有機JAS 生産拡大へ資材追加 東京五輪の需要見込む 年度内に農水省

 農水省は、有機農畜産物の生産に使える生産資材を増やす。使える資材を定めた「有機JAS規格」を今年度内にも見直し、環境や健康に悪影響がない肥料や農薬を追加する。有機農産物の需要は高く、2020年の東京五輪・パラリンピック大会の食材でも積極的に利用される方向。必要な資材を手に入りやすくし、生産拡大を急ぐ。

 今回の見直しでは、有機農産物に使える肥料として、食品工場以外で出た油かすの使用も認める。育苗用に限っていた泥炭を、野菜や果樹栽培の水素イオン濃度(pH)調整目的で使用できるようにする。

 きのこの菌床に使う米ぬかやふすまは有機米や有機麦で生じたものに限定したが、化学処理をしていないものの使用を認める。追加資材は入手が難しい場合に限って認める。国際基準では、有機生産に必要不可欠で環境や健康への悪影響がない資材を各国が追加できることから、生産現場から要望を踏まえて決めた。

 有機の牛肉・生乳生産に使える飼料の範囲も拡大し、生産者が有機畜産に取り組みやすくする。

 現在使用を認めている有機JAS飼料の生産量は640トン程度と少ない。引き続き有機JASに格付けした飼料を使うことが基本だが、米国や欧州連合(EU)など日本が同等と認める国の格付け飼料も有機飼料として使えるようにする。

 同省の昨年度の調査では、消費者の8割超が有機食品を現在購入またはその意欲があるとし、ニーズは高い。有機食品を積極的に扱う外食業者も増えているが、生産量は横ばい。有機農産物の生産量は約6万トンで全体の1%に満たない。有機の肉牛・乳用牛は500頭程度にとどまる。

 東京五輪では、選手村などで使う食材の調達基準案でも有機農産物の利用を推奨しており、生産拡大が急務となっている。

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