毎朝、刺激と感動を与えてくれる

 毎朝、刺激と感動を与えてくれる。一つの歌や句で日々が“極彩色”に輝く▼本紙1面掲載の『おはよう名歌と名句』が来月中旬、4300回の大台に。手元にある切り抜きを読み返すと、改めて詠むことは考えることだと実感する。日曜日を除く毎日連載で、選者の鋭い眼光には驚く。毎回、縦横無尽にテーマを選び有名な作者に加え市井の詠み人も登場し飽きない▼昨春、小欄の“隣”に引っ越してきた。だから、詩歌を取り上げる時に“隣家”の選者はどう読み解くのか、正直言って戦々恐々の思いも募る。『おはよう』の掲歌・句に通底するのは心の声に耳を澄ますこと。すると、詠み人の文字が歩き出し読者の胸深くに届き響く。まだ眠りから覚めぬ頭脳を揺さぶり、寝ぼけ眼を開かせくれる存在であろう▼思い出深い作をいくつか。〈氷柱より光のぬけてゆくところ〉山口昭男。〈いちはやく 群がり萌(も)ゆる貝母(ばいも)の芽 おまへも吾(われ)も きさらぎ生まれ〉小谷稔。前句は春隣を捉えた。北国の春の訪れは光の弾みから。選者、宮坂静生さんは地域に根差した「地貌(ちぼう)季語」の提唱者。短歌の貝母はユリ科の花▼きょうは〈うすい〉と読む「雨水」。思わず子規の〈くれなゐの 二尺伸びたる薔薇(ばら)の芽の 針やはらかに 春雨のふる〉の秀作が浮かぶ。
 

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