野上農相インタビュー 米の輸出 強力に促進 スマート化で人手不足対応へ

インタビューに応じる野上浩太郎農相(18日、東京・霞が関の農水省で)

 野上浩太郎農相は、日本農業新聞など報道各社のインタビューで「米の輸出を強力に促進していく」と述べ、各国の需要を踏まえた市場開拓などを進める考えを強調した。菅義偉首相が重視するデジタル化を巡り、スマート農業の普及や補助金手続きのオンライン化を急ぐ方針も示した。

 ──農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする目標に向け、どう取り組むか。

 輸出は農林漁業者の所得向上に向けた戦略の一つ。和牛の増頭や輸出向けのリンゴやブドウ、緑茶の生産基盤強化など、あらゆる施策を講じる。

 ──米の輸出拡大は。

 国内の米需要は減少しているが、海外の和食市場は拡大している。水田のフル活用や生産基盤の維持のためにも、海外需要を取り込んだ米の輸出拡大は極めて重要だ。輸出向けの米の作付けや、パックご飯・米加工品の市場拡大、中国などへの輸出規制の緩和に向けた働き掛けも不可欠だ。

 ──20年産米は需給緩和の懸念がある。

 米政策の基本は、自らの経営判断による需要に応じた生産販売だ。生産者はしっかり考えて、適切に判断してほしい。

 ──飼料用米に対する水田活用の直接支払交付金の交付水準が高過ぎるという指摘がある。

 適正なものだ。

 ──農地所有適格法人の議決権要件の緩和を求める声が出ている。

 農業現場には企業が農業から撤退したり、農地を転売されたり、産業廃棄物の置き場になったりすることへの懸念がある。慎重に検討していく必要がある。農地は農業生産の基盤であると同時に、地域にとって貴重な資源だ。食料安全保障、食料自給率向上の観点から、国としてもしっかり守っていく責任がある。

 ──国家戦略特区の兵庫県養父市では、一般企業の農地取得を21年8月末まで認めています。延長をどう考えるか。

 特区の実績を踏まえて取り扱いを検討する。

 ──農業分野でどうデジタル化を進めるか。

 高齢化や労働力不足に対応し、農業を成長産業にするにはデジタル化は不可欠。データを活用したスマート農業の現場実装を進める。補助金などの手続きのオンライン化や、スマートフォンアプリによる情報提供・収集を進める。デジタル庁とも連携したい。

 ──食料安全保障の強化にどう取り組むか。

 輸出規制の影響は限定的で、国内の食料供給に大きな問題は発生していない。一方、世界の人口増加で食料需要が増え、大規模な自然災害や病害虫など食料供給を巡るリスクは多様化している。食料の需給動向を把握・分析し、国内の生産基盤の強化で安定供給の確保に対応する。食料・農業・農村基本計画を着実に実現させていく。
 

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