スウェーデンの若手の考えや支援策を聞く

レナ・ニバイ氏

エミリア・アステリニュース氏

 スウェーデンの若い農家の考えや若者支援策について、同国最大の農業系組織「農業者連盟」(LRF)青年部会長で、酪農会社で従業員として働くエミリア・アステリニュース氏と、若者市民政策庁長官のレナ・ニバイ氏に聞いた。

 

若者市民政策庁長官 レナ・ニバイ氏 声生かす場所多様性が重要 


 若者市民政策庁では若者に関する知識を集積し、若者たちの社会参画、行動を支えている。国の支援が若者の具体的な行動につながっているか数値的な政策評価はないけれど、功を奏していることを願っている。

 スウェーデンでは、若者たちの視点を考慮することが重要視されている。若者の声を反映する仕組み、民主主義の大切さを感じる場を作ることを支援していくことが、私たちの役目だ。

 その時のポイントが若者は多様だということ。ひとくくりにできないことも考慮しなければならない。活躍している若者の支援だけでなく、例えばニートの若者たちを農業を通じて社会に取り込むことが国にとって重要な対策、支援だと思っている。若者の失業率は高いが離職や転職が当たり前の社会で職がなくても失業期間中の生活を支えセーフティネット(安全網)を整えることが欠かせない。

 大人は経験があるので、自分たちの方が分かっているとつい思いがちだった。でも若者を信じることが、社会の分断をなくしていき社会参画の連鎖につながっていくことが分かった。

 2018年に国政選挙がある。結果は誰も分からない。でも、全ての若者が投票に行くように私たちは支援をしている。今の若者たちのトレンドは社会を変えること。社会に参画する意識がとても強く8割以上ある投票率はまだ上がると期待している。
 

農業団体・LRF青年部会長 エミリア・アステリニュース氏 新しい方法で農業を変える        


 LRF青年部員数は1万6000人で、スウェーデンの若い農業関係者がほぼ全員加入している。女性であることや、経営者ではなく従業員だという理由で、27歳の私が会長になることをおかしいと思う人は誰もいない。

 国の農業は、いろいろな課題を抱えている。会社が投資目的などで農地、農業に参入しようとしている。民間企業の安易な農業参入は、家族経営が中心の持続可能な農業を壊すから、若い農家は反対している。

 そして、農家出身ではない若い人が、どうやって土地を借りて農家になるかもとても壁が高い。国は新規参入者育成に、もっと対策をしなければならない。農業は開かれるべきだ。

 新しい方法に挑戦し、さらなる持続可能な農業に、変えていく決意を持っている。スウェーデンはここ5年、地産地消とオーガニックブームが大きなトレンド。でも、“エコ”だから良い、悪いという問題に終わらせたくない。食べ物だけでなく、例えば車や服、家がどこで作られているのか、持続可能性を追求するなら、長期的にそこまで含めて関心を持つ社会にしたい。手を携えながら、楽しく社会をつくっていきたい。

 若者の意見は、LRFの大人たちと意見が違うこともある。でも、それは良いこと。毅然と話し合っていく。

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