[新型コロナ] 果樹産地で人手不足 収穫できるか不安… サポーター県外断念し市内で募集懸命 山形県村山市のサクランボ農家

6月の収穫を前に、サクランボの摘果に励む農家(山形県村山市で=同市提供)

 6月から収穫や摘果作業を迎える果樹産地で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う人手不足への対応が本格化している。サクランボの産地、山形県村山市は、収穫などを手伝う「さくらんぼサポーター」の県外からの募集を断念し、市民や市内の全企業、個人事業主に緊急募集を始めた。かんきつの産地、愛媛県のJAえひめ南ではアルバイトの受け入れを一時停止して要員確保策を探る他、青森県でも状況を見ながら、リンゴの葉取り、収穫が始まる秋の人手不足を想定して対応を協議する。

 「個人で人を見つけるのは、もう限界にきている」。村山市のサクランボ農家、笹原恭治さん(77)は、悩みを打ち明ける。さくらんぼサポーターの県外からの募集停止は4月中旬、市の担当者から知らされた。

 「サポーター」は2007年、高齢化などを背景に県内だけでは収穫期の人手が確保できなくなり、村山市が援農事業として県外の人を主な対象に募集を始めた。

 例年は6月中旬~7月上旬、2泊3日か4泊5日で収穫や箱詰め作業を手伝ってもらう。19年は農家11戸を手伝った107人のうち9割を超える100人が県外からで、その8割が2回以上の参加経験があった。隣県の宮城県が69人と最多で、東京都、神奈川県、大阪府からの参加者もいた。

 サクランボの収穫期は短く、適期収穫を逃せば、売り上げの低下にもつながりかねない。栽培面積を少しずつ広げてきた笹原さんは、地元の人たちに収穫を手伝ってもらっていた。しかし、高齢化で来られなくなる人が増え、今ではサポーターを頼りにしている。「彼らがいないと収穫できない果実も出てくる可能性がある」と言い、知り合いの企業に社員を派遣してもらうことも考えている。

 村山市は、農家からの聞き取りで、収穫期には長期で少なくとも30人前後が必要と判断。休業や休職を余儀なくされている人とのマッチングを探るため、市内の全企業などへ文書を送付した。5月発行の広報誌でも広く募る。

 市の担当者は「サクランボは手取りのため、傷みやすい。収穫適期にうまく人が集まってくれるかどうか」と気をもむ。
 

ミカン・リンゴ 要員確保策探る


 JAえひめ南は4月、県内外の「みかんボランティア・アルバイト」の募集を一時中止した。ミカンの摘果が始まる7月まで募集中止が続けば、100人近くの人手が足りなくなると想定している。JAは、農業資材の活用推進や行政などと要員確保の方策を探る。

 日本一のリンゴの産地、青森県では、「葉取りや収穫が始まる9月以降も人手不足が続くのでは」との不安が広がっている。19年は県内企業の社員による援農ボラティアなどがあったが、今年は見通せない。JA青森中央会は、今年のボランティア受け入れは状況を見ながら「関係者と協議する」としている。
 

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