米がつないだ30年ぶり再会 青年部の食農交流が縁 山形県酒田市

四家さんの母享子さんが当時、写真と感謝のメッセージを添えて送ったアルバムを手に、思い出を話す佐藤さん(山形県酒田市で)

 JA庄内みどり青年部が、旧酒田農協時代の1991年から続けている首都圏児童との食農交流イベント「田舎まるかじりツアー」で、初回に参加した当時の横浜市の児童が、宿泊先の青年部員と約30年ぶりに電話越しに“再会”した。ご飯のおいしさが忘れられず、当時の感動をぜひ伝えたいと、両親の遺品を手掛かりにJAに相談し、念願を果たした。
 

「佐藤さんのご飯、忘れられず」JAに連絡


 “再会”したのは、現在は東京都内在住の四家義正さん(39)と、当時、青年部委員長だった酒田市本楯地区の佐藤光寿さん(64)。

 「田舎まるかじりツアー」は、今でも続く青年部の食農教育活動の一つ。首都圏の児童がJA管内を訪れ、青年部員の家に分宿しながら農業を体験し、自然と触れ合うイベントだった。小学5年生だった四家さんは母親の享子さんと参加し、水稲栽培と養豚を営む佐藤さん宅に3日間宿泊した。

 四家さん親子は、佐藤さん宅で食べた「ササニシキ」のご飯のおいしさに感動。ツアー終了後に書いた手紙の中で、享子さんは「佐藤さん宅でのご飯の味、忘れられそうにありません」と記した。

 

佐藤さんとの念願の“再会”をかなえた四家さん(本人提供)
 四家さんも「いつかまた佐藤さんの米が食べたい」と願っていたが、両親が相次いで他界。連絡先が分からなくなり、諦めていたが、両親の遺品を整理していたところ、当時の写真と佐藤さんの名前が書かれた紙を発見。7月上旬、JA庄内みどりに相談した。

 問い合わせを受けたJAの広報担当者は、ツアーの事務局に、佐藤さんの連絡先を確認。JAから連絡を受けた佐藤さんと四家さんは数日後、電話越しに“再会”し、当時の思い出やこれまでの互いの人生、近況などの話題に花を咲かせた。佐藤さんは、四家さんに特産米「はえぬき」を送った。

 四家さんは現在、医師を目指し、大学医学部で勉強中。「田舎まるかじりツアー」で学んだ食の大切さは医学を学ぶ上でも生かされているという。

 四家さんは「佐藤さんの家で食べたご飯に感激したことを忘れられずにいた。やっと佐藤さんと話ができてうれしかった。送ってもらった『はえぬき』をいただき、『こんなにおいしいご飯は食べたことがない』と、妻と2人でまた感激した。佐藤さんの農業を、これからも応援していきたい」と話した。

 佐藤さんは「とても懐かしかった。四家さん親子にとって、一生忘れられない思い出になっていたことが本当にうれしかった。青年部の活動が四家さんの心に生き、ご飯の味が人と人をつないでくれた。今はまだ新型コロナウイルスで会うのが難しいが、収束したらぜひお会いしたいと伝えた」と笑顔を見せた。
 

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