全農の契約栽培ミニトマト 「アンジェレ」拡大 機内食や飲食店へ 業務需要開拓に照準

 JA全農は契約栽培による買い取りで、全農オリジナルミニトマト「アンジェレ」の栽培面積を伸ばしている。2011年から始まった栽培は今年、23県域32ヘクタール(見込み)にまで広まった。生産者の所得増大に結び付けるため、認知度と価格を上げようと、スーパー向けだけでなく業務用需要の開拓に注力。食味の良さと、果肉のゼリー部分が少なく飛び散りにくいなどの特徴を売りに、機内食やレストランなどで取り扱いが広まるなど、成果が出ている。

 「アンジェレ」は11年から試験栽培・販売を始め、15年には目標だった面積20ヘクタールを達成。17年は熊本県や宮城県など23県域の32ヘクタール見込みで栽培し、着実に広がっている。

 全農は直販機能の強化の一環で「アンジェレ」の種子供給から販売まで担う。契約栽培による買い取りで農家の収入を安定させている。業務用野菜の引き合いの高まりを受け、業務用での売り込みに力を入れ始めた。

 ある航空会社は16年末ごろから「アンジェレ」を一部国際線の機内食として提供している。「アンジェレ」を業務用サラダとして製造・販売を手掛ける会社、グリーンメッセージの中川敦雄さんは「果肉の水分が少ないため、かんだ時に中身が飛び散りにくいことが受けた」と話す。別の航空会社も「アンジェレ」を機内食に採用し、今年の9月から一部国際線や国内線で提供を始めた。

 全農はレストランでの利用拡大にも力を入れる。東京・大手町の飲食店と協力し企画しているタイアップメニューで、「アンジェレ」を使ったパスタや卵炒めなどの提供を9月から始めた。パスタを提供する「ジミー」シェフの太田康彦さんは「アンジェレは甘さと酸味のバランスが良いことに加え、皮が厚いため加熱しても形を保てて使いやすい。魅力的な商材だ」と太鼓判を押す。

 全農は今後、幅広い層の認知度を高めるために、贈答用や百貨店など多様な販売チャネンルで売り込む考えだ。全農は「アンジェレは契約栽培で農家も安定した収入を見込める。需要を開拓し、農家の所得増大につなげたい」(園芸開発課)と意気込む。


<メモ> 「アンジェレ」


 欧州の健康食品市場をターゲットに、種苗会社のシンジェンタが開発した品種。甘味と酸味のバランスが良く、抗酸化作用が期待できるリコピンを多く含むのが特徴。2012年に全農は種子供給契約を締結。種子は日本では全農だけに供給されている。

おすすめ記事

経済の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは