所得増へ個別対応強化 対策「かるて」に記録 静岡・JA遠州中央

e―commitの薩川貴行さん(左)に相談する鈴木さん(静岡県磐田市で)

 JA遠州中央は、担い手への訪問活動の一環で、農家ごとに「農業所得向上かるて」を作り、個別対応の強化につなげている。営農指導員の訪問活動の中で、所得アップのための課題や対策などを整理し、記録しておくものだ。販売目標額と実績との対比や要改善点などを個別に「見える化」して面談時に役立てることで、農家からは「分かりやすく、意欲が出る」と好評。2016年度は重点訪問先農家の4割が目標を達成した。
 

「意欲が出る」担い手評価


 「かるて」は、本店、営農センター、経済店舗に所属し「e―commit(イーコミット)」に任命された営農指導員が各農家に出向き、直接聞き取りをした上で作成する。前年度の生産・販売実績などを基に①良かった点②改善点③それを踏まえた対策――を記録する。

 例えばイチゴ農家の場合、「栽培や生育が順調で予想以上の収量になった」という良かった点の半面、「(収量が多くて手が回らず)暖候期に出荷ロスが出た」との改善点もあった。

 これに対し、e―commitと農家が面談しながら共に次期に向けた対策を話し合い、生産者は「従業員を雇って人手を増やす」「JAのパッケージセンターを利用して作業効率化を図る」などと対策を立てる。JAは「JAの無料職業紹介所『ときめきアグリワーク』を通じ、働き手を紹介する」「パッケージセンターの利用について、調整・検討し、作業支援を図る」ことなどに取り組む。経過は定期的な訪問を通して管理していく。

 こうした個別対応で、16年度の重点訪問先農家の4割強が、目標とした販売額の前年比2割増を達成するなどの成果につながった。

 磐田市のキャベツ農家、鈴木正裕さん(29)は販売2割増を達成した一人。JAのアドバイスなどを生かし、栽培面積を増やし定植時期の調整や防除管理の徹底に力を入れた。鈴木さんは「『かるて』に計画と実績を記すと分かりやすく、数字として目に見える分、前年度より売り上げを上げたいという気持ちを強く持てた」と評価する。JA営農企画部の辻善英部長は「営農指導員が農家の経営内容に以前より1歩、2歩踏み込んで話ができるようになった。改善点を共に考え、さらに成長を目指したい」と力を込める。

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