カラスをだませ ドローンとロボ “会話”再生、追い払い 総合研究大学院大が開発へ

スピーカーを内蔵したカラスの剝製。今後、首を動かすなどのロボット化を進める(神奈川県葉山町で)

 カラス形のドローン(小型無人飛行機)とロボットから流す鳴き声を、野生のカラスに聞かせて本物の“会話”と勘違いさせ、別の場所に誘導する忌避装置の開発に、総合研究大学院大学が乗り出した。ドローンとロボットに搭載する人工知能(AI)で野生カラスの鳴き声を聞き分け、近づいたのに合わせて警戒や逃避など数パターンの鳴き声をスピーカーで再生する。実用化できれば、収穫前の果樹園や感染症リスクが高い時期の牛舎などの被害予防対策も期待できる。シンガポール国立大の末田航氏と共同研究で、3年後の製品化を目指す。 

 開発を進める同大の塚原直樹助教によると、カラスの鳴き声は警戒や逃避、威嚇などの行動ごとに数種類に分かれるという。威嚇する場合、濁った声を攻撃的に短く繰り返し、逃避する場合は高い声を緩いペースで発する。カラスの数種類の鳴き声や人工音声を組み合わせ、順番に流すことで、追い払いや誘導など一部の行動をコントロールできることが分かっている。
 

“2羽”連携させ


 知能が高いとされるカラスを持続的にだますため、カラスに似せたドローンとカラスの剥製にスピーカーを入れ込んだロボットの“2羽”を開発してきた。今後、野生カラスの鳴き声の感情を聞き分けるAIを搭載し、上空と地上の双方向の会話で、追い払う仕組みを作る。

 これまでにも、カラスが恐怖を感じたときに出す声だけを使い、追い払う装置はあった。一時的には忌避するものの、効果が長続きしないという課題があった。「カラスは鳥の中でも高度な知能を持つため、周囲の環境にそぐわないとすぐに見破ってしまう」(塚原助教)ためだ。
 

AIが状況判断


 AIで状況に合った鳴き声を選ぶことで仲間のカラスが発信した情報と勘違いさせ、慣れることを防ぐ。

 塚原助教は「果樹などは収穫の直前ほど被害を受けやすい。実用化し、農作物の被害軽減につなげたい」と力を込める。

 ドローンが飛行可能な地域で、カラスの農作物被害に苦慮する実証試験地の募集もしている。 (竹内啓太)

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