種苗法改正案を了承 農家負担減で指摘 自民農林合同会議

 農水省は18日、今国会に提出する種苗法改正案を自民党農林合同会議に示し、了承された。品種登録時に利用条件を付け、優良品種の海外流出や育成した地域以外での栽培を制限できるようにするのが柱。悪質な違反には個人で最大1000万円、法人で同3億円の罰金を科す。品種登録した農産物(登録品種)の自家増殖は許諾制にする。

 改正案では、品種登録の出願時、輸出してもいい国や国内で栽培を認める地域を指定できるようにする。条件に反した海外への持ち出しや指定地域外での栽培は育成者権の侵害となり、差し止めや損害賠償を請求できる。悪質な違反には、10年以下の懲役か罰金1000万円(法人は3億円)以下の刑事罰を科す。

 農家が収穫物の一部を種苗として使う自家増殖は、登録品種に限り、育成者権者の許諾を必要とする。手続きが円滑にできるよう、同省はひな型を作成し、JAなどによる団体申請も可能にする考えを示した。

 在来種や品種登録されたことがない品種、品種登録期間切れの品種に当たる「一般品種」は従来通り、農家の自家増殖を制限しない。同省によると、一般品種が米では全体の84%、ミカンでは98%を占める。

 現行法では、植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV)加盟国には、登録品種でも持ち出し可能だ。海外での無断栽培や、日本産の輸出品との競合が問題となっていた。農家による自家増殖は認められていたが、増殖後の海外持ち出しは現行法でも違法。同省は、増殖の実態を把握しないと抑止できないとして、自家増殖を許諾制にする必要性を説明した。

 改正案は、同省の有識者検討会や同党の提言などを踏まえて策定した。合同会議では「品種を守るのは重要だが、農家の事務や費用の負担が増えないようにしてほしい」(山下雄平氏)といった意見が出た。

 同会議では、和牛の精液などの不正流通を防ぐための新法・家畜遺伝資源の不正競争防止法案と家畜改良増殖法改正案の条文も了承した。
 

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