TPP11大筋合意 農業分野に再協議規定 年明けの署名視野

 【ダナン・ベトナム玉井理美、西野拓郎】米国を除く環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国は11日、新協定の大筋合意を発表した。従来のTPPの合意内容のうち、20項目だけ効力を米国復帰まで凍結する。焦点だった乳製品の低関税輸入枠の縮小など、農業分野の合意内容は見直さないが、日米自由貿易協定(FTA)が交渉入りするなど、米国復帰が見込めない場合に再協議できる新たな規定を設けた。政府は今後の見直しに足掛かりを残したとみるが、実際に見直しができるかは不透明だ。

 新協定の名称は「包括的および先進的な環太平洋連携協定」(CPTPP)。11カ国のうち6カ国が国内承認手続きを完了してから60日後に発効する。11カ国は、詰めが残るマレーシアの国有企業など4項目の最終決着を急ぎ、年明けの署名を目指す。日本は来年の通常国会での承認を視野に入れている。

 だが、10日に予定していた首脳会合がカナダの反発で見送られるなど、大筋合意目前の最終局面になって不協和音が表面化。順調に早期の発効にこぎ着けられるかは不透明感もある。

 共同議長の日本、ベトナムの両閣僚が11日、共同で記者会見し、凍結項目を含む新協定と閣僚声明を発表した。米国復帰まで凍結する20項目は、医薬品のデータ保護期間や著作権保護期間などルール分野で、関税分野は凍結や修正はしない。

 茂木敏充TPP担当相は今回の合意は「TPP12のための重要なステップ」と述べ、米国復帰を促す意義もあると強調した。

 新協定の第6条には、日米FTAの交渉入りなどで、従来のTPPの発効が見込めない場合に「いずれかの国が要請すれば、見直しを行う」と定めた。

 さらに閣僚声明では、この規定について「改正の提案に及ぶ可能性があるとの見解を共有した」と言及した。政府は、こうした規定と言及が、将来の農業分野の合意内容見直しに向けた「二重の担保」(政府関係者)になると説明する。だが、各国が協議には応じても、実際に見直しを認める保証はない。

 TPP11を巡っては、日本の農業関係者からは、全TPP国を対象にした乳製品の低関税輸入枠の縮小や、牛肉のセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動水準の引き下げを求める声が上がっていた。

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