[未来人材] 33歳、育てた牛肉 レストランの目玉に 岡山県奈義町・豊福祥旗さん 社会的価値・魅力を伝え 子ども憧れる職業に

自身が育てた「なぎビーフ」を店で提供する豊福さん(岡山市で)

 岡山県奈義町の豊福祥旗さん(33)は、牛の肥育をしつつ自身が育てた肉を出すレストランも経営し、多忙な日々を送る。願いである「農業の社会的価値」を引き上げるために自ら店に立ち、消費者に農業の魅力や農産物のおいしさを直接伝えている。

 同町で交雑牛と和牛約170頭を飼育する。農家の3代目で、経営を引き継いでから店を立ち上げるため(株)オリジナルキューチを設立、役員を務める。2014年、岡山市にレストラン「QUCHI(きゅーち)」を開店。牛の管理もしながら週2、3日は店で接客する日々を送る。翌年には町内に精肉販売店もオープンさせた。

 農家に生まれ「農業は汚い、しんどい、他の職業より劣っている」と思いながら育った。高校生になって家業に本気で向き合った時、「努力と技術でいろいろな変化を起こせる。一人一人が社長で、実は夢があって面白い」と気付き、自分が好きな地元が農業で成り立っていることも分かった。「農業の価値を高め、子どもが憧れる職業トップ10にしたい」と思うようになった。

 情報があふれる時代に、本当の農業の価値を感じ取ることができるものは何か――。導き出した答えは「誇りを持って農業者自らが伝えていくこと」だった。生産するブランド牛「なぎビーフ」は主に関西に出荷され、県内での認知度は低い。そこで店でも「なぎビーフ」のステーキを提供し、魅力を発信する。

 今後は同じ思いを持つ“農業を語れる”同世代を増やしていく。義務教育に農業が取り入れられることも目標に掲げる。夢はまだまだ尽きない。(柳沼志帆)

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