「ヤジは弁論の華」

 「ヤジは弁論の華」。大学生の弁論大会を紹介する中で小欄に書いたが、これはいただけない▼衆院の代表質問で野党議員が選択的夫婦別姓の導入を訴えた際、議場から飛んだ「だったら結婚しなくていい」、である。ヤジにもルールがあることを学生に教わった。弁論を妨害しないことと中傷しないこと。前のヤジは、氏を変えないために事実婚にした夫婦をはじめ、別姓を求める人の非難に通じる。アウトだろう▼日本で夫婦同姓が制度化されたのは122年前。家制度の具体的な姿として明治民法で定めた。戦後は、結婚する時に同姓・別姓のどちらかを選ぶ選択制を法制審が提案したり、同様の法案を野党が国会に提出したりしたが、“保守派”の反対で実現していない。世界を見渡すと同姓の義務付けは日本くらいだという▼「(改姓すると)自分個人でなくなるようで」。以前取材した女性の言葉。農家の跡取り同士で結婚し婚姻届は出さなかった。批判も耳にするが「いろいろな価値観があることを認めてほしい」。氏名は自分の人格、一人っ子同士の結婚で両家の氏を残したい、仕事に支障が出る──。別姓の理由はさまざま。多様な生き方を認めるかどうかである▼ヤジの主に金子みすゞの詩の一節を贈ろう。〈みんなちがって、みんないい〉
 

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