特定生産緑地移行 都市農業振興へ勝負の一年 行政と連携集中対応 JAグループ
2021年01月21日

管内の生産緑地を確認するJAはだのの担当者ら(神奈川県秦野市で)
30年間の営農継続などの条件で税制優遇措置を受ける生産緑地の多くが2022年に指定30年を迎える。JAグループは都市農業振興に向け、同措置を引き続き受けられる特定生産緑地への移行を進める考え。指定30年を過ぎると移行はできないため「21年の取り組みが鍵を握る」とし、JAに集中的な対応を呼び掛ける。神奈川県のJAはだのは管内の農地保全を目指し、申請支援に力を入れる。(石川知世)
秦野市内の生産緑地は約100ヘクタール。……
秦野市内の生産緑地は約100ヘクタール。……
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20年度全国農大校プロジェクト 大臣賞に田中さん(大阪)
全国農業大学校協議会は24日、2020年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・意見発表会の結果を発表した。最高位の農水大臣賞には、大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校2年の田中麻綾さんの「『高齢者生きがいづくり』につながる、高齢者によるぶどう栽培方法の検討」が輝いた。
田中さんは生きがいを持った高齢者が減少する現代で花蕾(からい)から大きな房ができる喜びは心を豊かにするきっかけになると考えた。……
2021年02月25日

