アリモドキゾウムシ 根絶防除で拡大防ぐ

アリモドキゾウムシの成虫

特 徴


 アリモドキゾウムシは、熱帯地域を起源とする世界的な重要侵入害虫。成虫、幼虫ともに、主にサツマイモの茎葉と塊根を加害する。成虫の姿が一見、アリに似ており、和名の由来となっている。

 国内では南西諸島の一部と小笠原諸島だけに分布しており、植物防疫法によってサツマイモを含むヒルガオ科寄主植物を本種の未分布地域へ持ち込むことが厳しく制限されている。物流の増加や近年の温暖化傾向によって九州・四国での一時的な発生が繰り返されており、本土地域への侵入・定着が懸念されている。

 成虫は体長7ミリ程度、乳白色・ウジムシ状の幼虫がサツマイモ塊根内部を食害すると独特の異臭と苦味が生じ、食用はおろか、家畜の飼料や加工用原材料としても利用できなくなる。
 

防 除


 本種が1匹でもいる限り、サツマイモを自由に移動できないため、根本的な対策は根絶防除しかない。鹿児島県と沖縄県では、膨大な労力と経費をかけて、不妊虫放飼法を用いた本種の根絶防除事業が行われている。

 未分布地域では、性フェロモントラップを用いた侵入警戒調査によって、侵入をいち早く検出する。万一、侵入した場合は、侵入源の特定、寄主植物除去、薬剤防除などの緊急対策を公的機関が迅速に行うことが求められる。

(農研機構・中央農業総合研究センター病害虫研究領域上席研究員・守屋成一)
 

注 意


・記事中の農薬は掲載日時点の登録薬剤です。
・筆者の役職は当時の役職です。
・掲載日:2012/1/20

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