駆除した鹿、イノシシ 工芸品として活用 「命無駄にせず」 山梨県大月市 藤本二菜さん

獣皮で作った工芸品を紹介する藤本さん

 山梨県大月市の藤本二菜さん(35)は、土に埋めたり、処分されたりする鹿やイノシシの命を無駄にしたくないと、かばんやポーチ、アクセサリーなどの工芸品にしてよみがえらせている。「ちょっと前まで生きていた命を無駄にせず、活用したい」との願いを込めた。

 藤本さんは、都内で皮革製品のデザインや縫製を学び、工芸品メーカーで働いていた経験を生かし、実家のある大月市に戻り、3年前に工房兼作業場をオープンした。

 実家は、山間部にあることから鹿やイノシシなどの鳥獣被害は切実な問題だった。都内に1枚からでも獣皮をなめしてくれる業者があることを知り、「地元で駆除された鹿やイノシシの皮を使って何か作れるのではないか」と思いつき、地元の狩猟会と交流を始めた。

 ハンターから獣皮の提供を受け、「多くの人に使ってもらいたい」と、約1年前からかばんや小物などを作り始めた。

 県内の東部地域は「郡内」と呼ばれることから商品は「郡内レザー」と名付けて販売。ロゴマークにもこだわり、郡内の頭文字の「g」に、角が生えたようなデザインを考案。工芸品に付けて、人と自然に優しいエコレザーとして、県内外のイベントやワークショップでアピールしている。

 昨年は第一種狩猟免許も取得。昨年末に初めて狩猟に挑戦し、イノシシを仕留めた。藤本さんは「動物の命を無駄にしたくない。郡内レザーを通じて、地域の自然や野生動物のことを知ってもらいたい。工芸品作りが地域資源を生かした産業となり、定着すれば雇用の創出にもなる」と期待を込める。

 アクセサリーは1500円前後、ポーチは4000円からで、同市の工房やインターネットで販売している。

おすすめ記事

若者力の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは