原料から一貫こだわり豆腐 本物の甘味引き出す 18種類商品化 地元で珍しい湯葉も 愛媛県西予市 豆道楽の渡邊智幸さん(28)

智幸さん自慢の商品。木綿豆腐は6・4キロの大豆から40丁しか作れないという

 愛媛県西予市の(有)豆道楽は、大豆生産から豆腐など加工品の製造、販売までを一貫して手掛ける。事業の柱となる製造・販売を担うのが、渡邊智幸さん(28)。消費者ニーズに応える商品開発に加え、若者向けイベントに積極的に出店し、新たな客層の開拓に努める。代表の父・邦廣さん(65)が築いた会社の土台を自分が磨き上げる気概で、仕事に励む。

 同社の前身となる新城生産組合は、邦廣さんら農家6戸で2000年に設立。16年に社名を変更した。米13ヘクタールの他、大豆と小麦を15ヘクタールずつ、ブドウを40アールで生産する。加工事業では豆腐をはじめ豆乳、厚揚げなど、18種類の商品をそろえる。

 智幸さんは5年前、広島県から実家に戻った。現在は加工場の責任者を務める。気温や湿度など日々の環境の違いを見極め、大豆の浸漬時間、水と大豆の配合を細かく調整。「水と大豆だけで作る豆腐は、味のごまかしが効かない。原料から作る自社の強みを最大限に引き出し、質を高めたい」とこだわりを見せる。

 商品開発も智幸さんの仕事だ。5日の消費期限を1週間以上に延ばせば買い求めやすくなると考え、今年、充填豆腐「濃い甘豆腐」を発売。同社の豆腐は糖度が約13と高いが、豆乳を一晩寝かせて水分を減らし、さらに1度高めた。「この1度の差が濃厚な甘味を引き出すのに欠かせない」という。

 新たな客層をつかもうと、先月は毎週末、地元スーパーや若者が集まるイベントに出店。昨年から湯葉の販売も始めた。「地元では湯葉の食文化があまりない。煮ても揚げても生でもおいしい万能食材として勧め、徐々に根付かせたい」と話す。

 最近は邦廣さんが工場に顔を出す機会も減り、「少しは信頼してくれたのかな」と笑う。一昨年に結婚。昨年は娘も誕生し、守る存在が増えた。「会社を経営する大変さを感じているが、父が築いてくれた土台を磨き上げるのが自分の仕事」と決意を語る。

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