家畜ふん 良い香りに 資材代 3分の2助成 静岡県湖西市

堆肥の切り返し時に資材を噴霧する土屋さんの施設(静岡県湖西市で)

 畜産の環境対策で、ふんの臭い成分と混ざると甘い香りになる資材を、行政と生産者が連携して普及する地域が出てきた。地域住民と共存しながら経営を持続できるツールとして期待する。静岡県湖西市では市が効果を認め、市の予算で運営する団体が資材代の3分の2を助成。市街地に近い養豚農家を中心に利用が進み、モニタリング調査で臭いを感じる場所が減る効果が出ている。

 臭気対策資材はJA全農の関連会社、科学飼料研究所が取り扱う「デオマジックHG」。多様な香りを混ぜて良い香りにする香水の考え方を応用したもので、原料は食品添加物に使う香料とエチルアルコール、水。医薬品には当たらないので畜種を問わず使え、生産物や堆肥に影響はないという。湖西市ではJA静岡経済連、JAとぴあ浜松を通じて供給する。

 市内では臭気対策のため数十年前から、畜産農家26戸でつくる市畜産環境衛生対策協議会で地域との共存を模索してきた。市から予算の拠出を受け、臭いを防ぐカーテンや、消臭のための資材などを導入を進めた。しかし、同市農林水産課の吉田善行主査は「対策で臭いをどれだけ弱めても、不快に感じる声はある」と、対策に試行錯誤してきた。そこで2015年に出合ったのが、臭いを変える資材だ。

 15年末と16年1月、市が実演会を主催し、農家に紹介。効果が見込めそうだと判断し、協議会を通じて資材や散布装置などに購入金額の3分の2を助成すると決め、現在までに養豚農家7戸とウズラ農家1戸が導入。約80万円を助成した。

 同市で母豚170頭規模で経営する土屋勝久さん(67)は、16年夏から利用。飼養スペースに1000倍で薄めた資材を噴霧。堆肥化施設では600倍に希釈し、切り返しの時に吹きかけ、1年間で1缶(18リットル)を使ったという。「確かに甘い香りになる」と話す。

 市の職員が12年から、毎年6月から翌年3月まで行っているモニタリング調査では、導入した16年度は臭いを感じる地点が減ったという。

 吉田主査は「畜産業が地域で持続でき、後継者の確保につながる動きになれば」と期待する。 

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