農業で健康寿命延伸 脂質異常や高血圧抑制 農村医学会きょう発表 島根大が調査

 農作業に、脂質異常症や高血圧症を抑制する効果があることを島根大学の山崎雅之准教授らのグループが明らかにした。脂質異常症では、農家に比べて、農家ではない人はほぼ2倍の発生率となっており、高血圧症でも農家の血圧が低い傾向だ。農作業により、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす脂質異常症や、動脈硬化につながる高血圧を抑制することで、山崎准教授は「健康的に日常生活を送れる健康寿命を延ばす効果が期待できる」と説明する。研究結果は、5、6の両日、沖縄県で開く日本農村医学会で発表する。

 調査は島根県雲南市、隠岐の島町、邑南町の40歳以上の男女4778人を対象に2006~14年に実施。40~64歳の壮年期者、65歳以上の高齢者に分けて、農業従事者と農業に従事していない人で健康寿命に関係する疾病の有無を確認した。

 その結果、壮年期者では農作業が脂質異常症の発症を抑えていると判明。農業に従事していない人が脂質異常症になる危険性は農業従事者と比べて男性で1・92倍、女性で2・34倍と大きな差が出た。

 脂質異常症は血中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が必要以上に増える状態。糖尿病、高脂血症などを引き起こすメタボリック症候群につながる恐れがある。

 高齢者では、農作業が動脈硬化をもたらす高血圧症を予防していた。農業に従事していない人が高血圧症になる危険性は農業従事者と比べて男性で1・37倍、女性で1・13倍だった。

 山崎准教授はこの結果について、「農作業で日常的に体を動かしていることが要因」と分析。企業を定年退職した高齢者は運動量が減り病気のリスクが高まる傾向にあるとし、健康に生活するために、「農作業を積極的に取り入れるべきだ」とアドバイスする。

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