[未来人材] 24歳、養兎に励む仲良し双子 長野県辰野町・塚間沙織さん、志織さん 実家に戻り“再出発”2人だからやりがい

ウサギの飼育に励む志織さん(右)と沙織さん姉妹(長野県辰野町で) 

 長野県辰野町で就農した双子の姉妹、塚間沙織さん(24)と志織さん(24)は、医薬品の原料となるウサギを出荷する養兎(ようと)農家だ。軽作業で高齢農家が多い養兎に、異例の若さで飛び込んだ。JA上伊那の広報誌で2人の奮闘を知った生産者が飼育を始めるなど、地域に影響を与える存在だ。

 出荷するウサギを産む種兎(しゅと)20匹を飼育。種兎に「えだまめ」や「ちくわ」など、2人のセンスがのぞく名前を付ける。行動派の志織さんが掃除、慎重派の沙織さんが餌やりと役割を分担。野菜や花も栽培する。

 就農は21歳の時。農業高校を卒業後、2人は古里を離れ別々の道を歩んだ。動物好きで動物看護士を志した志織さんだったが、就職活動がうまくいかず帰郷。野菜や花を栽培する父親を手伝っている時に養兎を知り、経営を決意した。

 JAの支援を受け独立のめどが立つと、県内の食品企業で働いていた沙織さんを「一緒にやろう」と誘った。仕事でストレスをためていた沙織さんを心配して出た言葉だった。

 就農後は地域の生産者から孫のようにかわいがられ、経営は軌道に乗った。時にはJAの営農技術員から厳しい指導も受けるが、沙織さんは「自分で考え、行動ができるのが楽しい」と、会社勤めとは違うやりがいを見いだす。

 忘れられない失敗は、野菜の収穫に追われ、ウサギを相次いで死なせたこと。弱い生き物を飼うため、誰もが一度は経験するという壁だ。志織さんは「2人だから乗り越えられた」と前を向く。管理の徹底を誓う2人には、他の品目に気を取られず「いつかウサギだけで生計を立てたい」という夢がある。(染谷臨太郎)

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