宮城全共 この勇姿 拍手、歓声、感無量

初出場での日本一を喜ぶ兄の祐太朗さん(左)と、牛を引く弟の祐次朗さん(10日、仙台市で)

第2区トップを決め仲間に迎えられる小野寺さん(10日、仙台市で)

 仙台市で11日、第11回全国和牛能力共進会(宮城全共)が閉幕した。上位を席巻した次回開催地、鹿児島県勢の活躍が目立った他にも、この5年間で力を蓄えて成績を伸ばして存在感を見せた産地があった。成果を胸に、5年後、10年後の明日につながる生産を続ける。
 

若い力「次へ」 5年後開催地・鹿児島勢


 次回2022年開催の鹿児島県勢は、次代を担う若き後継者が力を見せた。第3区(若雌の2)の優等賞1席と名誉会長賞に輝いたのは、県代表最年少で全共に初めて挑戦した志布志市の徳重祐太朗さん(27)。出品牛「よりこ」の引き手を務めた弟の祐次朗さん(24)と、二人三脚で日本一を勝ち取った。苦楽を共にした仲間と抱き合い、目元を拭った。

 道のりは順風ではなかった。「牛の体形管理でずっと注意されてきたのがきつかった」。等級決定の瞬間は「耳を疑った。感無量。涙をこらえるのに必死だった」。

 次回の地元開催へ勢いを付ける勝利。「次も負けない」。目線はもう5年後に向かっている。
 

悲願の最前列 初めて優等1席・宮城勢


 全共の日本一となった牛は、審査結果を受けて最前列に並ぶ。宮城全共の第2区(若雌の1)で、宮城県勢念願の初めての日本一、優等賞1席に輝いた、登米市の小野寺正人さん(41)が引いた牛の名は「さいぜんれつ」。最前列に並んだ後、等級決定のアナウンスが会場に流れると、県勢から歓声と拍手が湧いた。

 「生まれて30分で立ち上がったとき、ピンときたから、この名前を付けたんだ」という小野寺さん。「5年前の長崎全共では同じ2区に出品し、優等賞5席だった。九州勢を追い越そうと懸命にやってきた。『仙台牛』の役に立てたかな」と、喜びをかみしめた。
 

知名度アップ 各区で上位に・北海道勢


 北海道勢は第6区(高等登録群)の優等賞4席を筆頭に、多くの区で5年前の長崎大会から大きく成績を伸ばした。

 中でも優等賞5席に入った第5区(繁殖雌牛群)は、足寄町の清水和博さん(43)出品の雌牛「みかん」と、今年6月に生まれた雄子牛の「範(すすむ)」も注目を集めた。清水さんは「会場に着いてからも風邪などひかず、発育は順調で安心した」。

 今大会の目標は、まだ知名度の低い「北海道和牛」のPRと位置付けた。審査会場で少しでも「北海道和牛」に注目してもらおうと、メンバーはショッキングピンクの半袖ポロシャツを身にまとい、牛と共に存在感を示した。
 

増頭の励みに 大幅に順位向上・鳥取勢


 鳥取県は第7区(総合評価群)で過去最高となる優等賞2席(2位)と、前回の2等賞1席(12位)から大幅に順位を上げた。生体の種牛を出品した選手団団長の宮崎浩樹さん(48)は「待機するテントの中で、いつもと違う張りつめた空気を感じた。良い種雄牛としての期待は重かったが、本当に頑張った」と、共に出品した6人の仲間と喜びを爆発させた。

 枝肉を評価する肉牛群はブランド産地を抑え、1位を獲得。肥育牛を出品した岸本真広さん(47)は「全共を機に、さらに市場の評価が向上したらうれしい。増頭の弾みになった」と、高齢化などで縮小する産地の振興に力を尽くす考えだ。

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