外食で米消費減少 健康志向背景 需要取りこぼし懸念 機構調べ

 今年度に入り、中・外食での1人当たりの米消費量が落ち込んでいることが、米穀機構の調べで分かった。前年を1割弱下回る。ダイエットなど健康改善を求める消費者ニーズに対応し、業界がご飯の量を減らしたメニュー提案を強めている背景がある。業務用に適した値頃な米の不足も要因の一つだ。中・外食市場は成長が見込まれる有望な仕向け先なだけに、需要を取りこぼすと消費減退に直結する。識者は「多様化するニーズを意識した、産地と実需の連携が重要」と指摘する。
 

値頃な業務用不足も 


 米穀機構によると今年4~7月の1カ月間の1人当たり米消費量平均は中食が841グラム、外食が559グラムで、それぞれ前年を8・0%、9・7%下回った。ともに4カ月連続で前年同月を下回った。半面、家庭消費は節約志向を追い風に、3・2%増の3367グラムで4月から前年超えが続く。家庭消費が堅調なため全体は0・6%減の4767グラムと微減となった。

 外食などで消費が鈍化した要因を日本フードサービス協会は「1食当たりの米の提供量を減らしている可能性がある」とみる。牛丼チェーン「松屋」は6月から米の代わりに湯豆腐を使ったメニューを販売。回転すしチェーン「くら寿司」も今夏からすしの米の量を半分にした「シャリプチ」を売り出すなど健康志向に対応する。

 背景に業務用米の不足を指摘する声も多い。炊飯業者でつくる日本炊飯協会も「業務用米の出回り量が減り、取引価格が大幅に上昇している」と課題を挙げる。農水省の推計では業務用米が16年産は130万トン不足した。17年産もその傾向が続くもようだ。

 「業務用米の安定した生産販売に期待したい」(同協会)など産地との連携へ要望が高まっている。農水省は事前契約や複数年の長期契約を進めるため、今年度からマッチング支援事業を始め、「産地と実需の安定取引を後押しする」姿勢だ。
 

消費トレンド 業界挙げ点検を JC総研の郡山雅史主任研究員の話


 米消費は、調理の簡便化を求める傾向が大きなトレンドだ。健康意識の高まりや節約志向、少量でも良食味の高級ブランド米を求めるなど多様化している。一方で、産地、実需共にトレンドに付いていけていない。米の消費減を食い止め、安価な輸入米の流入を防ぐにも、業界全体で米の生産販売の点検が必要だ。
 

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