サツマイモネコブセンチュウ 対抗植物栽培も有効

サツマイモネコブセンチュウの寄生により生じたキュウリの根こぶ

特 徴


 寄主植物は700種以上に及ぶ。世界的に最も重要な植物寄生性線虫で、連作障害の大きな生物的要因の一つとなっている。メロン、キュウリ、スイカなどのウリ科作物、トマト、ナスなどのナス科作物で被害が大きく、減収や枯死を招く。サツマイモ、ニンジン、ジャガイモなどの根菜類では、減収に加え、外観の悪化などにより商品価値を失う。

 関東以西から沖縄まで広く分布し、生育適温は25~30度で、地域により年に3~5世代を経過する。卵からふ化した2齢幼虫(体長約0.4ミリ)は根の先端部から侵入し、径1、2ミリの根こぶを作る。集中的に加害を受けた部位はさらに肥大する。トマトのネコブセンチュウ抵抗性遺伝子を打破する系統が各地で発生し、問題となっている。
 

防 除


 農薬による防除では、作付け前に土壌にD―Dやクロルピクリン、ダゾメットなどの土壌薫蒸剤や、ホスチアゼートやオキサミル、カズサホスなど粒剤タイプの殺線虫剤を処理する。耕種的防除法としては、非寄主作物であるイチゴやラッカセイの輪作体系への組み込みや、マリーゴールド、クロタラリア、ソルガムなどの対抗植物の利用も線虫密度を下げるのに有効だ。

 また、太陽熱、熱水、湛水(たんすい)、土壌還元による土壌消毒も線虫防除効果が高い。

(農研機構・九州沖縄農業研究センター難防除害虫研究チーム・上席研究員・岩堀英晶)
 

注 意


・記事中の農薬は掲載日時点の登録薬剤です。
・筆者の役職は当時の役職です。
・掲載日:2009/11/19

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