労力融通へ広域連携 繁閑差利用 就農、移住に期待 オール九州で協議会

 九州・沖縄各県のJAグループとJA全農などは28日、農作業受託会社と連携し農家の労働力を支援する九州ブロック労働力支援協議会を設立した。広域で連携し、農閑期の地域から農繁期の地域に労働力を融通する仕組みを整える。アルバイトの新規就農や移住にもつなげる。全農によると、ブロック単位で労働力支援の協議会を設けるのは全国初。地方創生のモデル事例として政府も後押しする。

 福岡市で同日、設立総会を開いた。全農を事務局に、九州・沖縄各県の中央会と全農県本部、経済連などが加わる。将来的な協力を視野に、九州電力や出光興産などの企業も参加。ふるさと回帰支援センターや日本農泊連合などの団体とも連携する。今後、各県の課題を共有し、県域を超えた労働力融通に着手する。

 地域ごとに繁閑の差があることを生かし、農閑期の地域から農繁期の地域に労働力支援ができる仕組みを目指す。

 例えば、大分県では夏秋に農作業が多いが、福岡、佐賀両県では冬春に多い。広域で連携すれば、農家の労働力需要に応えやすくなる。仕事を切れ目なく確保して、アルバイトをつなぎ留めやすくする効果も見込める。

 アルバイトは勤務日を柔軟に選べる。給与は現金日払い方式で、作業現場まで送迎。農作業に携わるハードルを下げて働き手を掘り起こし、サラリーマンや子育て世代の女性らに副業的に農作業をしてもらう。

 アルバイトから新規就農者や定住者を呼び込む狙いもある。2015年から先行して取り組んできたJA全農おおいたは「ピーマンでは、夏秋に大分県、冬春に宮崎県などと1年に2度、作業を経験できる他、複数品目の作業が体験できる」と指摘。「栽培経験を積み、品目を吟味しながら就農を目指せる」と説明する。

 政府も期待を寄せる。設立総会に出席した内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の得田啓史内閣参事官は「日本をリードする取り組みとなるよう後押ししていく」と強調。同事務局の中野孝浩内閣参事官も「人口減少対策の大きな切り札になる」と評価した。

 全農おおいた営農対策課の花木正夫課長は「外国人労働者の受け入れやスマート農業だけでは人手不足を解消できない」とし、複数地域で労働力を融通し合うことが「地方創生につながる」と見通す。全農は今後、同様の協議会を他のブロックでも設立する。
 

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