地方発 農に題材 コラボ映画2作品

JA直売所「よらん野」の前でも行われた撮影(福岡県筑後市で、JAふくおか八女提供)

栗の収穫期に合わせてスタートした撮影(茨城県笠間市で)

 農業・農村を舞台にした映画2作品が来春、全国公開される。一つは甲子園を目指す高校球児の成長を描き、ヒロインの実家が菊農家という設定。農業指導を福岡県JAふくおか八女が担当した。もう一つは、「日本農業をPRしたい」との思いで制作中の、女性農業者と売れない女優、謎の男の奇妙な同居生活を描いた作品。栗産地の茨城県笠間市を舞台にした。日本の美しい農村風景が、スクリーンを通じて発信される。
 

「野球部員、演劇の舞台に立つ!」 村の風景 随所に 福岡・八女 


 福岡県八女地域が舞台の青春映画「野球部員、演劇の舞台に立つ!~甲子園まで642キロ」が完成した。撮影には地元JAふくおか八女が全面協力。27、28日には完成披露試写会を開き、2月の東京、福岡を皮切りに全国公開する。

 野球部の3人が、ひょんなことから演劇部の助っ人になり、仲間と一緒に成長する姿を描いた。林遣都さんが演じるのは、実家がイチゴ農家の演劇部OB役。ヒロインの実家も菊農家という設定だ。女優の宮崎美子さん、ベテラン俳優の宇梶剛士さんが脇を固めた。

 夜明けの茶畑や早朝の田んぼ道など、農村風景が随所に登場する。深夜の農道をさまよう主人公を、電照菊の明かりが照らす演出もある。

 農業指導はJAが全面協力し、営農指導員が収穫方法を俳優陣にレクチャーした。JAの久保薫組合長は「八女の風景を全国に発信できる。八女の農産物に興味を持ってくれたらうれしい」と期待する。鈴木一美プロデューサーは「農作物が育つ姿に生徒の成長を重ねた。若者の姿を見て、大人も覚悟を持って若者に向き合う地域や社会になってほしい」と強調する。

 地元市民らでつくる「支援する会」の事務局長の平井靖文さん(60)は「登場人物が農家とあって、地元だけでなく東京、大阪などの農業関係団体などにも支援を呼び掛けた。地域の誇りになってほしい」と期待する。
 

「棘の中にある奇跡」 栗栽培 日常描く 茨城・笠間 


 全国トップクラスの栗産地を舞台にした「棘(とげ)の中にある奇跡~笠間の栗の木下家」の制作が急ピッチで進んでいる。栗農家が物語の中心で、大部分のシーンを笠間市で撮影する。市も「笠間がメインの映画はほとんどない」(産業経済部)と、全面協力する。

 西尾舞生さん演じる売れない女優と、アイドルの勇翔さん演じる謎の男、夫に先立たれ栗園を1人で守る倉野章子さん演じる女性農業者の3人が出会い、奇妙な同居生活を送りながら互いに成長していく物語。撮影は20日、栗園でスタート。重要な場面となる3人の出会いの場面などを撮影した。

 エグゼクティブプロデューサーで、水戸市出身の西尾友子さんらが、数年前から構想を練ってきた。笠間市を舞台にした理由について「日本の農業をもっとPRし、栗といえば笠間だと押し出したい」と話す。地域の雰囲気を出そうと、出演者はJA常陸の帽子をかぶって登場するという。

 水戸市出身の渡辺裕之さんや、古河市で幼少期を過ごした渡辺徹さんらが出演する。

 12月17日に同市で先行上映した後、全国各地で順次公開。来春にはイタリア・ミラノで上映する予定だ。

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