梨ベトナムへ100トン 全量買い取り 高価格、手間なく 茨城・下妻市果樹組合とJA常総ひかり

JA職員と輸出する梨の生育を確認する磯山さん(右)(茨城県下妻市で)

 ベトナムへの梨輸出が10年ぶりに解禁したことを受け、茨城県の下妻市果樹組合連合会は他産地に先駆けて今秋、約100トンを輸出する。JA常総ひかりと県と連携し、輸出に必要な園地登録などを進め、本格輸出にこぎ着けた。登録園地の梨はベトナム側の全量買い取りで、その単価は国内の取引価格より2割以上高い。輸出はベトナムの業者がするため、作業の手間も少ない。今後、登録農地を増やして2、3年で300トンまで拡大し、農家所得向上と産地活性化を目指す。

 8月中旬の「幸水」11トンを皮切りに、「豊水」「あきづき」「新高」と続く。園地登録した農家17人の7・5ヘクタールから出荷する。園地登録の条件は、半径1キロの園地は全て果樹交信かく乱剤処理を行うことや園地全体を覆う網を設置すること。JAと県が調査・指導し、解禁前の昨年は農家4人の園地、2・9ヘクタールを仮登録し、登録面積を広げてきた。

 ベトナムには日本での栽培方法や品質を説明し、信頼関係を構築した。1月の解禁後、3月にベトナムを訪れ商談。すぐに「貯蔵梨豊水」を空輸で試験輸出すると、高品質に驚いた現地のバイヤーから「すぐにでも送ってほしい」と言われ、本格輸出につながった。

 梨は、大手青果卸の東京青果を通じ、ベトナムの流通業者に日本国内で引き渡す。ベトナムの業者が、9月下旬まで船便や空輸で輸出する。現地では富裕層を中心に日本産の人気が高い。そのため、買い取り価格は、日本で高価格で取引される月遅れ盆前の水準より2割高に設定した。価格が一定な事に加え、これまで盆前に出すために行っていたジベレリン処理をする必要がなくなり、作業負担軽減につながる。

 JA下妻支店営農課の上野博樹課長は「大き過ぎたり小さ過ぎたりする梨も買い取ってくれる。農家の規模拡大も期待できる」と輸出に勝機を見いだす。下妻梨第一共同選果場選果部長で90アールを園地登録する磯山仁さん(58)は「輸出単価が高いと、国内単価の引き上げにつながる。輸出が刺激となって産地が盛り上がってきた。後継者の就農につながればうれしい」と期待する。

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