評価。同PAには毎年鹿肉を楽しみに訪れる客がいるものの「まだジンギスカンほどの知名度はない。もっと、鹿肉の味を知ってもらうことが必要だ」(山本店長)と強調する。
 

ハンターに助成 食肉利用24%増


 ジビエ(野生鳥獣の肉)ブームなどもあって、18年度の全国の鹿肉利用量は前年度比17・6%増の957トン。そのうち全国トップの北海道は同24%増の622トンと、続く長野、鳥取両県(48トン)に大きく差をつけている。

 道は指定する食肉加工施設へのエゾシカの搬入に対して、2頭目以降で1頭当たり8000円を支援する事業を行う。18年度は同事業を使って326人のハンターが7425頭のエゾシカを持ち込んでいる。

 今後は、指定施設の地域の偏りをなくすことや施設が定める時間内での搬入に、ハンターの協力を得ることなどが課題だ。道生物多様性保全課は「きちんと処理された安全・安心な鹿肉の提供を進め、ブランド価値を高めたい」と話している。

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