[未来人材] 37歳。古き良き水ナス探求 10年かけ種“里帰り” 栽培技術の確立挑む 大阪府貝塚市 北野忠清さん
昔の水ナスはもっとおいしかった――。大阪府貝塚市の北野忠清さん(37)は祖父のこの言葉をきっかけに、同市を含む泉州地域の特産「泉州水なす」の原点となる水ナスを探し当て、生産の仕組みづくりに力を注いでいる。約10年かけて新潟県から種の「里帰り」を実現。絶滅したと思われていた水ナスを未来につなごうと、種の固定化や栽培技術の確立に挑む。
「今の水ナスと昔の水ナスは違う」。IT関連会社を退職し、祖父と一緒に「泉州水なす」の栽培に励んでいた2008年ごろ、たびたび祖父が口にしていた。品種改良が進む前は赤紫色の巾着形で、今より皮が薄く甘味が強かったという。
北野さんは「昔の水ナス」を突き止めようと調査を開始。生産者や研究者、学芸員ら50人以上に聞いて回った。自家採種した種も分けてもらい、20種類以上を栽培したが、「泉州水なす」になっていたり、芽が出なかったりと、ことごとく失敗。「本当になくなってしまっているのでは……」と不安が募った。
諦めかけていた16年、新潟で「昔の水ナス」が見つかったとの知らせが舞い込んだ。畑に駆け付けると、色、形、食味、全てが祖父の話に合致した。栽培の難しさから、新潟の生産者もあと1年遅ければ、やめていたかもしれないという。祖父が亡くなってからちょうど1年後だった。祖父が引き合わせてくれたとしか思えなかったという。
最初は種の提供を断られたが、熱い思いが通じ、17年に種の“里帰り”が実現。ぬか漬けにするとパイナップルのような風味になることから「フルーツ水なす」と名付け、栽培しながら採種や選抜を進める。気候で形が変形しやすいなど課題は多いが、「祖父たちが作ってくれたブランドにぶら下がるだけでは駄目。100年後も維持できるブランドをつくりたい」。
「泉州水なす」のブランド強化だけでなく、新規独立就農者の育成や、消費者が生産現場に触れるきっかけづくりにも精を出す。既に研修生7人が独立を果たし、年間約150人の援農ボランティアも受け入れる。「農業に対するハードルが高過ぎる。もっと間口を広げていきたい」。農業の明るい未来が芽吹くよう、今日も“種”を落とす。
農のひととき
収穫した「泉州水なす」は、煮びたしや生のままサラダとして食べるのが一押し。昨年10月からは本格的に「農Tuber(ノウチューバー)」としても活躍する。「情熱!ファーマーズ!」と題したチャンネルで、土づくりなどの生産現場や新規就農希望者へのメッセージなどを配信。他にも、苗の早植え対決や農園スタッフによる「ドッキリ」など、企画立案に頭をひねる毎日だ。
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2021年02月21日
基盤、感染症の対策を 食料安保で初会合 農水省有識者委
農水省は19日、食料安全保障の強化に向けた施策を策定するため、有識者でつくる「食料安全保障アドバイザリーボード」の初会合を開いた。国内外の食料需給の変化や新型コロナウイルスの影響などを受けて設置。6月までに取りまとめる。同日は、国内の生産基盤の強化や、人と家畜に共通する感染症への備えが必要との意見が出た。
政府は昨年末、農政改革の基本方針「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂。……
2021年02月20日
国産麦に過剰感 増産に出口戦略不可欠
食料自給率の向上を目指して政府は、小麦など国産麦類の増産の旗を振る。しかし2年連続の豊作で過剰感があり、価格にも影響が出ている。麦作の安定には、新たな需要を開拓する出口対策が急がれる。
農水省によると4麦(小麦、二条大麦、六条大麦、裸麦)の作付面積はこの数年微減または横ばいだが、2019年産は豊作で、収穫量は小麦が前年産比36%増の103万7000トン、大麦・裸麦が同27%増の22万3000トンだった。20年産も豊作で、例年より国産在庫が多い。
過剰感は価格にも影響。全国米麦改良協会のまとめによると昨年9月の21年産国産小麦の播種(はしゅ)前入札では、平均落札価格が前年産比12・8%安と、上げ基調から一転した。輸入麦の価格低下にも引っ張られた。大麦・裸麦も販売で苦戦。二条大麦も、1月時点で「精麦業者などが19年産の在庫を抱え、20年産の荷がまだ動いていない」(JA関係者)という。
一方、食用麦は小麦で約9割、大麦・裸麦で約8割を輸入している。食料・農業・農村基本計画で政府は、30年度までに小麦を108万トン(18年度76万トン)に、大麦・裸麦を23万トン(同17万トン)に増やすとの生産目標を定めている。しかし、21年産でも過剰感が解消されなければ、今秋播種する22年産の作付けに影響しかねない。官民挙げて、輸入麦から国産への切り替えを強力に進めるべきだ。それには需要と供給のミスマッチの解消が求められる。
例えば小麦。タンパク質含有量の高い順にパン用(強力粉)、中華麺用(準強力粉)、うどんなど日本麺用(中力粉)、菓子用(薄力粉)に分かれる。国産は8割強で中力粉、薄力粉向け品種が栽培され、消費量の多い強力粉、準強力粉向けは少ない。輸入麦との価格勝負は難しく、需要に応えられる生産・供給体制の構築が必要だ。
中華麺用の福岡県の硬質小麦「ラー麦」(品種名=「ちくしW2号」)は、実需と一体で県や産地が栽培技術を確立したことで新たな需要を開拓した。生産が拡大するパン用小麦も同様だ。健康志向の高まりで裸麦やもち性大麦(もち麦)の需要も伸びている。需要を見極めた品種・品目の選定と、それに応じた栽培技術の導入が麦作経営を安定させる常道である。
西日本では、米麦・大豆を柱とする土地利用型農業を集落営農組織が担う地域が多い。21年産米では主食用米からの品目転換に加え、酒造好適米の減産も重くのしかかる。過剰感から麦類の生産意欲も低下することになれば、大規模な不作付けが起こりかねない。
政府は、需要を捉えた生産拡大と安定供給の実現に向けて「麦・大豆増産プロジェクト」を推進。団地化と営農技術の新規導入、備蓄倉庫の整備、産地と実需とのマッチングや新商品開発などを支援する。成果を早期に上げることが重要だ。
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2021年02月22日

