[2017衆院選][注目の選挙区 1] 山形2区 農政巡り自・希 激突

JAの施設で候補者の演説を聞く農家ら(11日、山形県河北町で)

 第48回衆院選が始まった。各地で激しい選挙戦が展開される中、安倍政権が進めてきた経済政策「アベノミクス」や農協改革などに直面した農村部で候補者は有権者に何を訴えるのか。注目の選挙区を追った。

 山形2区は、自民党前職で、党農林部会長代理を務めた経験のある鈴木憲和氏と、直近2回比例復活した民進党前職で、希望の党から出馬した近藤洋介氏が競り合う。水稲と果樹が盛んな地域だけにいずれも農政に重点を置き、農家への呼び掛けを重視。山形県農協政治連盟(農政連)の推薦を追い風に勝ち抜きたい鈴木氏に対し、近藤氏は安倍農政に対する批判の受け皿を狙う。

 鈴木氏は6日夜、村山市の地域市民センターであった会合に顔を出した。県農政連からの推薦もこの日に決まった。鈴木氏は安倍農政に「生産者が納得いかないことがたくさんあるのは分かっている」と分析する。

 初出馬した2012年の衆院選では近藤氏に約1万9000票差をつけたが14年は約7500票差の接戦になった。背景には12年当時、自民党が環太平洋連携協定(TPP)交渉参加反対を表明したにもかかわらず結果的に参加したことへの反発があったとみられる。鈴木氏はTPP承認案と関連法案採決を自民党議員で唯一退席し棄権。「自分の公約と議員行動が違ってはいけないと思った」と当時を振り返る。

 「生産者と消費者が一緒に農政を考える視点が足りなかった」という鈴木氏。選挙期間中、地元イベントやミニ集会などを通じ、理解を求める。

 一方、近藤氏は前回、前々回と旧・民主党から出馬したが今回は希望の党の公認を得て立候補した。「稲刈りの時に選挙をしないというのが昔の自民党。安倍首相が東北の農村の実態を知らない証拠」と安倍政権を批判。農家宅にも足を運び、支持を呼び掛ける。

 近藤氏は希望の党が公約に直接支払いを盛り込んだのを踏まえ、民主党政権で農家の評価が高かった農業者戸別所得補償制度の復活を訴え、品目に応じた拡充を掲げる。経済産業副大臣時代に交渉参加の検討を進めたTPPも「安倍政権は米国に譲り過ぎ。見直し条項も不透明」と批判する。

 共産党から立候補する新人の岩本康嗣氏は「農畜産物の価格保障と所得補償を組み合わせ、家族農業を守る施策を実現する」と訴える。

 県農政連は今回、県内3選挙区で自民党候補の推薦を決めた。16年の参院選では自主投票を選んだが農業を巡る環境が厳しい中、農業者やJAグループの意思を反映してくれるかどうかを見定めたという。東根市の男性農家(72)は「農業でもうける環境にない。厳しい現実を直視してほしい」と話す。

 立候補者(届け出順)

 鈴木憲和 35 自前 元国交委理事

 近藤洋介 52 希前 元経産副大臣

 岩本康嗣 52 共新 党県委員

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