いざ全共 長旅 何と1800キロ 海路と陸路 きょう宮城へ 沖縄勢3日がかり

クレーンでフェリーから下ろされる沖縄の代表牛(鹿児島市で)

トラックに乗り込む沖縄の牛。全共会場の宮城までは陸路を2日がかりで運んでいく(鹿児島市で)

 7日に開幕する第11回全国和牛能力共進会(宮城全共)の搬入が5日早朝から始まる。会場の仙台市まで最も遠い沖縄勢は、直線距離で約1800キロの道のりを3日かけて移動してきた。次いで遠い鹿児島と比べても1・5倍の距離だが、海路、陸路とも牛の扱いにたけた業者を採用。距離の壁を越え、万全の構えで全共に挑む。
 

牛の健康 第一に 業者を厳選最速ルート


 沖縄県が和牛全共参加で乗り越えなければならないのが、本土までの海だ。海路は波で揺れるため、陸路より牛が体調を崩しやすい。輸送中は、まめに休憩を取ることもできない。極力、牛の負担を減らすために同県が採用したのが、最も移動時間が短い本部港(沖縄県本部町)から鹿児島新港(鹿児島市)を経由するルートだ。

 以前は利便性を考えて福岡まで運んだこともあったが、今回は移動時間を短くすることを優先。コンテナの積み降ろしで牛に負担がかからないよう、運航会社も頻繁に牛を運んでいて作業に慣れている会社を選んだ。

 牛を運ぶフェリーにはJAおきなわ畜産部の職員と獣医師の2人が同行。奄美大島や徳之島に立ち寄る短い時間に、牛を積んだ貨物室に駆け下りていき牛のケアを徹底した。8月下旬に発生した台風15号の影響で海の状態は良くなかったが、コンテナがクレーンでつり下げられる際も、じっと海を眺めているなど落ち着いた様子だった。同行した獣医師が荷降ろし後に体調を検査したところ、どの牛にも異常は見つからなかったという。

 鹿児島から宮城までの陸路は、畜産輸送で50年の実績がある防長運輸(福岡県須恵町)に依頼。通気性が良いメッシュ構造の間仕切りを搭載したトラックで現地まで運ぶ。1頭ごとにスペースを確保することで、輸送のストレスを軽減する。移動にかかる時間は丸2日。同社の支店や高速道路のサービスエリア、ガソリンスタンドなどを活用し3時間ごとに休憩を取って、慎重に牛を運ぶ。

 同県は5日の早朝にも、会場に牛を搬入する予定だ。県家畜改良協会は「過去に経験のない長距離輸送だが、大きな問題もなくほっとしている」と手応えを話す。
 

工夫重ね負担軽減鹿児島、宮崎勢


 沖縄勢に次ぐ移動距離となる鹿児島勢も、輸送中の牛のストレス軽減対策に余念がない。会場までやや遠回りだが、比較的涼しく渋滞も少ないとみられる北陸を通る計画だ。牛に風を送るため、車をなるべく止めずに休憩は最小限にとどめる。輸送を担う牧迫運輸(鹿児島市)の逆井望専務は「休憩も涼しい夜間に取る。暑い日中に車を走らせる」と念を入れる。

 前人未到の3連覇をうかがう宮崎勢は、1頭ごとに給与量などを管理するため、特注の飼槽を用意。車内の畳は裏返し、「牛が滑らないよう気を配る」(県畜産振興課)。仙台市まで走行距離で1500キロを超えるだけに、輸送対策費などには県の予算3800万円を投入した。「宮崎スタイルマル秘プラン」と銘打った“企業秘密”の対策も講じ、万全の状態で会場に乗り込む。(金子祥也)

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