裁判官と言えば、四角四面の代名詞のようで近づきにくい

 裁判官と言えば、四角四面の代名詞のようで近づきにくい▼衆院選と同時に行われた最高裁判所裁判官の国民審査は、ほとほと迷った。第一、どんな人なのか情報が少な過ぎる。白紙でも信任とは乱暴な。裁判官は、訴状や調書などの記録をひたすら読んで判決書を書くのが仕事。世間から隔離され、国民の目に触れることはめったにない▼裁判員裁判が始まって9年。これまで5万8000人が裁判員になった。理解は広がっている。決して楽なものではないと。専門の裁判官でも判決には覚悟がいる。ことに死刑は重い。言い渡しの前の晩はよく眠れないことがあるという。東京高裁判事だった原田國男さんが書いた『裁判の非情と人情』(岩波新書)で知った▼裁判官が〝こころ〟をのぞかせることはある。説諭。判決理由を読み上げた後に、被告人に助言したりする。かつて、深酔いした被害者を痛めつけた少年に実刑判決を下した東京地裁の山室恵裁判長(当時)は、さだまさしさんの『償い』を紹介し、反省の少ない少年を諭した。実話に基づく歌詞には、償うことの難しさがあった▼1948年のきょう、いわゆる「東京裁判」は元首相らの絞首刑を含む有罪判決を下した。悲劇に対する「償い」は、日本が二度と戦争を起こさないことだろう。

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