米抜き発効へ議論 合意内容修正に温度差 TPP11首席会合

 環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国は12日、首席交渉官会合を神奈川県箱根町で開き、米国抜きのTPP発効に向けた議論を始めた。日本は合意内容の修正をできる限り小幅にとどめたい考えが主流だ。だが、日本が欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)で一部農産物でTPPを超える自由化に踏み切ったことで、合意内容の修正を求める声が勢いづく可能性もあり、先行きは不透明だ。

 TPP署名国は5月のベトナムの閣僚会合で、早期発効を目指すことを確認。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに、11カ国で先行発効する具体的な方法や米国の復帰を促す方法をまとめ、閣僚に報告することにしている。

 議長を務める梅本和義首席交渉官は12日の全体会合の冒頭、「(11月という)目標に向けて議論が前進できるよう全力を尽くしたい」と語った。全体会合は13日までの予定。14日は各国と個別協議を行う。

 全体会合では、発効方式について議論した。最終的に米国が復帰し12カ国による発効を目指しつつ、まずは11カ国で発効させるには法技術的な課題があるとの指摘が各国から出たため、法律の専門家が検討を行った。交渉関係者によると、過去には有志国で暫定発効した国際協定もあるが、TPPのように2段階で発効を目指すのは、技術的に難しいという。

 日本が各国と行った水面下の調整では、合意内容の修正をどの程度行うべきかで、各国の思惑の違いが露呈。議長国の日本などは11カ国で早期発効を実現するために最小限の修正にとどめたい考えだが、ペルーなどは米国が強く譲歩を迫った医薬品などルール部分を見直すよう求めている。日本国内にも、米国と将来の2国間交渉を想定して、農業分野の合意内容を見直すべきとの意見が出ており、今後の検討課題になっている。 
 

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