米国向け牛肉 輸出最多ペース 1~6月200トン超え 低関税枠消化

 今年の米国向けの牛肉輸出量が過去最高ペースで伸び、同国が日本に設定した年間の低関税枠200トンを6月に早くも超えた。昨年より5カ月早い達成。日本産牛肉の認知が広まり、序盤から早く進んだ。高関税率が適用される枠外取引を避けようと輸出を前倒しする動きも重なった。今後は、関税面で不利となるため、輸出業者らは低級部位の提案を進めるなど対応に追われている。

 財務省貿易統計によると、1~6月の米国向け牛肉輸出量は201トン。前年同期の約2倍に達した。米国で和牛の評価が高まっていることに加え、「低関税枠を狙った駆け込み輸出が増えた」(業界団体)。6月単月の輸出量は45トンで前年同月の2.3倍に及んだ。

 米国は世界貿易機関(WTO)ウルグアイラウンド合意に基づき、日本産牛肉に200トンの低関税枠を設けている。昨年11月に初めて超えた。枠内の関税は1キロ当たり4.4セント(約5円)。枠を超えると26.4%の関税率が適用されている。輸出業者によるとロースの場合、1キロ2300円ほど高くなるという。

 下期の輸出量は不透明。高関税がかかり、輸出には逆風となる。しかし輸出が鈍れば、他国産「WAGYU」に需要が奪われる恐れがあり、「関税が高くても輸出は続ける」(大手輸出業者)。「現地に秋ごろまでの在庫はある」ものの、「モモなど低級部位の提案や、輸送コストを減らすなど対策を考えている」(同)という。

 米国は日本産牛肉の輸出先として2割強を占める。日本畜産物輸出促進協議会は「輸出拡大が狙える市場だが、枠外取引でどこまで増えるかが焦点となる」とみる。

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