こうじ甘酒「飲むつや姫」 山形県酒田市
山形県のJA庄内みどりの子会社、みどりサービスの食品部門マルノー山形が製造・販売する全量こうじ仕込みの甘酒。自社手作りの山形県産「つや姫」の米こうじ100%にこだわり、砂糖や添加物を一切使わず、鳥海山からの湧水「氷河水」で仕上げた。癖がなく、すっきりした甘さと滑らかな口当たりは、甘酒が苦手な人にもお薦めできると好評だ。
飲み切りやすい瓶タイプと保存に便利なパウチ包装タイプの2種類あり、瓶タイプ(170ミリリットル)は270円、パウチタイプ(300ミリリットル)は551円。同社のネットショップでも購入できる。
問い合わせはみどりサービスマルノー山形(食品部門)、フリーダイヤル(0120)523104。
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2021年02月22日
JAの新着記事

長く働ける職場 評価 看護効率化アワード 最高賞 JA広島総合病院
JA広島総合病院(広島県廿日市市)は、日本看護協会の2020年度「看護業務の効率化 先進事例アワード」で応募のあった全国56施設の中から最優秀賞に輝いた。時間外勤務が多かった手術室看護師の勤務体制整備と人材育成、配置の改善に取り組み、1カ月の平均時間外労働が、約4分の1となった。2割ほどあった離職率もほぼなくなり、負担軽減や働き続けられる職場環境づくりが高く評価された。
残業・離職大幅減 体制整え人材育成
同病院は地域の急性期医療を担い、手術件数が多い。17年度、5600件以上の手術を23人の看護師が担当した。時間外勤務が常態化し、若年層の離職率の高さが問題になっていた。
時間外勤務の主因だった待機勤務を減らすため、手術室看護師を2倍以上に増員し、夜勤2交代制を導入した。手術室と病棟との担当者の異動を活発にして、緊急の手術に対応できる看護師を増やすことで、手術室看護師の負担を減らした。
人材育成では2、3年かけて全手術に対応できる看護師を育てる方針を変え、診療科を3グループに分けてスペシャリストを育てる体制をつくり、育成時間を約6カ月に短縮した。
17年度と20年度を比較してみると、月平均の時間外勤務は32・5時間から8・5時間となった。離職率は19%から2%に減った。有給リフレッシュ休暇取得率は65%から100%に向上。以前は退職理由の70%を占めていた「違う環境を求める」はゼロになった。
馬場崎喜美子看護部長は「組織全体での取り組みが評価されてうれしい。成果を生かし、職員に加えて患者や家族も幸せになれるよう努める」と、満足度向上に意欲を語った。
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2021年02月25日

特定生産緑地90%へ 所有者に周知徹底 三鷹市と連携 JA東京むさし
JA東京むさし三鷹地区と三鷹市は、農地保全を積極的に進め、より多くの生産緑地が特定生産緑地に指定できるよう取り組んでいる。2020年12月の同市の特定生産緑地指定面積は77・8ヘクタールで、指定率に換算すると64%。現在同市へ申請している15・6ヘクタール分を含めると指定率77%となる。市は「最低でも指定率90%以上を目指したい」と意欲的だ。
JAと市は特定生産緑地の指定率を高めるため、18年から協議検討を進めてきた。……
2021年02月25日

産地直送サイト開設 巣ごもり需要に焦点 JAグループ高知、県など
JAグループ高知、高知県などで構成する高知県直販流通外商拡大協議会は、県産農産物の販売サイト「とさごろ」を開設した。「土佐の旬の食べごろ」をコンセプトに、JAが取り扱う県産の新鮮な野菜や果物、加工品などを産地直送する。
「とさごろ」は、食べ比べ企画など特集コンテンツで商品の魅力を伝える他、JA高知県のホームページと連携。JAは「品目やレシピのサイトなどからスムーズに販売サイトに誘導し、消費者の『食べたい』欲求から『買いたい』につなげたい」としている。
贈答用から家庭用、業務用まで幅広い用途に応じた農産物や加工品などをそろえていく。コロナ禍による消費者の“巣ごもり需要”の高まりにも対応する。
JA営農販売事業本部特産販売課の山下三鈴課長は「年間を通じて魅力的な商品を取りそろえ、県産農畜産物のブランド力を高めていきたい」と語る。
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2021年02月25日

