[2017衆院選][注目の選挙区 4] 栃木2区 農政訴え 真っ向勝負

雨の中、支持を訴える候補者(栃木県栃木市で=写真の一部を加工しています)

 栃木2区は、自民の西川公也氏と無所属で出馬した福田昭夫氏の前職同士の一騎打ちだ。2014年の前回衆院選はわずか199票差で福田氏が制し、西川氏は比例復活した。だが、今回は共に比例に重複立候補できず“背水の陣”で臨む。

 「農政を世界の中で進めていくには、どうしても西川さんが必要だ」

 3日、さくら市。安倍晋三首相は解散後初めて東京都内以外で街頭演説に臨んだ。しかも一候補者の応援に複数箇所を回る異例の対応だ。

 第2次安倍内閣発足から4年10カ月。政府は環太平洋連携協定(TPP)に踏み切り、国内では「60年ぶりの農協改革」をはじめ農政改革を断行。党農林トップや農相として常に「安倍農政」の中心にいたのが西川氏だ。公示日には、改革を共にけん引した小泉進次郎前党農林部会長が駆け付け、「また一緒に仕事がしたい」と激励、同氏を恩師と持ち上げた。

 一方、出陣式には、JA全中の中家徹会長らJA全国団体幹部が勢ぞろいし「何と言っても農政の重鎮。なくてはならない議員だ」と強調した。

 官邸主導の改革は時に農業関係者の激しい反発を招き、現役農相として臨んだ前回衆院選では敗れた。だが「党と官邸の『間』で立ち回る西川氏がいなければ党は割れていた。こんな芸当をできる人は他にいない」と自民党関係者。今後も米の生産調整見直しや卸売市場改革、日米経済対話と重要局面が続く。官邸と距離を置く農林幹部も「帰ってきてもらわないと大変なことになる」。

 西川氏は言い切る。「私は農政改革でものすごい批判を受けた。けれど何のためにやるか。農家の所得を上げる。これ一点で勝負です」

 一方、福田陣営は西川氏を安倍農政の象徴と見立て攻める。10日のさくら市での街頭演説で、福田氏は「行き過ぎた自由貿易は改め、日本のふるさとを守らなければならない」と気勢を上げた。

 水田地帯が広がる栃木県中部。日照不足で水稲の作柄は91(9月15日現在)と振るわない。福田選対幹部は「作柄が悪いのにもかかわらず、対策を講じるどころか解散か」と批判。「来年は米の直接支払交付金がなくなる」とし、戸別所得補償制度の復活を唱え農業票の切り崩しにかかる。

 民進党出身だが希望の党に合流せず無所属で非自民票の結集に懸けた。民進党や社民党県連が推薦、共産党県委員会は候補者を取り下げ支持に回った。人当たりの良さで個人ファンも多い福田氏。熱心に応援する主婦は「農家はだまされちゃいけない」と駆け回る。

 米作りをする男性農家は「安倍政権のやり方はどうかと思うが野党もどうなるのか」と首をかしげる。別の農業関係者は「ここの結果が今後の農政を左右することは間違いない」と注目する。

 立候補者(届け出順)

 西川公也 74 自前 元農相

 福田昭夫 69 無前 元総務政務官、元知事

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