[岩手・JA新いわて移動編集局] 酪農規模拡大を支援 モデル農家に飼料供給 東部営農経済センター

新たに導入したフロントローダーを点検する(右から)明美さんと長女梓紗さん、JA職員(盛岡市で)

 岩手県JA新いわて管内最大の酪農産地を抱える東部営農経済センターは、盛岡市玉山地域畜産クラスター協議会を通じ、酪農家の規模拡大と後継者育成に乗り出した。モデル農家を選び、自給生産で不足する飼料を地元の生産組織が供給するなど、地域で酪農家を支える仕組みを構築、地域の平均飼養頭数の2倍以上となる経産牛70頭規模の経営育成を目指す。

 酪農の盛んな葛巻町や岩手町を抱えており、生乳の販売高は50億円。JA管内全体(135億円)の4割近くを占める。盛岡市玉山地区も産地の一角を形成しているが市中心部に通勤する農家子弟も多いのが実態。酪農家39戸のうち後継者がいるのは8戸にとどまる。平均飼養頭数は31頭で、県平均の42頭を下回る農家が多い。

 こうした実態を踏まえJAは、飼料の供給体制構築による規模拡大を進め、後継者が就農しやすい環境整備を重視。県や牧野組合、飼料用稲生産組合など10組織と共に2017年1月、協議会を発足させた。

 協議会は酪農経営の分析と改善、牛群検定を生かした牛群改良や飼養管理技術の普及に加え、粗飼料の確保や堆肥処理など耕畜連携を基本に地域全体で酪農経営を支える。

 また目標として掲げる経産牛70頭規模の経営実現へ、経産牛23頭を飼養する高橋明美さん(54)をモデル農家に選定した。今年度から子実用トウモロコシを5ヘクタール、牧草7ヘクタールを生産。増頭を見据えいずれも2ヘクタール拡大した。さらに地元の牧野組合が牧草を、飼料用稲生産組合が飼料用米を供給して支える体制をつくり、18年度までに70頭に増やす計画だ。

 JAは増頭に必要な施設整備計画の策定を支援。国の補助を活用し17年度中に新たに牛舎や乾乳舎、堆肥舎を建設するとともにトラクター、フロントローダーなどの導入を予定する。

 増頭を機に長女、長男に次いで次男が来春、就農することを決めた。高橋さんは「家族全員で農業ができる見通しが付いた。飼料供給など地域からの支えが心強い」と喜ぶ。

 同センター畜産酪農課の高宮文昭課長は「酪農家と飼料生産など関連産業が支え合い、規模拡大だけでなく営農継承にもつながる。好循環を生み出したい」と、展望する。

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