花店 金融 一体店舗オープン 大学がデザイン協力 新ビジネスモデル挑戦 大阪・JA北河内
大阪府のJA北河内は、花の販売と金融の機能を一体化させた全国でも珍しい新店舗を門真市にオープンさせた。店舗デザインは連携協定を結ぶ大学に依頼。従来のJAが持つ機能やサービスの在り方を見直すことで、より多くの人が集まり、地域の拠点として親しまれる店舗を目指す。
コンセプトは「花屋の中に金融機能を持つ店舗」。……
2021年02月24日

ジュース寄贈に感謝の手紙続々 静岡・JAみっかび
【静岡・みっかび】静岡県のJAみっかびは昨年、新型コロナウイルス禍での医療従事者や子どもたちを応援しようと特産の温州ミカンのジュースを各所に贈った。そのお礼として感謝の手紙や……
2021年02月22日

「仙台牛」盛り上げよう 統一ジャンパー作製 JA全農みやぎ
【宮城】JA全農みやぎは、宮城県のブランド牛「仙台牛」の若手肥育農家が集う「仙台牛Revolutions(レボリューションズ)」の統一ジャンパーを作製した。新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続き、後継者不足も懸念されている中で、全農みやぎと担い手が一丸となって「仙台牛」のこれからを担っていくことへの証しとして企画した。
ジャンパーには、牛の絵と、……
2021年02月22日
コロナ下、食料安保を 「国消国産」議論 全中シンポ
JA全中と共同通信社は19日、新型コロナウイルス下での食料安全保障に関するシンポジウムをオンラインで開いた。コロナ禍が国内外にもたらす影響を確認し、食料安全保障を生産から消費までの流れ全体で考える重要性で一致。消費者ニーズに合致した農産物を生産することで、国内で必要なものを国内で作る「国消国産」が広がる可能性などを議論した。
全中の中家徹会長は、あいさつでコロナ下の農産物の輸出規制に触れ「私たちの食の危うさが浮き彫りになった」と強調。国消国産の推進を訴えた。……
2021年02月20日

JA鳥取中央 コロナ感染時の出荷手引 安定供給へ支援策
JA鳥取中央は、新型コロナウイルス対策で県内初となる農産物出荷者向け感染時対応マニュアル(農業者版BCP)を作成した。生産者や家族が感染しても、迅速な初期対応で安心して営農できる体制を整え、消費者へ継続した安定供給の実現を目指す。JA生産部に加入し、農産物を出荷する約2200人に配布する。
マニュアルは県中部農林局、倉吉保健所の監修で作成した。……
2021年02月20日

佐賀県産デコポンスイーツいかが? 全農直営6店でフェア
佐賀県産デコポンを使った「デコポンスイーツフェア」が18日、JA全農の直営飲食店舗6店舗で始まった。各店舗でパフェやタルトなど佐賀県産「デコポン」を使用したオリジナルのメニューを提供する。
「みのりみのるキッチン ecute品川店」(東京都港区)では糖酸バランスに……
2021年02月19日
中核人材研修受講の7人 JAの課題に提案 全中
JA全中は18日、JA戦略型中核人材育成研修の全国研究発表会をオンラインで開いた。同研修を受けたJA職員7人が、JAの課題解決への提案を発表した。農業振興や葬祭事業を通じた組合員との関係強化などに関する提案があった。
同研修は各県域の中央会が開き、JA職員が事業戦略や理念に……
2021年02月19日