2ヘクタール田で流し込み施肥 作業時間ゼロに 全農

2ヘクタールの水田に硝化抑制剤入りの尿素液肥を流し込む様子を確認する桑添さん(9日、宮城県大崎市で)

 JA全農は9日、宮城県大崎市にある1枚2ヘクタールの大規模水田で、元肥にも使える新しい液肥を流し込む試験を行った。タンクに液肥を入れ、水田の入水時に水口の近くへ専用機器を置くだけで、施肥作業がゼロになる。全農営農・技術センターは「担い手向けにタンクローリーで水田に設置したタンクへ供給できれば、輸送や梱包(こんぽう)資材の省コスト化にもなる」と見込む。

 使ったのは、全農と片倉コープアグリが開発した硝化抑制剤入り尿素液肥。尿素は従来、元肥には適さなかった。稲が吸収しやすいアンモニア態窒素から、吸収にしくい硝酸態窒素に変わり、窒素ガスとして空気中に逃げてしまうためだ。硝化抑制剤を加えたことでアンモニア態を維持できるようになり、田植え後の根が十分張っていない時期でも、効率よく吸収できる元肥として使うめどが立ったという。

 液肥は専用機器で定量供給。水口の近くに設置すれば、入水の勢いで液肥が広がる。全農と水管理システムを開発するパディ研究所で共同開発した。肥料、機器ともに特許を取得している。価格や商品化の時期は未定。

 試験は、水稲6ヘクタールを手掛ける桑添正昭さん(66)の水田で実施。午前5時の入水から約3時間で、水田2ヘクタールの四隅にある水口から、窒素成分で10アール当たり2キロの液肥を合計200リットル入れた。3日後に水田の50カ所からサンプルの水を採取し、成分が行き渡っているか全農が検査する。既に田植え後の5月19日に同量を流し込んでおり、桑添さんは「現状で生育むらは感じない」と実感する。

 

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